短編
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質問です
彼女は猫です
どうすれば愛してもらえますか?
(20代男性/教職員)
「ただいまー」
夜8時。
仕事を終えて帰ってきた俺は、家のドアを開けて靴を脱いだ。
リビングからは灯りとテレビの音が漏れていて、愛しい彼女の存在を感じさせた。
彼女、北別府優雨と同棲を始めて早2年。
この帰宅の瞬間が、1番心落ち着く瞬間だった。
リビングのドアを開ければ、ソファで横になって寝息を立てる優雨がいた。
黒いふわふわのくせっ毛。
撫でたくなって手を伸ばした。
その瞬間、ピクッと肩が揺れて目がゆっくり開いた。
「んぁ...おかえりケント...」
「ただいま。寝るんじゃなんかかけて寝ないと風邪引くぞ?」
「ん...いーじゃんべつにー...」
「風邪引いたら困るだろ?」
「仕事休めるからいーもーん...」
「まったく...ぐうたらなやつめ」
そう言いながらもブランケットを掛けてやると、ぐるっと、まるで猫のように丸くなった。
愛おしい。
さっき叶わなかった撫でる動作をまた試みようとした。
でもそれはまた叶わなかった。
ばっ!と突然起き上がり、俺の片手にぶら下げていた袋に飛びついた。
「これなに?」
「これ?酒の肴にと思って買ってきた刺身ー」
「いいないいな。私も食べるー!」
「そう言うと思ってお前の分も買ってきた。
呑むか?」
「呑むー!」
まったく、現金なやつだよ。
そう思いつつも、こみ上げてくる笑みを拒めずくすくすと笑う。
それが、うちのお猫様はお気に召さなかったのか、ぷんぷんと音が出るのではないかという顔で怒り始めた。
「なにさー。子供っぽいとか思ってんだろこんにゃろー」
「いーえ、滅相もない」
「その言い方が子供扱いー!!」
ふんっ、と言いつつ、氷を入れたロックグラスを2つテーブルに運ぶあたり、本当にかわいい。
「優雨」
「なに.....っ」
ぎゅっ
正面から抱きしめる。
あぁ、いい匂い。
そう頭を撫でながら匂いを嗅ぐあたり、似たもの猫カップルなのかもしれない。
猫な彼女の愛し方
(まずはそっと抱きしめてみてください)