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天気がいい日は外での読書に限る。
色の白い僕でもたまにはこうして肌を太陽に晒して元気をもらっているのだ。
早速本を広げ読書を始める。
「スリザリンの天才くん…」
聞き覚えのある声にギョッとして後ろを向くと、真後ろの背の低い植え込みから見慣れた瞳が覗いていた。
「…何してるんですか、そんなとこで。」
「お尋ねするが…周りに誰かいるかね?」
僕は周りを見渡す。
「僕だけです。」
ガサガサと音を立てて、名無し先輩が植え込みから這い出してきた。
頭には緑の葉が数枚、小枝まで付いている。
「はぁ…疲れた。」
名無し先輩が僕の横に座って大きなため息をついた。
僕は先輩を無視して読書に戻る。
この人に付き合っているとろくなことがない。
ツンツンと肩を突かれて、先輩を見ると頭に葉をつけたまま何処から出したのか百味ビーンズの箱を僕に差し出した。
「いりませんよ…」
僕は思いっきりしかめっ面をしてやる。
ふーんとさり先輩はビーンズの箱を引っ込めて、芝生の上で足をバタバタさせ始める。
読書に集中させないこの人の作戦だ。
「…何であんなとこに隠れてたんですか。」
僕は嫌々先輩に質問した。
質問しないといつまでも嫌がらせが続くからだ。
先輩はニヤリと笑って僕を見た。
「やっと私とおしゃべりする気になったか。」
そう言って、先輩は僕の髪の毛をピンピンと指で弾いた。
僕はため息をつきながら、名無し先輩の髪の葉と枝を取ってやる。
先輩はニコニコ笑って僕にされるがままじっとしていた。
「全然めげないのよ。すごい情熱ね。
あ、これ苺!大当たり!」
先輩はビーンズを食べながら話し出す。
「一回だけでいいからデートしてくれってしつこいの。
さっき廊下でばったりあって、追いかけられて隠れてたわけ。」
「あなたをデートに誘うなんて、物好きですね。」
名無し先輩が僕をジト目で睨む。
「言うわね…セブルス。」
先輩からセブルスと名前を呼ばれてドキッとする。
「…まぁ、物好きよね。」
名無し先輩は自分でそう言って笑うとビーンズをまた口に入れた。
「おえっ、苦っ。これハズレ!
グリフィンドールなんだから、スリザリンの私なんて誘わなきゃいいのに、ほんと物好きだわ。」
「その物好きは一体誰ですか。」
百味ビーンズの箱をザラザラと振りながら名無し先輩が口にした。
「シリウス・ブラックよ。
グリフィンドールのイケメン君。」
「!」
その名を聞いた途端、僕は気分が悪くなる。
「君と随分仲良しのあのイケメン君。」
「よくご存知で。」
僕は不機嫌になって、本に目を落とす。
「何回断っても誘ってくるから、一回くらいデートしてやろうかしら。」
名無し先輩とブラックの奴が二人でホグズミードデートをする姿を想像してしまった。
認めたくはないが、ブラックは美形だ。
中身はコレだが、見た目は美しい名無し先輩とお似合いじゃないか。
ブラックがハニーデュークスのお菓子とゾンコの悪戯グッズを大量に購入して名無し先輩を餌付けしている様が目に浮かぶ。
何だか無性に腹が立つ。
自慢じゃないが、名無し先輩が一番懐いているのはこの僕だ。
その先輩が僕以外の男に餌付けされて、ましてやあのブラックに尻尾を(完全に先輩を犬扱いしている僕である)振るなんて想像したくもない。
「…好きにしたらいいんじゃないですか?」
想いとは裏腹な言葉が口をついて出てくる。
名無し先輩が僕の顔をジッと見つめた。
「…そう言えば…叫びの屋敷はカップルのそういう場になってるって噂、聞いたことない?」
「はぁ?!」
またこの人はいきなり何を言い出すんだ。
「そういう場所って…アレよね?!」
名無し先輩が僕ににじり寄ってくる。
「ここだけの話なんだけど…ナルシッサ先輩とこの前ばったりあったの!
学校にいた頃はよくルシウス先輩と叫びの屋敷で…」
「やめろ!聞きたくない!」
僕は真っ赤になって耳を塞いだ。
「そうだよね…私も聞いた時はショックだった…だってルシウス先輩って王子様でしょ?私の中で。
王子様がそんなエッチな…」
「だからやめろ!!」
「わっっ!!!」
名無し先輩の口を塞ごうとしたら、バランスを崩して先輩の上に倒れこんでしまった。
ふわりと甘い香りがして、僕の体と先輩の体が密着する。
慌てて顔を上げると、先輩が少し困った顔で小さく微笑んだ。
「…セブルスのエッチ」
名無し先輩の可愛らしい笑顔にクラクラした。
僕はガバッと体を起こすと立ち上がり恥ずかしさを隠すように体をはたいた。
よいしょっと先輩も起き上がって、僕の髪に手を伸ばす。
「なっ!!!」
「ほら、葉っぱついてるよ。」
名無し先輩は僕を見てクスクス笑った。
「で、何の話してたんだっけ?!」
本を抱えて足早に歩く僕を小走りに追いかけながら名無し先輩はニヤニヤしている。
また僕が何か言ったら、それに対してからかうに決まっているので無言を貫くことにする。
「ねぇ、エッチって言ったこと謝るから!」
その場にいた生徒たちが僕らを振り返る。
「声がでかいです!先輩!」
赤面した僕が思わず叫ぶと名無し先輩は声を出して笑った。
作戦も虚しく、またまんまと先輩のからかいにつられてしまった。
僕の右腕に名無し先輩が飛びついてくる。
「この前新しい羽ペン欲しいって言ってたでしょ?
一緒に見に行って、その後バタービールご馳走するから機嫌なおして。
一緒に行きましょ?ホグズミード。」
「……」
名無し先輩と一緒にまわるホグズミード…楽しそうじゃないか…
羽ペンも欲しかったし、まぁ、行ってやろうか…。
「…考えておきます…」
「やったぁ!楽しみ!」
「まだ行くとは言っていません。」
名無し先輩が僕を上目遣いに見て、ニヤリとする。
僕が断らないのをこの人はわかっているんだ。
僕は大変な週末になりそうだとため息をつきながら、密かに心を踊らせるのだった。
色の白い僕でもたまにはこうして肌を太陽に晒して元気をもらっているのだ。
早速本を広げ読書を始める。
「スリザリンの天才くん…」
聞き覚えのある声にギョッとして後ろを向くと、真後ろの背の低い植え込みから見慣れた瞳が覗いていた。
「…何してるんですか、そんなとこで。」
「お尋ねするが…周りに誰かいるかね?」
僕は周りを見渡す。
「僕だけです。」
ガサガサと音を立てて、名無し先輩が植え込みから這い出してきた。
頭には緑の葉が数枚、小枝まで付いている。
「はぁ…疲れた。」
名無し先輩が僕の横に座って大きなため息をついた。
僕は先輩を無視して読書に戻る。
この人に付き合っているとろくなことがない。
ツンツンと肩を突かれて、先輩を見ると頭に葉をつけたまま何処から出したのか百味ビーンズの箱を僕に差し出した。
「いりませんよ…」
僕は思いっきりしかめっ面をしてやる。
ふーんとさり先輩はビーンズの箱を引っ込めて、芝生の上で足をバタバタさせ始める。
読書に集中させないこの人の作戦だ。
「…何であんなとこに隠れてたんですか。」
僕は嫌々先輩に質問した。
質問しないといつまでも嫌がらせが続くからだ。
先輩はニヤリと笑って僕を見た。
「やっと私とおしゃべりする気になったか。」
そう言って、先輩は僕の髪の毛をピンピンと指で弾いた。
僕はため息をつきながら、名無し先輩の髪の葉と枝を取ってやる。
先輩はニコニコ笑って僕にされるがままじっとしていた。
「全然めげないのよ。すごい情熱ね。
あ、これ苺!大当たり!」
先輩はビーンズを食べながら話し出す。
「一回だけでいいからデートしてくれってしつこいの。
さっき廊下でばったりあって、追いかけられて隠れてたわけ。」
「あなたをデートに誘うなんて、物好きですね。」
名無し先輩が僕をジト目で睨む。
「言うわね…セブルス。」
先輩からセブルスと名前を呼ばれてドキッとする。
「…まぁ、物好きよね。」
名無し先輩は自分でそう言って笑うとビーンズをまた口に入れた。
「おえっ、苦っ。これハズレ!
グリフィンドールなんだから、スリザリンの私なんて誘わなきゃいいのに、ほんと物好きだわ。」
「その物好きは一体誰ですか。」
百味ビーンズの箱をザラザラと振りながら名無し先輩が口にした。
「シリウス・ブラックよ。
グリフィンドールのイケメン君。」
「!」
その名を聞いた途端、僕は気分が悪くなる。
「君と随分仲良しのあのイケメン君。」
「よくご存知で。」
僕は不機嫌になって、本に目を落とす。
「何回断っても誘ってくるから、一回くらいデートしてやろうかしら。」
名無し先輩とブラックの奴が二人でホグズミードデートをする姿を想像してしまった。
認めたくはないが、ブラックは美形だ。
中身はコレだが、見た目は美しい名無し先輩とお似合いじゃないか。
ブラックがハニーデュークスのお菓子とゾンコの悪戯グッズを大量に購入して名無し先輩を餌付けしている様が目に浮かぶ。
何だか無性に腹が立つ。
自慢じゃないが、名無し先輩が一番懐いているのはこの僕だ。
その先輩が僕以外の男に餌付けされて、ましてやあのブラックに尻尾を(完全に先輩を犬扱いしている僕である)振るなんて想像したくもない。
「…好きにしたらいいんじゃないですか?」
想いとは裏腹な言葉が口をついて出てくる。
名無し先輩が僕の顔をジッと見つめた。
「…そう言えば…叫びの屋敷はカップルのそういう場になってるって噂、聞いたことない?」
「はぁ?!」
またこの人はいきなり何を言い出すんだ。
「そういう場所って…アレよね?!」
名無し先輩が僕ににじり寄ってくる。
「ここだけの話なんだけど…ナルシッサ先輩とこの前ばったりあったの!
学校にいた頃はよくルシウス先輩と叫びの屋敷で…」
「やめろ!聞きたくない!」
僕は真っ赤になって耳を塞いだ。
「そうだよね…私も聞いた時はショックだった…だってルシウス先輩って王子様でしょ?私の中で。
王子様がそんなエッチな…」
「だからやめろ!!」
「わっっ!!!」
名無し先輩の口を塞ごうとしたら、バランスを崩して先輩の上に倒れこんでしまった。
ふわりと甘い香りがして、僕の体と先輩の体が密着する。
慌てて顔を上げると、先輩が少し困った顔で小さく微笑んだ。
「…セブルスのエッチ」
名無し先輩の可愛らしい笑顔にクラクラした。
僕はガバッと体を起こすと立ち上がり恥ずかしさを隠すように体をはたいた。
よいしょっと先輩も起き上がって、僕の髪に手を伸ばす。
「なっ!!!」
「ほら、葉っぱついてるよ。」
名無し先輩は僕を見てクスクス笑った。
「で、何の話してたんだっけ?!」
本を抱えて足早に歩く僕を小走りに追いかけながら名無し先輩はニヤニヤしている。
また僕が何か言ったら、それに対してからかうに決まっているので無言を貫くことにする。
「ねぇ、エッチって言ったこと謝るから!」
その場にいた生徒たちが僕らを振り返る。
「声がでかいです!先輩!」
赤面した僕が思わず叫ぶと名無し先輩は声を出して笑った。
作戦も虚しく、またまんまと先輩のからかいにつられてしまった。
僕の右腕に名無し先輩が飛びついてくる。
「この前新しい羽ペン欲しいって言ってたでしょ?
一緒に見に行って、その後バタービールご馳走するから機嫌なおして。
一緒に行きましょ?ホグズミード。」
「……」
名無し先輩と一緒にまわるホグズミード…楽しそうじゃないか…
羽ペンも欲しかったし、まぁ、行ってやろうか…。
「…考えておきます…」
「やったぁ!楽しみ!」
「まだ行くとは言っていません。」
名無し先輩が僕を上目遣いに見て、ニヤリとする。
僕が断らないのをこの人はわかっているんだ。
僕は大変な週末になりそうだとため息をつきながら、密かに心を踊らせるのだった。