私はこの星で生まれたわけではないらしい


｢ロマネスちゃんいつもありがとうね！｣


『いえ、また何かあればお声かけて下さい』


なんでも、以前まん丸の1人用の
宇宙船らしき物が地上に落ちてきたそう


そしてその中に赤ん坊の私が乗せられていて、
そこを今もお世話になっているご夫婦が
見つけてここまで育てて下さった


｢ロマネスちゃん、
ちょっと手伝ってくれないかい？｣


『はい。どうしました？』


拾って下さったご夫婦はもちろん、
町の人々も優しくて、
出自の分からない私でも
暖かく迎え入れてくれた


｢ありがとう、助かったよ｣


『お役に立てて良かったです』


その御恩に報いるべく、毎日ご夫婦や
町の人達の手伝いをしている


｢｢おかえり、ロマネスちゃん｣｣


『ただいま戻りました。
チェアさん、テーブさん』


ロマネスは迎えてくれた2人に挨拶を
返しつつ、買い物袋を机の上に置いた


『チェアさん、頼まれていた
お野菜とお魚買ってきました』


｢ありがとう、ロマネスちゃん！
....あら？いつもより量が多くないかしら？｣


『実は八百屋さんが｢この間のお礼｣って
おまけしてくれたんです』


｢あら、そうだったのね！｣


｢いつもロマネスちゃんには
助けられているからね｣


｢そうね、ロマネスちゃんのおかげで
私達も日々楽しく過ごせているわ。
いつもありがとうね｣


『いえ、そんな！私の方こそ、
あの時拾って下さって、こうしてお2人の
家族として過ごさせてもらえて、幸せです』


｢私達も君に来てもらえて幸せだよ。
そうだ買い物に出かけて疲れただろう？
少し休みなさい｣


｢そうね、ゆっくり休んできなさいな｣


『ありがとうございます。
少し外に行ってきます』


｢気を付けてね｣


『はい、行ってきます』


｢｢行ってらっしゃい｣｣


チェア夫妻に見送られながら外に出た
ロマネスはどこに行くか考えていた


チェア夫妻の家は町中からは少し離れていて、外に出ると落ち着く静けさがあり、
町とは逆の方向には森もある


今日は森に行ってみようかな
そこなら飛んでも問題はないだろうし