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名無しside
ぐぅぅぅ~っと私のお腹が大きく音を立てる。
ナルシッサ先輩の美しい顔が困ったように微笑むから、私もにっこり笑い返したらルシウス先輩の大きな手が私の頭にボフッと乗っかった。
「名無し、食事にはまだ早い。」
「ほら、新入生が入ってきたわ。」
わぁ!可愛い!
ぞろぞろと新入生が大広間に入ってくる。
髪の毛がくるくるした子、サラサラな子、金髪の子、黒髪の子、肌の白い子・黒い子…。
どの子もみんな可愛い!!!
今までの空腹のことなんか吹き飛んで、私は新入生を見つめる。
私には弟や妹がいないから、スリザリンに一年生が入ってきたら全員可愛がってあげよう!!!
…ううん、スリザリンじゃなくても一年生はみんな可愛がる!!!
「ふふふ…新入生は食べ物じゃないわよ。」
私が見つめすぎていたのか、ナルシッサ先輩がまた美しい笑顔で笑った。
組み分け帽子に決められた寮のテーブルに新入生達が座っていく。
私の横にはどんな子がくるんだろう?!
やって来たら、私が好きな料理をぜーんぶお皿に入れて渡してあげよう!
だってきっとお腹は空いてるのに、緊張してるでしょ?
張り切る私の横に、肩まで伸ばした黒髪の色の白い男の子がやって来た。
ここに座って良いのか一瞬ためらっているみたい。
「ほら、ここ。」
私は椅子を指さして、怖がらせないよう優しい笑顔を心掛けて微笑んだ。
少年は少し恥ずかしそうな顔をして、私に言われるまま素直に腰かけた。
「…ねぇ、名前はなんていうの?」
「セブルス・スネイプです。」
「セブルス、チキン好き?チーズも好き?サラダもおいしいし、パンはこれがオススメなんだ。」
私の好きなものばかり一気にまくしたてるよう紹介したら、びっくりしたように目をまんまるにさせている。
「怖がらなくていいわよ。でも名無しはスリザリンいち悪戯好きだから気をつけて。」
セブルスはナルシッサ先輩の美しい笑顔に照れたのか頬を桜色に染めた。
「セブルスは悪戯好き?緊張してないで食べな?私のことは名無し先輩でいいわよ。」
「…はい。」
もそもそと私が勧めたパンを食べる姿が可愛くて私はニヤリとしてしまう。
「これも食べてみて、ほら。」
「え…?」
「いいからいいから。」
スプーンに乗せた黄色いフルーツを私は無理やりセブルスの口に放り込んだ。
セブルスがフルーツを噛んだら、パチンっと大きな音がしてその後物凄く酸っぱい!!!という顔をした。
「あはははは!!!ごめんごめん!!!
popberryっていうの!びっくりした?!緊張してるから楽しませようと思って!」
セブルスは慌ててかぼちゃジュースで口の中身を飲み込むと、はぁ…と大きく溜息をついた。
「大丈夫か?
名無し、今日は初日だぞ、手加減してやらねば。」
目の前に座るシリウス先輩に怒られて私は肩をすくめた。
「…怒られちゃった!セブルスごめんね?」
セブルスは涙目になりながら私を見る。
ああ!なんて可愛い顔をするのかしら!!!
この困った顔、大好き!!!
これからずーっと可愛がって困らせて悪戯してやろう!
私はぐりぐりとセブルスの頭を撫ぜてにっこり笑うとそう心に決めた。
「…というわけで、私は君を一番に可愛がろうって決めたの、あの日。」
「…へぇ。それはどうも…」
「一瞬で緊張がほぐれたでしょ?私のおかげで。」
「ただでさえ緊張と不安で押しつぶされそうな僕をさらに怖がらせてくださってありがとうございました!」
セブルスはジト目で私を見ると、本に視線を戻した。