朝起きた。
涼しい風が身体を包む。
だいぶ空気が涼しくなってきた。
もうすぐ夏も終わりか。

今日はアイツと...優雨と出かける予定だ。
まためんどくさい買い物に付き合わされるのか。
ま、それも悪くないと思うくらいには、優雨のことを好きでいる。
面倒ごとは嫌いだが、なぜかアイツのことならそう思わないんだから不思議だ。
適当に服を選んで着て、適当に身支度をして家を出た。


｢あ、シカマルおはよー！！｣

｢おう、はよ｣


優雨の格好は、ほかの女と違ってブリブリに見えない気がする。
そう昔言ったら、私は可愛い服よりカッコイイ服が好きだから、と返された。
おしゃれだとは思うが、それを俺にまでしろと言うからそれは困ったところである。
話を聞くと、今日は優雨の服ではなく、俺の服を買いに行く予定らしい。


｢シカマルにはどんな服が似合うかなー♪｣

｢めんどくせぇなぁ...｣

｢まったくもう...せっかく顔はいいんだから、着飾ることを覚えなさいよ！！｣


そんなの面倒くさくて無理だ。
でもそれを言えば、多分こいつは悲しい顔をするのだろう。
それはなぜだか嫌なので、俺は何も言わずに優雨の後をついていった。





｢ふふふー♪いいのあってよかったねー！｣

｢あんまりこーゆーの着たことねぇから、似合うのか？｣

｢私が選んだんだから似合うに決まってるでしょ！｣

｢そーですか｣


クタクタである。
何度試着と店の移動をしただろうか。
任務とは違うこの疲労感。
ほんとに勘弁してほしい。
なにか御褒美が欲しいくらいだ。
そう思って、優雨に言ってみた。


｢めんどくせぇの付き合ったんだから、なんか...その...ご褒美とかねぇの？｣

｢はー？何言ってんの。私がそばにいるだけでご褒美よ！｣


なるほど。
それは確かにご褒美かもしれない。
だが足りない。

夕方の帰り道。
優雨の家の前に着くと、俺は優雨の手を引いて耳元で囁いた。


｢足りねぇ｣

｢え？｣






白いベッドに溺れて眠らせて
（お前と一緒なら）
（驚くほど深く眠れる気がするんだ）