いつの時代も
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「そんなつもりはございませんでしたが、やはり男手があると助かりますわね」
「……そりゃど〜も」
寄り道先とは業務用スーパーだった。
スポドリとお茶をそれぞれ1ケースずつと細かな消耗品諸々。
はじめはひかりが2ケースを一人で持って移動しようとしていたが、朱音と佐助が慌てて止めた。
誰が持つ誰が手伝うの話になった結果、ひかりと佐助で1ケースずつ。朱音は袋に入った比較的軽い消耗品と二人の手荷物を持つ事になった。
学園祭の時もアンケート用紙の詰まったボックスを一つ持って移動するだけでも手こずった覚えがあるため、割り振り自体は適切ではあるが、無論申し訳なさと情けなさを感じている。
「ここから見えるほど近い距離だから良かったものの……お一人で持つつもりだったんですか?」
「ええ。この位なら軽いものです」
「軽くはないよ、ひかりさん」
1ケース=500mlペットボトル24本。
冗談で言ってなさそうな雰囲気に朱音は驚く。確かに記憶の中でも途中から色んな意味で逞しくなった印象だったが…。
「多分あんたのせいだよ」
先導するひかりに聞こえないよう佐助が耳打ちした。
「わたしですか?」
「ほらひかりさんの事、一回朱音が助けたでしょ。あれから鍛え始めたんだぜ。見る見る力持ちになって、最終的にはお館様を引き摺ったりお館様との腕相撲で勝ったり…」
「そうだとしても、その記憶はないはずでは…」
「なかれど、やりそうでしょ?」
「………そうですね。そのままひかりが本気出したら、次はお館様の事持ち上げたりして」
「もうやってたよ。最終的に武装したお館様を肩車して屋敷一周してた」
「え?」
そのマインドを今も持ち続けているとしたら、確かにペットボトル2ケースは軽いものかもしれない。
それにしてもそんな幸村が鍛錬でやりそうな事を何故ひかりがしていたのかは非常に気になるところだ。
「さぁ、ここから登り坂ですよ」
「げぇ〜、そうだった…」
「さくっと参りましょう。始まる前にお渡ししますからね」
(……う〜ん、ひかり、つよい)
*
差し入れの持ち込みという事で特別にベンチまで立ち入らせて貰った。
途端に周囲がざわめき出すが、それは本来部員ではない朱音……ではなく、OBであり無性に貫禄のあるひかりがやってきた為だろうと察する。
「………今日は負けられぬぞ、皆!練習試合とて気を抜くでないぞ!」
「「「はいッ!」」」
声を揃えた部員達を前に、普段通りガッシリと腕を組んで佇むお館様こと武田先生。
だが心做しか居心地悪そうに目線が泳いでいる様子を、ひかりは笑顔を浮かべつつも何か言い知れぬ雰囲気を纏いながら見つめている。学園祭の時から感じていたが、どうもお館様はこちらでもひかりには頭が上がらないようだ。
「よくぞ参られた!朱音殿、佐助!」
「幸村!」
「早速センパイにこき使われて俺様疲れちゃったよも〜〜。選手並に汗かいちまったし、新生活の準備だってまだあるのに〜」
「それだけ喋れておれば問題なかろう」
人混みの中から姿を現した幸村は今日はサッカーのユニフォームを纏っている。
彼に良く似合う赤基調のユニフォームに合わせて靴下やサポーターまで赤に揃えてある。
お喋りな佐助をサパッとあしらった幸村は朱音に向き直った。
「ユニフォーム、よく似合っておいでです」
「む、あ、ああ……!今日は応援に来ていただき、まこと感謝いたす!」
「はい、楽しみにしてたんです!」
近隣校の合同練習日ということで保護者や関係者も立ち入りやすい日。
朱音の他にも選手の家族と思わしき私服姿の人間がちらほらと見える。
ひかりが買い込んでいたのは補給用だったようで、受け取ったお館様はベンチにケースを慎重に置いていた。
「新体制に慣れてるか、俺様も見てるからね〜」
「ああ!悠然と見ているが良い、佐助!」