短編
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彼女の毎日に
僕は似合わないのだろうか
別に構わないと
何度自分に言い聞かせただろう
だってそうでもしないと
夢見てしまいそうで
想ってしまいそうで
求めてしまいそうで…
「颯斗?」
「………」
目を開ければそこには、優雨の姿があった。
生徒会室で書類の整理をしていたら、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
窓の外は仄暗い。
僕は少し目を擦って、優雨の方を見た。
かわいい。
好きになったきっかけ?
そんなの覚えてない。
ただ少し気になって、目で追うようになって、いつの間にか好きだった。
「ねぇ颯斗。今日もう帰ろっか。雪、降ってきそうだよ」
「雪…」
優雨はコートを着てマフラーを巻き始めた。
僕はしばらくその様子を見ていたけど、優雨に急かされて僕もコートを着始めた。
外に出ると、なるほど、確かに雪が降りそうだ。
雪が降る前特有の、不思議な暖かさ。
優雨がはぁと手に息を吹きかける。
「そんなに寒いなら、手袋をしたらどうですか?」
「うーん。手袋ってなんか苦手なんだよね…手がもぞもぞするの」
「ぷっ…。手がもぞもぞって…なんですか…ふふふ…」
「あーもー、そんなに笑わないでよー!」
そう。
この時間が、僕は幸せで仕方ない。
この幸せな時間を、失いたくないのだ。
その時だ。
「あ…雪…降ってきた…!」
はらはらと舞い踊りながら落ちてくる雪。
優雨は少しはしゃぎ気味。
そんなにはしゃいでると躓いて転びますよ。
そう言おうとした瞬間。
「わっ!」
「!!」
案の定転びそうになる優雨。
その腕をぐっと掴み、すんでのところで僕の方に引き寄せた。
重なる体温。
「あは、ありがとー颯斗!
あんまりに雪が綺麗だから見とれちゃって!
でもやっぱり雪だね…寒いや」
そういって、ぎゅっと僕に抱きついてくる優雨。
あぁ、これは夢だろうか。
でも夢じゃないみたいだ。
優雨の暖かさと、雪の寒さ。
どちらも感じる。
願わくばこの先、ずっと、一生
雪が綺麗だねって笑うのも
でも寒いねって嬉しそうなのも
転びそうになって掴んだ手の先で
ありがとうって楽しそうなのも
(全部君がいい)
僕は似合わないのだろうか
別に構わないと
何度自分に言い聞かせただろう
だってそうでもしないと
夢見てしまいそうで
想ってしまいそうで
求めてしまいそうで…
「颯斗?」
「………」
目を開ければそこには、優雨の姿があった。
生徒会室で書類の整理をしていたら、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
窓の外は仄暗い。
僕は少し目を擦って、優雨の方を見た。
かわいい。
好きになったきっかけ?
そんなの覚えてない。
ただ少し気になって、目で追うようになって、いつの間にか好きだった。
「ねぇ颯斗。今日もう帰ろっか。雪、降ってきそうだよ」
「雪…」
優雨はコートを着てマフラーを巻き始めた。
僕はしばらくその様子を見ていたけど、優雨に急かされて僕もコートを着始めた。
外に出ると、なるほど、確かに雪が降りそうだ。
雪が降る前特有の、不思議な暖かさ。
優雨がはぁと手に息を吹きかける。
「そんなに寒いなら、手袋をしたらどうですか?」
「うーん。手袋ってなんか苦手なんだよね…手がもぞもぞするの」
「ぷっ…。手がもぞもぞって…なんですか…ふふふ…」
「あーもー、そんなに笑わないでよー!」
そう。
この時間が、僕は幸せで仕方ない。
この幸せな時間を、失いたくないのだ。
その時だ。
「あ…雪…降ってきた…!」
はらはらと舞い踊りながら落ちてくる雪。
優雨は少しはしゃぎ気味。
そんなにはしゃいでると躓いて転びますよ。
そう言おうとした瞬間。
「わっ!」
「!!」
案の定転びそうになる優雨。
その腕をぐっと掴み、すんでのところで僕の方に引き寄せた。
重なる体温。
「あは、ありがとー颯斗!
あんまりに雪が綺麗だから見とれちゃって!
でもやっぱり雪だね…寒いや」
そういって、ぎゅっと僕に抱きついてくる優雨。
あぁ、これは夢だろうか。
でも夢じゃないみたいだ。
優雨の暖かさと、雪の寒さ。
どちらも感じる。
願わくばこの先、ずっと、一生
雪が綺麗だねって笑うのも
でも寒いねって嬉しそうなのも
転びそうになって掴んだ手の先で
ありがとうって楽しそうなのも
(全部君がいい)