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慣れない街並みを僕は一人で歩いていた。
買い物はほぼ終わり、後は本屋に寄るだけ。
それにしても暑い。
シャツが肌に張り付いて不快だ。
どこかで炭酸水でも飲みながら休憩したい…。
「あれ?セブルス?」
えっ?と振り返ると、白いワンピースにツバの広い帽子を被った女性がいた。
帽子を目深に被っているので顔がよく見えない。
「…?どちら様でしょうか?」
「…ご存知ありません?私はあなたのことをよく存じておりますけれど…」
ギョッとしてマジマジ見ると、大きなツバをグッと折り曲げてその人が僕を見た。
「名無し先輩!!!」
僕の腕に自分の腕を絡めて先輩はずんずん人混みを歩いて行く。
白いノースリーブのワンピースが意外過ぎて僕の心臓は高鳴りっぱなしだ。
「友達が帰っちゃって暇してたの。まさか会えるなんてラッキー!」
外見こそ清楚で美しいが、学校で見る元気な笑顔は間違いなく先輩だ。
「その服はなんですか?!」
「あ?これ?さっきまでね、友達と会ってたのよ。日本のね。
そいつ、夏休みにこっちに遊びに来てたんだけど、いつも私のこと男っていうから思いっきり女っぽい格好してやったの。
びっくりした顔が最高でした。」
にひひと少年の様な笑顔で僕を見る。
日本の友達…男だろうか。
僕は少しだけムッとした。
「ノースリーブだから日焼けしちゃった。」
先輩はワンピースの肩紐を少しずらして僕に見せる。
「っ!!!」
なんてものを見せるんだ!
僕はすぐ視線を逸らした。
先輩のニヤニヤした顔が僕を見つめている。
「暑いからカフェ行こ?もちろん先輩のおごり。」
返事をする前に、先輩はモノトーンの落ち着いたカフェの扉を開けた。
「せっかくのデートなんだし、もーっと可愛いマダム・パディフットの店みたいなとこのが良かった?」
「はっ?!無理やり先輩が連れて来たんでしょう…」
そう言いながらも、静かでスタイリッシュな店内が僕は気に入っていた。
森林浴をしているような爽やかな香りも僕好みだ。
フカフカしたソファータイプの椅子も座りごごちがいい。
先輩は頰杖をついて、内心上機嫌な僕の顔を見ながら微笑んでいる。
「…何ですか?」
「私はかき氷食べるけど、セブルスは何にする?何でも好きなの食べな。」
僕はレモンスカッシュにレモンシャーベットが乗っかった爽やかすぎるドリンクを注文した。
「…先輩。それは…?」
「えっ?私と君の寮カラーの抹茶かき氷じゃない。」
「…まっちゃ?」
「そう。グリンティー。」
「上に乗ってる不気味な黒いものはなんですか?あと周りの白いのも…」
「不気味って、もっと不気味な薬作ってるくせに。これはあんこと練乳。」
そう言いながら、緑の氷と黒いあんこ、白い練乳なるものをスプーンですくって僕の目の前に差し出した。
「ほれ、食べてみ?」
僕が躊躇していると先輩は少し怒った顔をする。
「早く!溶ける溶ける!」
そう急かされてパクッと口に入れると、あんこの優しい甘さと練乳の濃厚さの後に抹茶のほろ苦さが来た。
「…ん。うまい。」
「でしょう!」
先輩が嬉しそうに笑う。
その顔が可愛くて僕はドキリとする。
「私は練乳たっぷりがすきぃ」
そう言いながら氷を口に入れる時、白い煉乳がとろりと先輩の口元に垂れる。
「…あ。垂れた」
指ですくってペロリと舐める。
ん?…これやばくないか?
一瞬イケナイ妄想をしてしまい、勢いよくレモンスカッシュを吸い込んだら、喉がびりびり震えて僕は悶絶した。
「白玉もいる?2つあるから1個ずつしよ?」
店の人からスプーンをもう一つ貰うと、反対側からつついていいよと微笑んでスプーンを差し出した。
「あー!体が冷えた!お腹いっぱい!」
「僕も寒くなりました。」
さっきまで暑かった体が今はすっかり冷えて、手先が冷たい。
不意に先輩の手が僕の頬を触る。
「ほんと。冷たい。元から血の気無いもんね。…私が温めてあげようか?」
びっくりした拍子に肘がグラスに当たって音を出した。
「あははは。顔真っ赤。暑くなったでしょ?」
…全くこの人は。
僕をからかうのに全力を注いでいるらしい。
いつかやり返してやろうと思っていた僕は、今がチャンスだとばかりに先輩に攻撃を仕掛けた。
むにゅ。
先輩の頬を両手で掴んでやる。
「先輩も温かいでしょ?」
手のひらには先輩の柔らかな頬の感触。
びっくりしてまん丸になった真っ黒で大きな瞳とぷっくりした桜色の唇が僕の目の前にある。
「…。」
みるみるうちに先輩の頬が真っ赤に染まって、僕の手のひらが熱くなる。
えっ?こんな顔、想定外だ。
可愛すぎるじゃないか。
先輩は僕に頬を掴まれ、僕は先輩の頬を掴んでお互い赤面して固まる。
カラン…氷が溶けていい音を立てた。
「…名無し先輩…可愛いですね…」
「…セブルスも…可愛いわね…」
僕達はお互い見つめ合って苦笑いしたのだった。
買い物はほぼ終わり、後は本屋に寄るだけ。
それにしても暑い。
シャツが肌に張り付いて不快だ。
どこかで炭酸水でも飲みながら休憩したい…。
「あれ?セブルス?」
えっ?と振り返ると、白いワンピースにツバの広い帽子を被った女性がいた。
帽子を目深に被っているので顔がよく見えない。
「…?どちら様でしょうか?」
「…ご存知ありません?私はあなたのことをよく存じておりますけれど…」
ギョッとしてマジマジ見ると、大きなツバをグッと折り曲げてその人が僕を見た。
「名無し先輩!!!」
僕の腕に自分の腕を絡めて先輩はずんずん人混みを歩いて行く。
白いノースリーブのワンピースが意外過ぎて僕の心臓は高鳴りっぱなしだ。
「友達が帰っちゃって暇してたの。まさか会えるなんてラッキー!」
外見こそ清楚で美しいが、学校で見る元気な笑顔は間違いなく先輩だ。
「その服はなんですか?!」
「あ?これ?さっきまでね、友達と会ってたのよ。日本のね。
そいつ、夏休みにこっちに遊びに来てたんだけど、いつも私のこと男っていうから思いっきり女っぽい格好してやったの。
びっくりした顔が最高でした。」
にひひと少年の様な笑顔で僕を見る。
日本の友達…男だろうか。
僕は少しだけムッとした。
「ノースリーブだから日焼けしちゃった。」
先輩はワンピースの肩紐を少しずらして僕に見せる。
「っ!!!」
なんてものを見せるんだ!
僕はすぐ視線を逸らした。
先輩のニヤニヤした顔が僕を見つめている。
「暑いからカフェ行こ?もちろん先輩のおごり。」
返事をする前に、先輩はモノトーンの落ち着いたカフェの扉を開けた。
「せっかくのデートなんだし、もーっと可愛いマダム・パディフットの店みたいなとこのが良かった?」
「はっ?!無理やり先輩が連れて来たんでしょう…」
そう言いながらも、静かでスタイリッシュな店内が僕は気に入っていた。
森林浴をしているような爽やかな香りも僕好みだ。
フカフカしたソファータイプの椅子も座りごごちがいい。
先輩は頰杖をついて、内心上機嫌な僕の顔を見ながら微笑んでいる。
「…何ですか?」
「私はかき氷食べるけど、セブルスは何にする?何でも好きなの食べな。」
僕はレモンスカッシュにレモンシャーベットが乗っかった爽やかすぎるドリンクを注文した。
「…先輩。それは…?」
「えっ?私と君の寮カラーの抹茶かき氷じゃない。」
「…まっちゃ?」
「そう。グリンティー。」
「上に乗ってる不気味な黒いものはなんですか?あと周りの白いのも…」
「不気味って、もっと不気味な薬作ってるくせに。これはあんこと練乳。」
そう言いながら、緑の氷と黒いあんこ、白い練乳なるものをスプーンですくって僕の目の前に差し出した。
「ほれ、食べてみ?」
僕が躊躇していると先輩は少し怒った顔をする。
「早く!溶ける溶ける!」
そう急かされてパクッと口に入れると、あんこの優しい甘さと練乳の濃厚さの後に抹茶のほろ苦さが来た。
「…ん。うまい。」
「でしょう!」
先輩が嬉しそうに笑う。
その顔が可愛くて僕はドキリとする。
「私は練乳たっぷりがすきぃ」
そう言いながら氷を口に入れる時、白い煉乳がとろりと先輩の口元に垂れる。
「…あ。垂れた」
指ですくってペロリと舐める。
ん?…これやばくないか?
一瞬イケナイ妄想をしてしまい、勢いよくレモンスカッシュを吸い込んだら、喉がびりびり震えて僕は悶絶した。
「白玉もいる?2つあるから1個ずつしよ?」
店の人からスプーンをもう一つ貰うと、反対側からつついていいよと微笑んでスプーンを差し出した。
「あー!体が冷えた!お腹いっぱい!」
「僕も寒くなりました。」
さっきまで暑かった体が今はすっかり冷えて、手先が冷たい。
不意に先輩の手が僕の頬を触る。
「ほんと。冷たい。元から血の気無いもんね。…私が温めてあげようか?」
びっくりした拍子に肘がグラスに当たって音を出した。
「あははは。顔真っ赤。暑くなったでしょ?」
…全くこの人は。
僕をからかうのに全力を注いでいるらしい。
いつかやり返してやろうと思っていた僕は、今がチャンスだとばかりに先輩に攻撃を仕掛けた。
むにゅ。
先輩の頬を両手で掴んでやる。
「先輩も温かいでしょ?」
手のひらには先輩の柔らかな頬の感触。
びっくりしてまん丸になった真っ黒で大きな瞳とぷっくりした桜色の唇が僕の目の前にある。
「…。」
みるみるうちに先輩の頬が真っ赤に染まって、僕の手のひらが熱くなる。
えっ?こんな顔、想定外だ。
可愛すぎるじゃないか。
先輩は僕に頬を掴まれ、僕は先輩の頬を掴んでお互い赤面して固まる。
カラン…氷が溶けていい音を立てた。
「…名無し先輩…可愛いですね…」
「…セブルスも…可愛いわね…」
僕達はお互い見つめ合って苦笑いしたのだった。