短編、中編集

俺はガルルを押し倒し馬乗りになっている。
「…ジルル」

銃を突きつけて。

俺もガルルも傷を負っている。ガルルは腕や顔を銃弾が掠め、その部分には血が滲んでいる。俺も腕や顔に傷を負い銃を持っていない腕は痛みから動かせない。
訓練所にいた時期に何度もガルルと手合わせをしたがガルルをこんな状態にするのは片手で数えれる程度だった。
「ジルル、何故、軍を抜けた」
俺はその問いに答えない。
ガルルはケロンスターを持つ者の話は知っているだろうが俺が軍を抜ける理由になるとは思っていない。
「ジルルさん」
ニャルルからの通信が入る。
「増援が来ています」
「わかった。ワープ準備が整ったら転送してくれ」
「了解ニャ」
ニャルルは俺の心情を察しているのだろう。増援が来る前から既にワープの準備をしているだろうに。
「ジルル」
「ごめんな、ガルル。これまでもこれからもずっとガルルだけだ」
好きなのは
心中で言う。戦艦へと転送された。
「すぐにワープしますニャ」

ガルル、愛してる。これかもずっと、死ぬまでお前を愛してる。
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