アフタヌーンティーはみんなで

何回も、何回も、繰り返すうちにしんどくなっちゃって。
吐き出しちゃったのは、きっと私が弱かったから。
あきらくんなら「言ってよかったな」って、違ったら「違ったな」って思えるから、言わないより言って後悔したかった。

情けなくポロポロ泣きながら、まとまらなくて拙い私の話を、彼は急かすでもなくうんざりするでもなく、最初から最後まで聞いてくれた。

雨の中、びしょびしょなのに抱き締めてくれたり、溢れた涙を拭ってくれたり、大丈夫って言葉を何度もかけてくれた。

泣いてばかりの私の手を握ってくれたんです。

それで、たくさん大変なことがあって、先に行ってって言われたけど迷っちゃって、それでも泣きながらさくらちゃんを埋めた。

掘ったらたくさん人がいて、
そこにあきらくんも埋まってて。

そしたら後ろから刺されて、私も落ちちゃって。

でも、おかしなこと言ってるのは分かってるけれど、
このまま死んでもいいなって思ったんです。

彼が誰でもよかった。
正直、気にしてなかった。
彼がそうしたいなら、いいかなって。

あの後、私は彼を車には乗せなかった。
知らないほうが、お互い幸せになれるかもって思ったので。

私は知ってます。
とても酷いことを平気でやる人もいれば、
そうなりたくなかったり、したくなかったのに、そうしなきゃ生きていけなかった人もいる。

私は少しだけ、ほかの人よりそれを知ってます。
あの人は多分、後者だったんです。

あれから約1ヶ月経った今も、そんなことをふと考えてしまう。
自分でもかなり引きずってるとは自覚してる。

でも、全て分かった後も、彼に対する印象は何も変わらなかった。
ちょっぴり情けなくて、ほっとけない、優しい人。
私が知ってる彼はそんな人。

キッチンに立つ私の手元を、小さな身体で覗き込もうと必死な子供が2人。
後ろから、私が何を作ってるのか覗き込んでくる彼が1人。

初夏の香りと4人分のお菓子。
でも、私1人には多すぎた。
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