いつの時代も
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(入り切らなかった話&ちゃんと夢小説しろムーヴ)
「覚えてなくても覚えてる……、か」
すっかり真っ暗になるまで寄り添っていた二人。街灯に照らされるなか、漸く落ち着きを取り戻しつつある朱音が不意に呟いた。
「ん?」
「ひかり……ちょっとだけ、母上に似ているなって思ったんです。普段は落ち着いた物腰だけど、いざと言う時には凛と芯がある感じが……。でもそれに気づいたの、最近で」
記憶の時代の朱音の母親は、朱音の物心がつく前に亡くなっている。
それでももし、知覚と自我が発達しきる前の事も、どこかで覚えていたのだとしたら…。
「だから『最初』から懐いてしまっていたのかも、なんて」
「悪い事ばかりじゃないよね、やっぱり」
朱音の言いたい事を理解した佐助は片目を閉じて朱音の頭を人差し指で触れた。
偶然かもしれないし、感覚的に噛み合ったが故かもしれないが、これはこの自我を持ち続ける恩恵に間違いない。
「朱音がそれ言ったら、ひかりさん喜んで世話焼いてくれそう。今度こそ離してくんないよきっと」
「それもいいかも…」
「良くないっつーの。敵増やしたくないっつの」
敵とは何を指しているのか尋ねようとした所へ、佐助の端末の通知音が聞こえた。
ディスプレイを開くと、佐助が苦笑いを浮かべた。
「ほら、こっちにも」
「どなたからですか?」
「真田の旦那がね、帰り際朱音が元気無かったように見えたんだって。何か知らないかって」
「そ、そんなに…しょげてましたか、わたし…?」
「ん〜、普通にしてりゃ気づかない程度だったと思うけど。それこそ俺様くらいよっぽど見てないと……」
溜め息混じりに言いながら、佐助は朱音の手を取り、素早く指を絡ませながら胸前まで引き寄せた。
さっきまでの落ち着く為に抱き締められた時ほど密着はしていないはずだが、明らかに異なる空気感に、ぴたりと互いの動きが止まる。
「流石に気付くようになったね。そ、ちょっとした執着心ってやつ。あんたを取られたくねぇの」
「な、ぇ…、と…、」
街灯のおぼろげな明かりでもわかる程の真っ直ぐな視線と、突然のストレートな発言に朱音は赤面する。
指を絡めて握ったまま、佐助は頭を朱音の肩に預ける。体重が徐々に朱音の方へ傾いてくる。
「さ、さすけ、」
「なぁ〜にぃ、昼間あれだけひかりさんといちゃいちゃしてたのに俺様とは駄目なんだ?」
「ひかりとはそういうのじゃ…!」
「ふ〜ん?」
指を絡めていない方の手が朱音の後頭部に添えられる。傍から見れば既に十分ないちゃいちゃなのだが、佐助が離れる気配は無い。
「だ、誰かに見られては…!学園も近いし、公共の場ですし、」
「元忍の五感によるお墨付きだから心配ご無用ってね。さ〜実力行使に出ちゃおうかな、」
首元に顔を押し付けるような姿勢で話されれば声帯の震えが皮膚を直接伝ってくる。
最早髪の香りがわかる距離。これだけ近ければ否が応でもその記憶が蘇ってくる。一気に息が浅くなって、バクバクと脈打つ心臓の音も聴こえてしまっているに違いない。
「…………っ…、さす、け……」
「そういう声で呼ばないの。………それだけ意識してくれてるなら大丈夫そうだな」
す、と佐助の身体が離れた。
顔を真っ赤に染め、本気で狼狽していた朱音の顔を申し訳なくも満足そうに眺めている。
「ごめん。大人気なくからかっちゃった」
「〜〜〜!」
解放されても言葉らしい言葉が出てこず、朱音は物言いたげな目で抗議する。
息も鼓動も中々落ち着かないのが悔しくて、乱暴に腕を伸ばし、佐助の両頬をぎゅむっと挟み込んでやった。
「もう、もう……!」
「ふへ〜、続きはまた、ね」
「破廉恥です!」
「否定できねぇや。でも俺様、ずっとずーっと待ってたから、これくらいはね」
「……それって、いつからですか?」
「いつからだと思う?おねーさん」
そうだとしたら本当に途方も無い時間だ。
運命の悪戯……(覚えていないが自分で捻じ曲げてしまったのかもしれないが)によって、記憶の時代の朱音が生まれる以前に、佐助はこの因果に引き込まれてしまっていた。
「で、では……このくらいで、」
挟み込んだままだった佐助の顔を引き寄せながら朱音も自分の顔を素早く近づけた。
手で頬を覆った構図といい、『初めて』口付けを交わした状況を思い出し、自ら仕掛けたはずの朱音の方が、更に更に顔を真っ赤に染め上げている。
「か、か、かか勘弁してさしあげます…!」
「よく出来ましたっと」
ぎゅむっと佐助が朱音を抱き締めた。
頬に手を添えたままだったものだから、またしても朱音は腕の窮屈さを感じたが、これでいい……これがいいんだと。
どちらともなく笑いだし、照れ臭くも居心地の良い感覚に暫く身を委ねていた。
「覚えてなくても覚えてる……、か」
すっかり真っ暗になるまで寄り添っていた二人。街灯に照らされるなか、漸く落ち着きを取り戻しつつある朱音が不意に呟いた。
「ん?」
「ひかり……ちょっとだけ、母上に似ているなって思ったんです。普段は落ち着いた物腰だけど、いざと言う時には凛と芯がある感じが……。でもそれに気づいたの、最近で」
記憶の時代の朱音の母親は、朱音の物心がつく前に亡くなっている。
それでももし、知覚と自我が発達しきる前の事も、どこかで覚えていたのだとしたら…。
「だから『最初』から懐いてしまっていたのかも、なんて」
「悪い事ばかりじゃないよね、やっぱり」
朱音の言いたい事を理解した佐助は片目を閉じて朱音の頭を人差し指で触れた。
偶然かもしれないし、感覚的に噛み合ったが故かもしれないが、これはこの自我を持ち続ける恩恵に間違いない。
「朱音がそれ言ったら、ひかりさん喜んで世話焼いてくれそう。今度こそ離してくんないよきっと」
「それもいいかも…」
「良くないっつーの。敵増やしたくないっつの」
敵とは何を指しているのか尋ねようとした所へ、佐助の端末の通知音が聞こえた。
ディスプレイを開くと、佐助が苦笑いを浮かべた。
「ほら、こっちにも」
「どなたからですか?」
「真田の旦那がね、帰り際朱音が元気無かったように見えたんだって。何か知らないかって」
「そ、そんなに…しょげてましたか、わたし…?」
「ん〜、普通にしてりゃ気づかない程度だったと思うけど。それこそ俺様くらいよっぽど見てないと……」
溜め息混じりに言いながら、佐助は朱音の手を取り、素早く指を絡ませながら胸前まで引き寄せた。
さっきまでの落ち着く為に抱き締められた時ほど密着はしていないはずだが、明らかに異なる空気感に、ぴたりと互いの動きが止まる。
「流石に気付くようになったね。そ、ちょっとした執着心ってやつ。あんたを取られたくねぇの」
「な、ぇ…、と…、」
街灯のおぼろげな明かりでもわかる程の真っ直ぐな視線と、突然のストレートな発言に朱音は赤面する。
指を絡めて握ったまま、佐助は頭を朱音の肩に預ける。体重が徐々に朱音の方へ傾いてくる。
「さ、さすけ、」
「なぁ〜にぃ、昼間あれだけひかりさんといちゃいちゃしてたのに俺様とは駄目なんだ?」
「ひかりとはそういうのじゃ…!」
「ふ〜ん?」
指を絡めていない方の手が朱音の後頭部に添えられる。傍から見れば既に十分ないちゃいちゃなのだが、佐助が離れる気配は無い。
「だ、誰かに見られては…!学園も近いし、公共の場ですし、」
「元忍の五感によるお墨付きだから心配ご無用ってね。さ〜実力行使に出ちゃおうかな、」
首元に顔を押し付けるような姿勢で話されれば声帯の震えが皮膚を直接伝ってくる。
最早髪の香りがわかる距離。これだけ近ければ否が応でもその記憶が蘇ってくる。一気に息が浅くなって、バクバクと脈打つ心臓の音も聴こえてしまっているに違いない。
「…………っ…、さす、け……」
「そういう声で呼ばないの。………それだけ意識してくれてるなら大丈夫そうだな」
す、と佐助の身体が離れた。
顔を真っ赤に染め、本気で狼狽していた朱音の顔を申し訳なくも満足そうに眺めている。
「ごめん。大人気なくからかっちゃった」
「〜〜〜!」
解放されても言葉らしい言葉が出てこず、朱音は物言いたげな目で抗議する。
息も鼓動も中々落ち着かないのが悔しくて、乱暴に腕を伸ばし、佐助の両頬をぎゅむっと挟み込んでやった。
「もう、もう……!」
「ふへ〜、続きはまた、ね」
「破廉恥です!」
「否定できねぇや。でも俺様、ずっとずーっと待ってたから、これくらいはね」
「……それって、いつからですか?」
「いつからだと思う?おねーさん」
そうだとしたら本当に途方も無い時間だ。
運命の悪戯……(覚えていないが自分で捻じ曲げてしまったのかもしれないが)によって、記憶の時代の朱音が生まれる以前に、佐助はこの因果に引き込まれてしまっていた。
「で、では……このくらいで、」
挟み込んだままだった佐助の顔を引き寄せながら朱音も自分の顔を素早く近づけた。
手で頬を覆った構図といい、『初めて』口付けを交わした状況を思い出し、自ら仕掛けたはずの朱音の方が、更に更に顔を真っ赤に染め上げている。
「か、か、かか勘弁してさしあげます…!」
「よく出来ましたっと」
ぎゅむっと佐助が朱音を抱き締めた。
頬に手を添えたままだったものだから、またしても朱音は腕の窮屈さを感じたが、これでいい……これがいいんだと。
どちらともなく笑いだし、照れ臭くも居心地の良い感覚に暫く身を委ねていた。