短編
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「まーこちゃんっ」
「優雨!今日はもう生徒会の仕事終わり?」
「うん!まこちゃんそろそろ練習終わりかなって思って待ってたのー」
にへらと笑う優雨の額には、夕方になっても引かない夏の暑さで汗が滲んでいた。
白い肌に夕焼けのオレンジがかかり、このまま塗りつぶされてどこかにいってしまいそうだった。
あれ?今日はやけに不安に思ってしまう。
部活後によく見る、いつもの光景なはずなのに。
いつの間にか引きつっていた顔を、優雨が心配そうな顔で見つめる。
「まこちゃん?」
「あぁ、ごめん...。ちょっと疲れちゃってるみたい」
「そっかぁ...。じゃあ、今日は途中でばいばいしよっか」
「え、大丈夫だよ。優雨危なっかしいから、今日もちゃんと送ってくよ」
「もぉ。たまには身体を休めなきゃだめっ!大体、私そんな危なっかしくないもん!」
ぷぅと頬を膨らます優雨。あぁ、可愛いなぁ。そんな顔見たら、疲れなんて吹き飛んじゃうのに。
なんて、本人に言ったら、真剣に聞いてるのかってまた怒られちゃうかな。
わかった。気をつけて帰るんだよ?
そう優雨の頭をぽんぽんしたら、子供扱いするなとまた怒られた。
さっきの不安は、きっと気のせいだったんだ。
そう自分に言い聞かせて、優雨と途中で別れた。
その日の夜、夕飯を食べながら、映っていたテレビを食い入るように観ていた。
テレビの内容は、恐竜の時代から居たとされるシーラカンスの話だった。
生きた化石と呼ばれるシーラカンスは、世界の終わりと世界の始まりを見たとされるとかなんとか。
世界の終わり、なんて、漠然としすぎてわからない。
あぁでも、もし隕石が落ちてきて地球が滅亡して、なんてなるなら、最後の日は優雨と一緒がいいな。
そんなことを思いながら、夕飯を食べ終え、風呂に入ったり宿題したり、そんなことをしてベッドに入った。
やけに眠れなかった。
いつもは、入ったらわりとすぐうとうとしてきて、眠りについてしまうのに。
心臓がいつもより早く脈打っている気がした。
なぜそんなだったのか、今にして思えば、虫の報せとかいうやつだったのかもしれない。
朝。
なんとか眠れたが、寝付くのが遅かったからか、眠りが浅かったのか、とにかく朝起きるのが怠かった。
しっかりしろと自分の頬を叩き、支度を済ませ、ハルを迎えに行き学校へと向かった。
学校につくと、なぜか先生達がバタバタしていた。
何かあったのかな?なんて思いながら、教室の方へ向かった。
その時、天ちゃん先生が俺を見つけて慌てて走り寄ってきた。
俺に話があるそうで、ハルには先に教室に向かってもらった。
「天ちゃん先生?そんなに慌ててどうしたんですか?」
「北別府さんと、仲良かったわよね...?昨日、なにか変わった様子はなかった?」
「...なにか、あったんですか」
「...あのね橘君。まだ他の生徒には内緒にして欲しいのだけれど...」
そこで聞かされた話は、とても受け入れられるものではなかった。
優雨が、昨日家に帰ってこず、そのまま行方不明だそうだ。
最後に優雨らしき人物が目撃されたのは、岩鳶駅の近くのコンビニだそうだ。
その瞬間、俺は昨日優雨を駅まで送っていかなかった事を心の底から後悔した。
もし、もし送っていっていたら、優雨は今日も、俺の隣にいただろうに。
目の前が真っ暗になって、放課後の練習も身が入らずハル達に心配されたが、必死に笑顔を作って誤魔化した。
帰り道、ハルに先に帰って欲しいと告げ、一人ふらふらと岩鳶駅へ向かった。
もしかしたら、途中で優雨に会うかもしれない。
そんなことを思いながら、本当にふらふら、歩いていた。
その時ふと、優雨の声がした気がした。
声のした方を向くと、細い路地があった。
こんな所にいるわけない。気のせいだ。嫌だ行きたくない。そう思いながら、足が勝手に奥へと進ませた。
そこで、見つけた、のは
「優雨.....?」
服を破られ、体にたくさんの傷のある、優雨が横たわっていた。
世界のオワリのハジマリ
(その時俺は確かに)
(世界のオワリを見た)
「優雨!今日はもう生徒会の仕事終わり?」
「うん!まこちゃんそろそろ練習終わりかなって思って待ってたのー」
にへらと笑う優雨の額には、夕方になっても引かない夏の暑さで汗が滲んでいた。
白い肌に夕焼けのオレンジがかかり、このまま塗りつぶされてどこかにいってしまいそうだった。
あれ?今日はやけに不安に思ってしまう。
部活後によく見る、いつもの光景なはずなのに。
いつの間にか引きつっていた顔を、優雨が心配そうな顔で見つめる。
「まこちゃん?」
「あぁ、ごめん...。ちょっと疲れちゃってるみたい」
「そっかぁ...。じゃあ、今日は途中でばいばいしよっか」
「え、大丈夫だよ。優雨危なっかしいから、今日もちゃんと送ってくよ」
「もぉ。たまには身体を休めなきゃだめっ!大体、私そんな危なっかしくないもん!」
ぷぅと頬を膨らます優雨。あぁ、可愛いなぁ。そんな顔見たら、疲れなんて吹き飛んじゃうのに。
なんて、本人に言ったら、真剣に聞いてるのかってまた怒られちゃうかな。
わかった。気をつけて帰るんだよ?
そう優雨の頭をぽんぽんしたら、子供扱いするなとまた怒られた。
さっきの不安は、きっと気のせいだったんだ。
そう自分に言い聞かせて、優雨と途中で別れた。
その日の夜、夕飯を食べながら、映っていたテレビを食い入るように観ていた。
テレビの内容は、恐竜の時代から居たとされるシーラカンスの話だった。
生きた化石と呼ばれるシーラカンスは、世界の終わりと世界の始まりを見たとされるとかなんとか。
世界の終わり、なんて、漠然としすぎてわからない。
あぁでも、もし隕石が落ちてきて地球が滅亡して、なんてなるなら、最後の日は優雨と一緒がいいな。
そんなことを思いながら、夕飯を食べ終え、風呂に入ったり宿題したり、そんなことをしてベッドに入った。
やけに眠れなかった。
いつもは、入ったらわりとすぐうとうとしてきて、眠りについてしまうのに。
心臓がいつもより早く脈打っている気がした。
なぜそんなだったのか、今にして思えば、虫の報せとかいうやつだったのかもしれない。
朝。
なんとか眠れたが、寝付くのが遅かったからか、眠りが浅かったのか、とにかく朝起きるのが怠かった。
しっかりしろと自分の頬を叩き、支度を済ませ、ハルを迎えに行き学校へと向かった。
学校につくと、なぜか先生達がバタバタしていた。
何かあったのかな?なんて思いながら、教室の方へ向かった。
その時、天ちゃん先生が俺を見つけて慌てて走り寄ってきた。
俺に話があるそうで、ハルには先に教室に向かってもらった。
「天ちゃん先生?そんなに慌ててどうしたんですか?」
「北別府さんと、仲良かったわよね...?昨日、なにか変わった様子はなかった?」
「...なにか、あったんですか」
「...あのね橘君。まだ他の生徒には内緒にして欲しいのだけれど...」
そこで聞かされた話は、とても受け入れられるものではなかった。
優雨が、昨日家に帰ってこず、そのまま行方不明だそうだ。
最後に優雨らしき人物が目撃されたのは、岩鳶駅の近くのコンビニだそうだ。
その瞬間、俺は昨日優雨を駅まで送っていかなかった事を心の底から後悔した。
もし、もし送っていっていたら、優雨は今日も、俺の隣にいただろうに。
目の前が真っ暗になって、放課後の練習も身が入らずハル達に心配されたが、必死に笑顔を作って誤魔化した。
帰り道、ハルに先に帰って欲しいと告げ、一人ふらふらと岩鳶駅へ向かった。
もしかしたら、途中で優雨に会うかもしれない。
そんなことを思いながら、本当にふらふら、歩いていた。
その時ふと、優雨の声がした気がした。
声のした方を向くと、細い路地があった。
こんな所にいるわけない。気のせいだ。嫌だ行きたくない。そう思いながら、足が勝手に奥へと進ませた。
そこで、見つけた、のは
「優雨.....?」
服を破られ、体にたくさんの傷のある、優雨が横たわっていた。
世界のオワリのハジマリ
(その時俺は確かに)
(世界のオワリを見た)