2024/12月(7~37)
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「貴方ね、いつもいつも私に対して失礼じゃないですか?同じ幹部とはいえ歴としては私の方が上ですよ、イーガの伝統を踏みにじるおつもりですか」
「歴が長ければ誰彼構わず敬われると思ってるのが大きな間違いだ。この際言うが俺はあんたに敬いなんて持ってない。たった数年先に生まれたからってなんだ。敬われたかったら相応の人間性を持ったらどうなんだ」
犬猿の仲と言われる諜報班の幹部と、鍛錬班の幹部のいがみ合い。もはやなにが事由となったか誰もが把握していない。鍛錬場に「どうも~」と諜報班がやって来たと思ったら、何度かのボソボソとした会話のやりとりであっという間に火花が散り始めてしまったのだ。
最初に「お前帰れよ」とタンカを切ったのは鍛錬班の幹部だった。彼は普段朗らかな男だが、どうも諜報の彼がやって来た時は機嫌が悪くなり、空気扱いに徹する。ソリの合わない男と争いなく過ごすために必要な大人の振る舞いだったわけだが、今回はどうも上手くスルーできなかったらしい。
「相応の人間性とはいったいどのようなものでしょうかねぇ、貴方、人の首を刈りながら人間性を説いておいでで?それはそれは徳の高い人間性をお持ちなんでしょう、私も見習わせていただきたいものですね~」
「仕事と個人そのものをごちゃまぜにして語るなよ、線引きができずにひとまとめにしてるから考え方が歪んでるんだ。自分で考えることもしないで」
「そういう貴方はしっかと考えてるということですか?それにしてはバカの一つ覚えのように部下に素振りばかりさせて」
「あんたこそ搦め手ばかりで部下から信頼もされてないくせに」
「は?信頼??されてますけど??知りもしない癖に適当言わないでもらえますか??」
「この前少し飲もうと誘って断られているのを見た」
「あれは次の日早いと言われただけで信頼されてないからではありません。これだから観察眼のなってないズブは」
「さぞ寂しかったろうな~せっかく誘ったのに無下に断られてな~」
「クソガキいい加減にしろ。その口縫い付けてやりましょうか」
「あ?やるか??かかってこい決着をつけてやる」
あわや一触即発。鍛錬場で幹部同士の殴り合いが始まるかと思われたその時だった。
「貴様らッ、なに喧嘩してるんだ!!」
「あ」
「え」
だだだ、と勢いよく走り現れたのは、通常であれば幹部詰所に駐在している彼らの先達だ。
仮面の下でぱちくりやってる合間にずんずんとやってきて、先達は固く握りしめた両の拳を振り上げる。
「ケンカ両成敗!」
ごんっ。その拳には長き経験の重みが沁み込んでいる。鋼鉄のように固い一撃を食らい、二人の幹部は呻き声も出せずに蹲った。
「貴方ね、いつもいつも私に対して失礼じゃないですか?同じ幹部とはいえ歴としては私の方が上ですよ、イーガの伝統を踏みにじるおつもりですか」
「歴が長ければ誰彼構わず敬われると思ってるのが大きな間違いだ。この際言うが俺はあんたに敬いなんて持ってない。たった数年先に生まれたからってなんだ。敬われたかったら相応の人間性を持ったらどうなんだ」
犬猿の仲と言われる諜報班の幹部と、鍛錬班の幹部のいがみ合い。もはやなにが事由となったか誰もが把握していない。鍛錬場に「どうも~」と諜報班がやって来たと思ったら、何度かのボソボソとした会話のやりとりであっという間に火花が散り始めてしまったのだ。
最初に「お前帰れよ」とタンカを切ったのは鍛錬班の幹部だった。彼は普段朗らかな男だが、どうも諜報の彼がやって来た時は機嫌が悪くなり、空気扱いに徹する。ソリの合わない男と争いなく過ごすために必要な大人の振る舞いだったわけだが、今回はどうも上手くスルーできなかったらしい。
「相応の人間性とはいったいどのようなものでしょうかねぇ、貴方、人の首を刈りながら人間性を説いておいでで?それはそれは徳の高い人間性をお持ちなんでしょう、私も見習わせていただきたいものですね~」
「仕事と個人そのものをごちゃまぜにして語るなよ、線引きができずにひとまとめにしてるから考え方が歪んでるんだ。自分で考えることもしないで」
「そういう貴方はしっかと考えてるということですか?それにしてはバカの一つ覚えのように部下に素振りばかりさせて」
「あんたこそ搦め手ばかりで部下から信頼もされてないくせに」
「は?信頼??されてますけど??知りもしない癖に適当言わないでもらえますか??」
「この前少し飲もうと誘って断られているのを見た」
「あれは次の日早いと言われただけで信頼されてないからではありません。これだから観察眼のなってないズブは」
「さぞ寂しかったろうな~せっかく誘ったのに無下に断られてな~」
「クソガキいい加減にしろ。その口縫い付けてやりましょうか」
「あ?やるか??かかってこい決着をつけてやる」
あわや一触即発。鍛錬場で幹部同士の殴り合いが始まるかと思われたその時だった。
「貴様らッ、なに喧嘩してるんだ!!」
「あ」
「え」
だだだ、と勢いよく走り現れたのは、通常であれば幹部詰所に駐在している彼らの先達だ。
仮面の下でぱちくりやってる合間にずんずんとやってきて、先達は固く握りしめた両の拳を振り上げる。
「ケンカ両成敗!」
ごんっ。その拳には長き経験の重みが沁み込んでいる。鋼鉄のように固い一撃を食らい、二人の幹部は呻き声も出せずに蹲った。