ちびっこ探検隊
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それから二人で帰り道を探そうと木々の茂みを少しずつ潜ったが、元の細道は見つけられないまま時間が過ぎて行った。
まだ夕陽は残っているが辺りは暗くなりはじめ、心許ない街灯が僅かな光を届け始める。
「どうしよう……そうなん、しちゃう…?」
「大丈夫だって!ここまで自分達で来られたんだから、帰り道だって見つかるよ!」
「う、うん…」
不安そうな朱音を励まそうと慶次はわざと明るい声を出すが、気遣いだけが伝わって不安は晴れずに俯いてしまった。
「……ごめん、ろく。怖いよな…?」
「ちょっとだけ…です。でも、泣くと兄上がおこ…困っちゃうから、」
『お兄ちゃんは怒ってるんじゃなくて、心配してるんだよ。どうしたらいいかわからなくて困ってたんだよ』
以前父に言われた言葉を思い出し、兄の為にも朱音は堪えようとする。
ぐっと、服の袖を握って泣くのを我慢する頭を慶次は撫でた。
「よし、俺もう一回探してみる!ろくは俺の荷物も見てて。帰り道見つけたらおっきな声で呼ぶから!」
「ま、待って慶次…!」
「何をしているんだ、お前たち」
突然知らない人物の声が聞こえ、それからカラカラと何かが回るような音が二人の耳に入るようになった。
驚いた二人が振り返ると、学生服を身に纏った女性が自転車を引きながらやって来ていた。
「見ない顔だな……それに、そんなに木の葉や砂まみれで…」
「お、お姉さん、だあれ?」
茂みに単身でまた突っ込もうとしていた慶次は慌てて朱音の傍に駆け寄って尋ねると、物静かで凛とした佇まいの女性は自転車を止めると二人の傍にしゃがんだ。
「この近くに住んでる通りすがりだ。迷子か?ちびっ子達よ」
「オオカミの公園への帰り道、わからなくなってしまって……」
「オオカミ?ああ……あの遊具の所か。結構遠くから来たな」
「暗くなる前にお家に帰るってお約束なのに、このままじゃ…」
不安そうに事情を説明した朱音の頭に手を置いた女性は、微かに微笑むと慶次の背中も撫でた。
「初めに私が話しかけた時、咄嗟にこの娘の元へ駆け戻ったな。見知らぬ相手に警戒し、友人を守ろうするのはいい心掛けだ、少年」
「え…?う、うん…っ!」
「お前の勇気に免じて私が案内してやろう」
「オオカミの公園まで?」
「ああ」
「あ、ありがとうございます!お姉さん!」
「気にするな。行くぞ」
二人の荷物を自転車のカゴに入れると、女性は二人を連れて歩き始めた。