父さんの執務室にアラガミの報告のため入り報告する。帰る時父さんの首周りで何かチェーンに通されたなんの装飾もされていないシルバーリングが光ったような気がした。
「父さん、首にかけてるのって」
首あたりを指で示しながら聞いてみる。
「首？ああこれのことか」
チェーンを引き俺にも分かるように服から出し見せてくれる。
「それって指輪？」
「ああそうだ」
父さんは愛おしく指輪を見つめる。
「そういえば母さんも似たような指輪持ってたっけ」
「そうか、持っていてくれたか」
父さんは指輪をぎゅっと握る。
「父さんたちは何の意味を持つ指輪なの？」
「意味？ああ婚約指輪や結婚指輪指輪のことか」
「さあ、それはいくらお前でも秘密だ」
「えー父さんのいけず」
「ほらさっさっと仲間のところに戻れよ」
俺は父さんに言われ不満そうな顔を浮かべながら部屋を出る。
廊下を歩きエレベーターに乗っている時にふとターミナルで得た情報を思い出す。
「確かシルバーリングは結婚指輪に使われるって…」
じゃああれはもしかしなくとも、結婚指輪？！
いいなあ俺も貰いたいよ。
「隊長！」
愛しい恋人の声が俺を呼ぶ声が聞こえる。