Marry me!(後編)
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(若干の後日談)
「だ、旦那さま」
「ど、どうしたのだ突然!」
「だって、その、夫婦になったからにはきちんとした呼び方を…それとも殿、の方がいいですか?」
「い、否、俺達は対等でありたい。そなたの呼びやすいものでよい」
「では変わらず幸村と、」
「ぅ、……その、たまには『旦那さま』とも…」
「はーい旦那!わかったよ旦那!了解したぜ旦那!」
想定外の第三者の声に二人の素っ頓狂な悲鳴があがった。
「い、いつからいたのだ佐助!」
「じれったすぎて出てきちゃったごめん」
「答えになっておらぬ!」
「いいじゃないの旦那~アッ旦那さま?アッ殿だっけ?アイタッ無言で叩かないで朱音」
「やめてください!もう!さしけ!!」
「いや面白すぎて、えへへごめんね」
大坂城での波乱からはや三日。上田城まで戻ってきた後の一コマである。
「もーだってさあ、大阪城の地面あんだけバキバキにしてあのトンデモない賠償金額!結婚のお祝いを兼ねていくらか値引きしてもらえたけどもそれでもやばい額だぜ!?そりゃあ息抜きの一つや二つやしたくもなるでしょ」
「だからとて、こんな発散の仕方があるか!せっかく朱音と…!」
「ほー奥方さまと、なあに?」
「お、おくがた!?ぐ、ぐぐ…ッ」
「さしけ、幸村で遊ばないの」
「あら~ごめんなさいね旦那さまとのお時間邪魔しちゃってぇ。旦那さまとのね~!」
「だ…っ、もう…!」
呼び方ひとつで絶大な威力を誇る。このおいしい獲物を逃す手はないと輝く忍だが、
「佐助!」
大きく息を吸って朱音が放った呼び名は、押し黙らせるには十分の威力だった。
「は…?ちょ、ま、な…!?」
「こんな形で仕返すことになるとは…もっといい時にしたかったです」
「おお、ついに本人の前で言ったな、朱音」
「エ、どゆこと…?」
「いやな、小田原以降お前がいない時は時折朱音も佐助と呼んでおったのだ」
「まさか赤面までしてもらえるとは。いい収穫ですね、幸村」
「応とも。何にも勝る良い仕返しだ。これでおあいこだ」
「ああ~~…この二人がかりでしてやられる感じ、懐かしいわあ……いいご関係ですね、お二人さん」
「お前もいてこそだぞ、佐助。これからもよろしく頼む!」
「よろしくお願いするでござるっ」
「ああ、もう……そのつもりです、こちらこそ!」
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