IF:vs佐助戦
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「む、佐助に朱音!何故そんなにも土に塗れておるのだ!」
「……すこしばかり本気のお手合わせしておりまして…」
「まことか!そなたらで本気とは珍しい、のか?……それにしても酷く満足気な面構えをしておるな、佐助」
「ええ~?そんなコトないよ~旦那ぁ」
どういう事だ、とばったり出くわした幸村が佐助の異変の説明を朱音に求める視線を送るが、朱音は少し気まずそうに視線を逸らした。
「……二人して、どうしたのだ」
「んふふ。なぁんにも?」
「口外しないでください、さしけ」
「あら、そんな呼び方してもいいの?朱音」
「……おばか!」
得意げな表情なままの佐助に、引きずられるように朱音の顔も徐々に赤くなっていく。何も言わないが、変わらず煽るように笑いかけてくる佐助の装束を抗議代わりに引っ張っている。
「積極的な朱音が見れて俺様大満足~っ」
「せ、積極的…!?ななな何をしていたのだ!」
「ただのお手合わせですッ!妙な言い方しないでください!」
「じゃあさっきのもっかい言って~っ」
「嫌!もう絶対言わない!」
相変わらず幸村にとっては双方で何があったのか一向に把握できていないのだが、薩摩から戻ってきて以来険悪な雰囲気であった二人が打ち解けている事だけはわかった。それだけで十分だった。いつものように戯れの言い合いを始めた様子を見ているだけで笑みが零れた。漸く彼らの日常が戻ってきた、と。
*
「……まぁ、確かに」
「なになに?」
「こんな気持ちで戦ったの、初めてでした。途中からは遊んでる感覚に近かったというか…」
「遊びかぁ…。そんなつもりなかったんだけど……ま、いいか。あんたが笑ってるなら」
「さしけも今、よく笑ってますよ」
幸村と別れ、身体についた砂や土を落とすべく再び二人で水場を目指す中、そんな会話をしていた。
ぱしぱし、とそれぞれ頭や衣服を叩きながら何気なく言葉が交わされる。
「で、もちろんお認めくださったのですよね、さしけ」
「佐助。えー、無効じゃない。勝敗つかなかったでしょ」
「しらないですそんなの」
「……実力と共にあんたの危うさも十分わかったよ」
ひたりと足を止めた佐助がため息を吐く。彼に合わせて歩みを止めた朱音は顔を覗き込んだ。
沈黙したまま少しの間見詰め合っていたがやがて佐助がしぶしぶと頷いた。
「一人で立たないのなら、ギリギリ許してあげる。おひいさまは必ずお供をつけて行くように」
「……おせっかいな方ですこと」
「やっぱりノリノリじゃん」
「今だけですからね」
.