短編、中編集

宇髄と出かけた藤目を見送った後すぐに伊黒が来た。
「似合っているぞ」
「そうか?ありがとう。伊黒も似合ってる」
俺は絹紅梅の生地で藤色の七宝繋ぎの模様が入った浴衣、伊黒は白黒の縞模様の浴衣を着ていた。
「さあ、上がってくれ」

藤目が作り置きしていてくれたつまみと実家から送られてきた日本酒を盆にのせ、縁側に座る伊黒の隣に座る。
「…うまいな」
「口に合って何よりだ。」
熱気をもった風が吹く。
しばらくそうしているとヒューという音からドンと音がなり少し明るくなった。
「花火上がる時間だな」
「そうだな」
人混みをあまり好かない伊黒と歩行補助杖がないと歩きにくい俺たちは藤目が宇髄とデートに行くというから家でゆっくりと花火を見ようという話しになった。
周りの家もそう高い家があるわけではないので花火が見える。
次々と上がる花火を手を重ね眺める。
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