短編、中編集

ジャラ、ジャラと少し動くだけで鎖の音が部屋に響く。
長いため息が出てしまう。
「ケロロに会いたいな…なんて」
ぐはぁ!
壁に押し付けられ、喉を掴まれ息がしにくい。見知った声が聞こえた。
「ごほっガ、ごほっガル、ル!」
喉を掴む腕を掴み急に入ってきた空気に咳き込みながらもガルルの名前を呼ぶ。
「ジルル。なぜ、なぜなんだ。どうして俺以外を求める。俺がこんなにも愛しているのに」
ガルルは何も写していないような目で俺を頬撫で鎖を握り引っ張る。
ぐふっ
「どうして、どうして」
狂ったように同じ言葉を繰り返す。ガルルが鎖を離したことで少し浮いていた俺は地面に落ち咳き込む。
「ごほ、ごほっガルルごめん。ガルルがいなくて寂しくしてさごめん」
戻ってきたガルルは俺に近づいてくる。
「だからさ」
前に立ったがるガルルの首に腕を回す。
「お仕置き、してくれよ」
耳元に呟くと勢いよく押し倒されガルルが天井を隠すように覆い被さった。

ガルルに見えないように口角を上げ笑みを浮かべる。

始めは驚いたが今ではすっかり慣れた。もう軍のために働くこともない。ただケロロに会えないのはちょっと嫌だな。それくらいだな。
ガルルとずっと一緒なのは幸せだな。
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