熱狂的愛

「ライくん」
「なに? オレの名前、ララだけど?」
「でも、オレにとってはライくん」
男の体をしてんのに、娘が欲しかったママはオレを女として育てた。オレは女とヤッても痛がるだけで、そのうちヤらんでもええかって思うようになったら、女通じて出会ったんが、学。
「お前、ゲイなん? 仕草とか女形みてぇに」
「わからへん。オレ、でも、ライくんの長髪すき」
「あー、オレ、女が好きなんだけど」
「知ってる。タレントになればいいのに」
「んな金ねーよ」
学が物欲しそうな目で見てくるのは好きだ。オレが女だった頃のことを思い出して、笑う。
「オレ、元女だし、ねーよ」
「いつからライくん、オレのファンなの」
「女だった頃、今は敵だよ。てめぇ、オレの何が欲しいんだよ」
「ライくん、好き」
変幻自在のオレは、ライオとして生きてる。女だった頃の服はまだあるし、たまにそれ着て出かけてる。そんときに女はオレを敵と見做すのに心底笑えてくる。愛しいねぇ、なんて。
「ライくん、なくてもいいから、抱いて」
「演技してんの? お前、普段調子乗りなんだろ、知らねぇけど」
「ちがう。オレは、ちがう。ライくんの彼女になりたい」
「オレの体、見ても驚くなよ。オレ、体、男じゃねーし」
「嘘吐き! あいつ、ライくんに抱かれたってオレのこと笑ってきた。オレ女嫌い」
「ねえ、あんた、わたしのこと嫌ってんだ」
「え?」
「今でもお前のファンだわ」
「らら、ってこと?」
学が心底恨めしそうにオレを見る。学って女をバカにした笑いをよくするけれど、オレにとっては構って欲しいんだなとしか思えねーし。
「変幻自在なんだよ、オレ」
「髪、一緒なん嫌いやねん、そいつ」
「ライオとして生きてんだよ、今のオレは」
「いつか、また、ららになるの?」
「あー、なんじゃね? オレ、女のオレと男のわたし、好きだから」
「ライくん」
学の方が遥かに背が高いし、オレにとっては、こいつ、男なんだけどな。女のオレ、ららとしての自我がこいつに恋されているオレに拍手喝采を送ってきやがる。
睫毛なげぇな、こいつ。やっぱオレの敵だわ。そう思いながら、キスの無意味さに溜息がこぼれる。
「あ♡」
「なに?」
「オレ、構って欲しくて」
「末っ子かよ」
「オランダのが好き?」
「あ? とーるはららの恋だよ♡ とーるくん好きなのららだもん。嫉妬したくないからファンクラ入んないの♡男に貢ぎたくないもん」
「その子のマネ、いや。オレ、その子にさ、アンチされてる。意地悪ばっかし言うの」
「お前の考え、おきれいだから言えんだよ」
「なにそれ。オレのこと、嫌いならちゃんと言って!」
「演技してんの? オレ好みの女になりたくて。お前の体、男のだろ」
「してない。なんで演技してるって思うの?」
「オレ、信用も信頼もしねぇし親でさえな」
「ららちゃんって子、いつもオレ睨んでくるし、アンチのくせにお金使ってオレに会いに来る」
「知らねぇよ。ららの感情なんて。オレ自身のことだけどな」
「ねえ、ライくん。オレのこと、好き?」
「嫌いな奴でも話せるぜ? オレ。告白だってしたことある」
「男? なにそれ、ライくん男好きになれるんじゃん!」
自分の性自認がふわふわしてる今でも、あんときのオレはどっちかつーと、男にこいつうぜぇって思ってた。嫉妬なんかするわけねぇだろ、オレ、てめぇに合わせてやってたんだよ、って泣かせたかった。そいつ。逆に女のオレが、男には敵わねえて泣きそになったけどな。
「なれねぇよ、オレ。でも、学、わたしは女の子として学に恋してるの」
「やめて。オレのこと利用しないで」
「ファンってやっぱりfanatic lunaticだわ」
「ららちゃん、なんで睨んでくるの?」
「学、お前、オレのことまじで好きなんか?」
「ライくん! オレ、好きなのライくん」
「わかった。一旦、ホテル行こう。オレ金ねーし、学の奢りな」
「いや。奢って! オレ彼女になりたい」
「オレまじで金ねーし、一回3万円とか高すぎだろ」
「じゃあ、オレんち来て」
「安い女になるな。女になりてぇなら、もっと良い男探せ」
「それ、誰に言われたん?」
「オレだよ、オレ自身に」

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  • アメジストの性自認

    高本学くんに熱狂的愛。

    誰かに恋をされることを、有名税とするならば、わたしは芸能人になんてなりたくないって思う。
    わたしのしていることはひいてはアンチ行為。彼の名誉を傷つけるかもしれないこと。
    しかしながら、わたしにとって、彼の為人を好き勝手考察することが楽しい趣味でして、彼の仕草のいちいちがわたしの琴線に触れるものがあるため、彼をモデルにつらつらと書き起こししておりますが、すべては幻、絵空事になります故、あまりお気にしないよう賜りたく存じます。

    あいや、わたしの言葉なんと上から目線な。

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  • タンザナイトの昇華

    ライはララで180くらいの男。男になったらイケメンがいい。オレ見て。たぶんピアス多めな時代あった。病気がちだったせいもあってタトゥーの代わりに。
    仕事始めてからピアスやめて好青年風に。でも、ふとしたときの治安の悪さは否めない。すぐにイラッとして口に出さず燻るし、いつ爆発するかわからない。大体学に手ぇ出すことで昇華してる。
    「女なった学、胸小さそ」
    「あ? なにそれ」
    「身長は165から170くらいか?」
    「え、なに?」
    「で、胸は…Cやな。Dはない」
    「なにそれ!!」
    「脚長そうやな。ララと同じで」
    「え、なに。見たん??オレのセーラー服見たん??」
    「インスタ。ララが見てたし」
    「着たらいいの?」
    「妄想で十分やわ…無駄遣いすんなよ」
    「あ、うん」
    「やるか?」
    「えぇ〜、うーん、気分乗らない」
    「じゃあ、乗らせたろ。ほら、たくし上げて」
    「え」
    押し倒した学の上服をあげて、学の乳輪を撫でる。
    「ここでいくには同時に攻めやんとやしな」
    「ララこれうまいよ」
    「くすぐったい。あはは!やめて!」
    学の高い笑い声が耳に響く。
    「あ?」
    抱きかかえるようにして学にいれるときと同じ動きをして擦り合わせた。
    「あ、きれい」
    「やめるか…」
    「ぁ、ん、なんか気持ちいい。なんで?」
    「じゃあ、やろ」

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