短編
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「やあ、ロマネス。任務帰りかい?」
任務が終わり、コントン都内を
歩いていると頭上から声が聞こえた
顔を上げるとフューが浮いていて、
私を見下ろしていた
『フュー、相変わらず研究者のわりに
しっかりした身体だよね』
「そーゆー君こそ、あれだけ闘ってるのに
華奢だよね」
『そりゃ、どーも』
彼が現れる時は何かしら面倒な事が起きる
『そういえば何で来たの?』
そう聞くとフューは少年のようにキラキラと
した表情をしはじめ、私のそばに降りてきた
「実は新しい試作品が出来たんだ!
だから君につけて欲しくて持ってきたんだ」
そう言いながらフューはリストバンド
のようなそれを私の手首につけてきた
『ちょ、勝手によく分かんない物
つけないでよ!』
「まぁまぁ、危ない物じゃないから
だいじょーぶ」
あんたが作った物で危険性ゼロの物
なんて無いだろ
心の中でツッコミを入れているうちに
フューは勝手に説明を始め、
勝手に実験を開始した
〜〜〜~~~~~~~~~~
「お疲れ様〜君のおかげで良い
データがたくさん取れたよ!」
『っ....こっんのばかやろう...!』
はっきり言って実験は最悪だった
おかげでこっちはヘトヘトだ
「ごめん、ごめん。でも君なら
大丈夫だと思ってたよ」
なんなんだ、そのはた迷惑な信頼は
まぁ、余計な苦労は増えるし
イラッとする時もあるが嫌いではない
それが、この自由な友人に
付き合ってしまう理由なんだろうな
『....私も修行になるし
これからも、少しなら協力してあげるよ』
「ほんと?!やったね!
研究をもっと重ねたいから
君に協力してもらえると助かるよ!」
とはいえ、彼の行動は時に人々や歴史に
混乱をもたらすこともある
その時ばかりは、
正しいトキが刻まれるように
歴史を守る役目を持つ
タイムパトローラーである自分が
彼の肩を持つことはできない
『まあ、タイムパトローラーとして
対立しちゃった時は闘うけどね』
「君は
そう言うフューは納得しているような
でもどこか寂しそうな
そんなふうに見えた
例えフューが悪いことをしても
止めればいいだけだし、
フューを好きな気持ちが
変わることもないのに
『でも協力してても、対立してても、
私達が親友であることは
変わらないでしょ?』
「....!」
目を丸くしてびっくりしているフューに、
味方とか敵とか必ずしもどっちかである必要は無いんじゃない?
お互いやりたいことをやったとしても、親友でしょ?
そう伝えると、フューは
実験が成功した時のような
キラキラとした嬉しそうな顔に変わった
「うん....うん!そうだね!」
そうこうしているうちに、時の界王神様が
走ってくるのが遠くから見えてきた
彼女から逃げようとしたフューが
立ち去ってしまう前に声を掛ける
『じゃあ、これからもよろしくね。
研究マニアの親友』
「うん!戦闘マニアの親友!またね!」
そう言った彼は笑っていて、その顔を
見ているうちにフッと消えてしまった
とりあえず時の界王神様に状況報告して、
そしたらまた鍛錬をしよう
彼に再会した時に協力できるように
彼が暴走した時に止められるように
私はそう思いながら
時の界王神様のもとへ歩いていった
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