短編、中編集

「んっ」
目を開けると白い天井が映る。状況を確認するため起き上がりあたりを見回す。あたりには何もなくただ白い壁に囲まれているだけだった。
ガルルが目を覚ます。
「…何だ此処は」
「拉致られたにしては…監視カメラらしきものが見当たらない」
「見える形では扉は無いか。調べるぞジルル」
「了解」

警戒しながら白い壁を調べる。
「隠し扉らしきものも無いか。どうする?」
「ふむ、あの指示に従うしか方法はないかも知れないな」
ガルルが視線を向けた方向には『相手に対して普段思っていることを正直に言わないと出られない部屋』と書かれていた。
「これでこの場所から出られるのか」
「武器も通信機器もない今は致し方あるまい」
俺はため息を吐く。
「仕方ないか。…俺はお前のことを融通の効かない頑固でギロロに対してブラコンなやつだと思っている」
「ほう。ではそっくりそのままお前に返そう融通の効かないブラコンとな」
ガチャリと音がすると扉が現れ開かれる。
「てかよくブラコンって言葉知ってたな」
「ニャルル曹長がお前が休暇の度にケロロ小隊の侵略度合いの監査と名を打ってケロロ軍曹に会いに行っていると俺のとこらに来ていてな。その時ブラコンだと愚痴っていたからどういう意味かを教えてもらったんだ」
「あ、はは」
まさかの経緯からの言葉で俺は乾いた笑いしか出なかった。
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