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僕とジェームズポッターは薄暗い廊下で向き合っていた。
お互い杖を向けてただ睨み合う。
シリウスブラックが澄ました様子で窓際にもたれかかって、馬鹿にした顔で僕を見ている。
「さっきの授業、またリリーを見てただろう。」
「……。」
「お前も懲りない奴だな。」
僕を放っておいてくれ。
何故絡んでくるんだ。
「どれほど想ったところでリリーはお前なんか…」
最後まで聞かないうちにお互いの杖の先から強い閃光が放たれ、気がついたら僕は鼻血を出しながら天井を眺めていた。
「…わっ。今日はまた一段と酷いね…」
景色が天井から名無し先輩に変わる。
魔法でどうにかすればいいものを、先輩は僕を抱き起こしながらポケットのハンカチで血を拭った。
「…ハンカチが汚れま…す…」
ドロリと喉に血が流れ込んで気分が悪くなる。
「またポッターとやり合ったの?懲りないわね。」
僕の鼻を優しく抑えながら先輩が苦笑いした。
「…ただ…ただ見てるだけがそんなに駄目ですか?ただ心の中で想うだけでも罪ですか?!」
急に頭に血が上って、僕は大声でまくしたてた。
息が上がってまた鼻血が出てくる。
悔しくてじわりと涙まで溢れて僕の視界は揺れた。
興奮した僕が落ち着くまで名無し先輩はずっと背中をさすって何も言わない。
僕は先輩の肩で少し泣いた。
「もう大丈夫です。」
名無し先輩が僕の顔を覗き込む。
「うん!大丈夫みたい!」
そう言いながら鼻をチョンと突いて僕の背中に手を回した。
「…恋に…一番大事なのは自分の気持ちでしょ?」
いつも元気な先輩が突然、少し照れながらそう言った。
「相手がどう思ってるかなんて全然関係ない。
周りに笑われても自分が良かったら痛くも痒くもない…私はね。」
名無し先輩が僕を振り返った。
「愛は与えるものでしょ?」
意外な言葉が先輩の口から飛び出して、一瞬固まった後、思わず僕は吹き出してしまった。
「あー!馬鹿にしてるー!せっかくいい事言ったのにぃ!」
「すいません…先輩からそんな言葉が出ると思わなくて!」
ツボに入って笑いは止まらない。
名無し先輩は真っ赤になって僕の肩を叩いて、それから一緒になって笑い出した。
「腹立つけど元気になったみたいで良かった!さぁ、いこ!」
先輩が立ち上がって僕に手を差し出す。
その手を掴んで僕も立ち上がる。
「そう言えば、先輩も片思いしてるって話してくれましたよね。進展ありましたか?」
「…んー…完全に片思いだけど大好きだから毎日世界はバラ色!!」
大げさに手を挙げて戯けた仕草をして、僕を見つめた。
「巡り会えたことに感謝してる。」
そう言った先輩の瞳に光が反射して、吸い込まれそうで僕はハッと息をのむ。
優しい美しいその笑顔が何故か切なくて僕の胸がギュッと苦しくなった。
名無し先輩に想われている誰かのことを羨ましいと思う自分がそこにいた。
次の週、グリフィンドールとの合同授業の帰り道。
「しりうすぅ〜!!」
聞きなれた声に顔を上げると、坂の上から名無し先輩が走ってきた。
少し前を歩くブラックが嬉しそうに手を振っている。
「シリウス、ラッキースケベの魔法覚えてる?!」
先輩は上がった息を整えるのにシリウスのローブを掴んでいて僕はムッとした。
「もちろん!先輩、何か思いつきましたか?」
「うん!一個思いついて、すぐシリウスに言いたくて!」
ポッターやルーピン、ペティグリューも興味津々に先輩を囲む。
「やってみるよぉ!エイッ!」
先輩がいきなり四人に向かって杖を振った。
その時、タイミング良く横を通りかかった女子集団が悲鳴を上げた。
リリーもその中にいる。
四人のズボンが女子の制服のスカートに変わっていたのだ!それも凄く短い。
「可愛い!!」
先輩の声にみんなが四人を見た。
「これ何なんですかぁ?!先輩!」
赤くなったシリウスが名無し先輩に向かって文句を言った。
「何て…お気に入りの男子の女装姿を無理やり見るラッキースケベの魔法だけど…。」
先輩にお気に入りと言われてブラックは怒れない。
ルーピンは気まずそうに苦笑いして、ペティグリューは今にも泣きそうだ。
でも一番焦っているのはポッターで、リリーにスカート姿を見られて顔色を赤にしたり青にしたりしている。
「シリウスも名無し先輩もいい加減にしろ!!先輩元に戻してください!!」
ポッターはそう怒鳴りながら、クスクス笑うリリーの視線から逃れるようにシリウスの後ろに身を隠した。
そんな騒ぎを背後で見つめる僕をさり先輩がチラ見して、背中にピースサインを作った。
僕は俯いて、ニヤリと笑った。
************
「セブルス!エイッ!」
「!!!先輩!何するんですかっ!!」
「…ふふふ…実はセブルスのスカート姿が見たくてこの魔法を考えたのだ!!スカート捲らせて!!」
「絶対嫌です!!名無し先輩に汚されるぅ!!!」
お互い杖を向けてただ睨み合う。
シリウスブラックが澄ました様子で窓際にもたれかかって、馬鹿にした顔で僕を見ている。
「さっきの授業、またリリーを見てただろう。」
「……。」
「お前も懲りない奴だな。」
僕を放っておいてくれ。
何故絡んでくるんだ。
「どれほど想ったところでリリーはお前なんか…」
最後まで聞かないうちにお互いの杖の先から強い閃光が放たれ、気がついたら僕は鼻血を出しながら天井を眺めていた。
「…わっ。今日はまた一段と酷いね…」
景色が天井から名無し先輩に変わる。
魔法でどうにかすればいいものを、先輩は僕を抱き起こしながらポケットのハンカチで血を拭った。
「…ハンカチが汚れま…す…」
ドロリと喉に血が流れ込んで気分が悪くなる。
「またポッターとやり合ったの?懲りないわね。」
僕の鼻を優しく抑えながら先輩が苦笑いした。
「…ただ…ただ見てるだけがそんなに駄目ですか?ただ心の中で想うだけでも罪ですか?!」
急に頭に血が上って、僕は大声でまくしたてた。
息が上がってまた鼻血が出てくる。
悔しくてじわりと涙まで溢れて僕の視界は揺れた。
興奮した僕が落ち着くまで名無し先輩はずっと背中をさすって何も言わない。
僕は先輩の肩で少し泣いた。
「もう大丈夫です。」
名無し先輩が僕の顔を覗き込む。
「うん!大丈夫みたい!」
そう言いながら鼻をチョンと突いて僕の背中に手を回した。
「…恋に…一番大事なのは自分の気持ちでしょ?」
いつも元気な先輩が突然、少し照れながらそう言った。
「相手がどう思ってるかなんて全然関係ない。
周りに笑われても自分が良かったら痛くも痒くもない…私はね。」
名無し先輩が僕を振り返った。
「愛は与えるものでしょ?」
意外な言葉が先輩の口から飛び出して、一瞬固まった後、思わず僕は吹き出してしまった。
「あー!馬鹿にしてるー!せっかくいい事言ったのにぃ!」
「すいません…先輩からそんな言葉が出ると思わなくて!」
ツボに入って笑いは止まらない。
名無し先輩は真っ赤になって僕の肩を叩いて、それから一緒になって笑い出した。
「腹立つけど元気になったみたいで良かった!さぁ、いこ!」
先輩が立ち上がって僕に手を差し出す。
その手を掴んで僕も立ち上がる。
「そう言えば、先輩も片思いしてるって話してくれましたよね。進展ありましたか?」
「…んー…完全に片思いだけど大好きだから毎日世界はバラ色!!」
大げさに手を挙げて戯けた仕草をして、僕を見つめた。
「巡り会えたことに感謝してる。」
そう言った先輩の瞳に光が反射して、吸い込まれそうで僕はハッと息をのむ。
優しい美しいその笑顔が何故か切なくて僕の胸がギュッと苦しくなった。
名無し先輩に想われている誰かのことを羨ましいと思う自分がそこにいた。
次の週、グリフィンドールとの合同授業の帰り道。
「しりうすぅ〜!!」
聞きなれた声に顔を上げると、坂の上から名無し先輩が走ってきた。
少し前を歩くブラックが嬉しそうに手を振っている。
「シリウス、ラッキースケベの魔法覚えてる?!」
先輩は上がった息を整えるのにシリウスのローブを掴んでいて僕はムッとした。
「もちろん!先輩、何か思いつきましたか?」
「うん!一個思いついて、すぐシリウスに言いたくて!」
ポッターやルーピン、ペティグリューも興味津々に先輩を囲む。
「やってみるよぉ!エイッ!」
先輩がいきなり四人に向かって杖を振った。
その時、タイミング良く横を通りかかった女子集団が悲鳴を上げた。
リリーもその中にいる。
四人のズボンが女子の制服のスカートに変わっていたのだ!それも凄く短い。
「可愛い!!」
先輩の声にみんなが四人を見た。
「これ何なんですかぁ?!先輩!」
赤くなったシリウスが名無し先輩に向かって文句を言った。
「何て…お気に入りの男子の女装姿を無理やり見るラッキースケベの魔法だけど…。」
先輩にお気に入りと言われてブラックは怒れない。
ルーピンは気まずそうに苦笑いして、ペティグリューは今にも泣きそうだ。
でも一番焦っているのはポッターで、リリーにスカート姿を見られて顔色を赤にしたり青にしたりしている。
「シリウスも名無し先輩もいい加減にしろ!!先輩元に戻してください!!」
ポッターはそう怒鳴りながら、クスクス笑うリリーの視線から逃れるようにシリウスの後ろに身を隠した。
そんな騒ぎを背後で見つめる僕をさり先輩がチラ見して、背中にピースサインを作った。
僕は俯いて、ニヤリと笑った。
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「セブルス!エイッ!」
「!!!先輩!何するんですかっ!!」
「…ふふふ…実はセブルスのスカート姿が見たくてこの魔法を考えたのだ!!スカート捲らせて!!」
「絶対嫌です!!名無し先輩に汚されるぅ!!!」