IF:井伊と武田と
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※ifストーリー。
井伊と武田の対立に巻き込まれるの回。
記憶取り戻した後の主人公が個人で放浪している設定。健康体。
「直虎様、直虎様!いらっしゃいました!」
この方です!と差し示された朱音の目の前には凛々しい出で立ちの女性が立っていた。
艶やかな黒髪を後ろで一括りし、純白のマントを靡かせている。
「おお、話は聞いているぞ!前の戦でうちの子達を助けてくれたそうだな!」
「……その...、」
雑賀衆の件といい、情勢やどこの軍勢に関わらず負傷者や危機に陥っている者たちを長年助け回っていた現在『朱音』は、どの戦の事なのか時期すらわからない。
落ち着かない様子の朱音に構わず、直虎と呼ばれた女性は朱音の両手を包み込んで引き寄せた。
「こんなに小さいのに、立派に乙女を護ってくれた事、感謝する!よければうちの軍に来ないか?」
小さくないです。と言い返したいがこの手のやり取りはキリがないので初対面の相手にはグッと堪える。
それに持ちかけられた話にも応じる事が出来ない為、朱音は慎重に口を開いた。
「いえ…過分な評価です。それにわたしは、何処かに士官する意思はなく…」
「それは……過去に断られた経験でもあるのか?」
「はい?」
話の途中に割り込まれた言葉の真意が分からず朱音は首を傾げる。
疑問そうにする朱音を他所に直虎は一人逡巡するようにウンウンと頷いている。
「勿体ない!世の男共は本当に見る目がない!あんな激しい戦の最中、うちの子達を危機から救える程の実力があるというのに、女だからと舐められたんだな!?」
「え?」
「士官!断られたんだろう!?」
「そのような事は……!わたしが戦場に行くのは…」
「名は!」
「う、朱音、です……」
「そうか、良い名だ朱音!井伊は君を歓迎しよう!一緒に男共を叩きのめすんだ!」
全然話を聞いてくれない。
どうも目の前の事……というより、一度こうと決めたら突き進むタイプの人間のようだ。
何処か覚えがあり、ベクトルがやや異なれど幸村……朱音自身にも少し似ている性格のようだ。
皆で歓迎会を開くぞ!と朱音の肩をがっしり掴んで宣言する直虎にワッと歓声をあげる井伊国の女衆。
断りがたい空気が既に流れ始めしまっている。
「手合わせも願いたいところだが……これまで辛い事もあったろう。まずは宴の席で話を聞かせてくれ!」
(……ほとぼりが冷めるまで、大人しくするしかなさそう)
こうして流されるまま、井伊国に暫く滞在する事になったのである。
井伊と武田の対立に巻き込まれるの回。
記憶取り戻した後の主人公が個人で放浪している設定。健康体。
「直虎様、直虎様!いらっしゃいました!」
この方です!と差し示された朱音の目の前には凛々しい出で立ちの女性が立っていた。
艶やかな黒髪を後ろで一括りし、純白のマントを靡かせている。
「おお、話は聞いているぞ!前の戦でうちの子達を助けてくれたそうだな!」
「……その...、」
雑賀衆の件といい、情勢やどこの軍勢に関わらず負傷者や危機に陥っている者たちを長年助け回っていた現在『朱音』は、どの戦の事なのか時期すらわからない。
落ち着かない様子の朱音に構わず、直虎と呼ばれた女性は朱音の両手を包み込んで引き寄せた。
「こんなに小さいのに、立派に乙女を護ってくれた事、感謝する!よければうちの軍に来ないか?」
小さくないです。と言い返したいがこの手のやり取りはキリがないので初対面の相手にはグッと堪える。
それに持ちかけられた話にも応じる事が出来ない為、朱音は慎重に口を開いた。
「いえ…過分な評価です。それにわたしは、何処かに士官する意思はなく…」
「それは……過去に断られた経験でもあるのか?」
「はい?」
話の途中に割り込まれた言葉の真意が分からず朱音は首を傾げる。
疑問そうにする朱音を他所に直虎は一人逡巡するようにウンウンと頷いている。
「勿体ない!世の男共は本当に見る目がない!あんな激しい戦の最中、うちの子達を危機から救える程の実力があるというのに、女だからと舐められたんだな!?」
「え?」
「士官!断られたんだろう!?」
「そのような事は……!わたしが戦場に行くのは…」
「名は!」
「う、朱音、です……」
「そうか、良い名だ朱音!井伊は君を歓迎しよう!一緒に男共を叩きのめすんだ!」
全然話を聞いてくれない。
どうも目の前の事……というより、一度こうと決めたら突き進むタイプの人間のようだ。
何処か覚えがあり、ベクトルがやや異なれど幸村……朱音自身にも少し似ている性格のようだ。
皆で歓迎会を開くぞ!と朱音の肩をがっしり掴んで宣言する直虎にワッと歓声をあげる井伊国の女衆。
断りがたい空気が既に流れ始めしまっている。
「手合わせも願いたいところだが……これまで辛い事もあったろう。まずは宴の席で話を聞かせてくれ!」
(……ほとぼりが冷めるまで、大人しくするしかなさそう)
こうして流されるまま、井伊国に暫く滞在する事になったのである。