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「怖い話してあげましょうか…。
あるところに本ばかり読んで、このクソ暑いのに日焼けもしないで色の真っ白な男の子が…」
「ふざけてないでこれ発音してみてください…」
先輩はむくれて教科書をバタンと閉じた。
「教えてくれと泣きついて来たくせに何するんですか!」
「アイス食べに行こ!食堂に!」
去年の長期休暇、家に帰ったら父はもちろんのこと、母親まで姿を消していた。
夏休み何すんの?!と先輩が執拗に聞いてくるので、そんなことをちらりと漏らしたらこれだ。
このままだと呪文学で落第決定!来年は君と同じ学年かもね?と言われてゾッとした僕は、先輩と一緒にこの夏ホグワーツに残ることにした。
先輩に引きずずられ食堂に入ると、学校に残っている数少ない生徒のためだけに、屋敷しもべ達がアイスクリームを用意してくれていた。
「ありがとう!!!」
名無し先輩は屋敷しもべを抱きしめてグルグル振り回している。
迷惑そう…というか、怯えた屋敷しもべはバチンという音と共に名無し先輩の腕の中から消え去った。
「それ、何味?」
僕が答える前に、先輩のスプーンが僕のアイスにめり込んで一番美味しいフローズンベリーが掻っ攫われていった。
ムカついたので、先輩の一番好きなナッツとキャラメルの所をほじくって食べてやる。
ジロっと先輩が僕を睨んで、今度はピーチのところを食べようとするので右腕で先輩を防御してやった。
「男のくせに可愛いフルーツフローズン食べないで!」
「先輩こそ、キャラメルナッツは太りますよ?」
「君はもうちょっと太ったほうがいいんじゃない?
私はこれ食べて胸を大きくしたいのよ。」
先輩が両手で自分の胸をむぎゅっと寄せて上げた。
僕はウッ!!!と喉が詰まって、スプーンを落としそうになる。
「隙あり!」
先輩はピーチとマンゴをダブルですくって、パクっと口に入れた。
「随分仲良しさんね。」
背後から聞き慣れた声がして、僕らは一緒に振り返った。
「ナルシッサ先輩!!!!」
先輩が立ち上がって、ナルシッサ先輩に抱きついた。
ナルシッサ先輩は困った顔も美しい。
「セブルス、お久しぶりね…」
名無し先輩のハグが苦しそうでお気の毒になる。
「先輩なんでここにいるんですか?!」
「今日はルシウスの仕事について来たの。今、ダンブルドア校長とお話してるわ。」
「王子もいるんですか?!」
名無し先輩の顔がニヤける。
「貴方達、今年は帰らなかったの?」
「日本は遠いですから、行ったり来たりが大変で。
あと、セブルスを夏中からかって遊ぼうと思って!」
「……。」
「…セブルス、許してあげてね。」
今度はナルシッサ先輩が僕をお気の毒という顔で見つめる。
「ナルシッサ!」
三人揃って振り返ると、ルシウス先輩がびっくりした顔をした。
「セブルスと名無し。久しぶりだな。」
「お久しぶりです。ルシウス先輩。」
僕は立ち上がってお辞儀をした。
顔を上げると、名無し先輩がルシウス先輩の背後に瞬間移動していて、サラサラの長髪を触りながらじゃれついている。
「先輩!先輩!先輩!相変わらず髪の毛キレイ!!!いい匂いする!!!!」
ルシウス先輩はまたか…と半ば諦め気味に好きにさせていて、ナルシッサ先輩もクスクス笑っている。
「恒例なのよ、名無しはルシウスの髪が好きなの。」
ルシウス先輩にあんな風にじゃれつく事のできる恐れ知らずの先輩に僕は驚愕した。
四人でアイスティーを飲みながら、僕と名無し先輩はルシウス先輩とナルシッサ先輩の話を聞いていた。
名無し先輩は話を聞くというより、ルシウス先輩とナルシッサ先輩を見つめてニコニコしている。
時々、ルシウス先輩がナルシッサ先輩を優しい目で見つめて、ナルシッサ先輩もルシウス先輩に美しい笑顔を返すので僕もドキドキしてしまった。
「今でも変わらず仲良しで羨ましいなぁ〜」
名無し先輩がナルシッサ先輩にそう言うと、あらという顔で僕達を見つめた。
「貴方達ふたりも仲良しじゃない。」
「ふたりが付き合っていたのは知らなかった。」
ルシウス先輩も僕らを見る。
「…!そんなんじゃありません!ただの先輩です!」
僕はすぐ否定した。
「そうです、体の関係だけです、私達。」
ブハッと僕はアイスティーを吹き出す。
あははははと先輩が声を出して笑う。
「名無し、あなた相変わらずね…。」
ナルシッサ先輩が呆れた顔をする。
「冗談もいい加減にしろ。
そう言えば、私とダンブルドア校長のボーイズラブコミックを描いてスリザリンの談話室で配布したことがあっただろう…。」
ルシウス先輩がジト目で名無し先輩を睨む。
「あれはナルシッサ先輩も気に入ってましたよねぇ?!」
名無し先輩は大笑いしている。
昔からそんなことをしてたのか、この先輩は!
さてそろそろ時間だとルシウス先輩の一言で楽しい時間はお開きになった。
「先輩、僕らも呪文学に戻りましょう。」
僕は名無し先輩に言葉をかけた。
「あら、名無し、呪文学をセブルスに教えているの?」
ナルシッサ先輩がそう言って僕を見る。
「呪文学はいつも一番だったな、名無しは。」
ルシウス先輩がそう付け加えた。
「…どういう事ですか?」
僕は先輩を睨んだ。
「あー…急にトイレに行きたくなっちゃった!ルシウス先輩、ナルシッサ先輩、会えて嬉しかったです!また会いましょう!!!
セブルス、また後でね!!!」
名無し先輩はそう言うと、すごい速さで走りながら大広間を出て行った。
ポカンとする僕に向かってナルシッサ先輩が笑う。
「嘘ついて、あなたと一緒にいたかったのね。なんてわかりやすい…。」
そうなのか?!と僕とルシウス先輩はナルシッサ先輩を見た。
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「セブルス!泳ごう!!!」
「泳ぎません!」
「私の水着見たくないの?!」
「見たくありません!!」
「巨大イカの触手にエロいことされてもいいの?!」
「どうぞ、されてください!!」