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名無しside
友人のミアに聞きたいことがあった私は彼女を探して廊下を歩いていた。
廊下の先、曲がり角に彼女自慢のサラサラした金髪が見えた気がして足を早める。
「…ミア…」
大声で彼女を呼ぼうと顔を出した私は固まった。
ミアが彼氏と抱き合ってキスをしているところを目撃してしまったのだ。
「!!!」
私はすぐに顔を引っ込めて元来た廊下を引き返す。
この学校は好き。
みんなも好き。
でも日本人の私から見ると、ここの生徒はベタベタしすぎる。
学校の廊下であんな激しく抱擁してキスするなんて!!!
目撃してしまったこっちが恥ずかしくなる。
キスやそれ以上のことはもっと二人の秘密というか…隠れてしたほうがいいと思うんだけど…
突然、頭に私の恋人セブルスの顔が浮かぶ。
「わっ!!!」
なんだか頭の中にいやらしい想像が浮かび上がりそうになった私は小さく声を上げて髪をグシャグシャさせた。
セブルスside
食事をしにみんな大広間に行ってしまったのか、談話室には僕と名無し先輩二人だけだ。
授業終わりに先輩がお菓子を山盛り持ってきて、どっちが多く食べれるか勝負しようなんて言うからお腹がいっぱいになってしまった。
そういうわけで僕ら二人はここに残って並んで読書をしている。
名無し先輩は大きな画集を膝に乗せて楽しそうにページを見つめている。
今日もふんわりと先輩の甘い香りして僕はこっそり幸せな気分になる。
僕らは恋人同士になったけれど今までの関係と何が違うのかと言われるとどう答えて良いかわからないくらい違いがない。
相変わらず僕にいたずらばかりの先輩がいつもと変わらず横にいるだけだ。
ふと先輩を見ると、何をそんなに真剣に見ているのか右手で下唇を触りながら悩んだ表情を浮かべている。
先輩のぷっくりした桜色の唇に僕の視線は引き寄せられた。
そんな僕をからかっているのか、先輩はなおも下唇を指先でもてあそぶ。
【何をそんなに見てるの?】
【えっ…?別に…】
【嘘。ずっと唇見てたでしょ?正直に言いなさい。】
【…すいません】
【もうあなたのものなんだから好きにしていいのよ?】
「ああ!そうやって描いてるのね!」
「あっ?!何ですかっ?!」
名無し先輩の大声に妄想の世界から引き戻された。
「あはは。大声ごめん!ずっと気になってた絵の技法がここに書かれてたから興奮しちゃった。」
先輩が画集を指さしながら嬉しそうに笑う。
可愛らしい唇が柔らかい曲線を描く。
「…それはよかった。続きをどうぞ。」
また先輩の唇を意識して頬が熱くなった僕は自分の本に目を落とした。
もう僕らは恋人同士なんだ!
キスくらいしたっていいじゃないか。
名無し先輩は僕の彼女で、僕は名無し先輩の彼氏なんだから。
なんだったらキスの先までしたって誰にも文句は言われない。
…ああ、僕は何て想像を…