IF:vs佐助戦
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「本気でやる気なんだ」
「こうでもしないと頷かないでしょう」
「あらら、弱っちいくせに脳筋思考」
「弱い……と?」
双方の険しい表情が甲乙つけようもなく更に険しく歪んだ。
「言いましたね」
「ありゃりゃ怒っちゃった?ごめんね、俺様嘘つくのニガテでさぁ~」
いつものような冗談混じりな軽口を嘯くも、瞳の中身宿る意志は真剣に相手を見据えている。
背の低い相手を自然と見下せる背丈の佐助は不機嫌を全力で表す様子を大袈裟に鼻で笑ってみせた。
「だって俺様、あんたのへばってるとこしか見てないから。それで認めるって方が無理でしょ」
グッと唇を噛み締めるのがはっきりと見えた。主君である幸村とよく似てるのか、実に感情的で煽られる耐性はないらしい。睨み返す視線が射殺す勢いで佐助に寄越される。
実際事実だった。記憶を取り戻して向かった先の安土城では力尽きて一兵卒に殺されそうになっていたし、四国海戦ではボロボロの身なりでお市の腕達に守られて眠っていた。そして先日も…。
「自分のお兄さんに負かされてたくせに」
「あれは…!わたしも、兄上も、思うように振るえなくて…」
「言い訳だね」
「違います!」
「あんなんじゃ、次また相見えた時に死ぬのは朱音だからね。本多忠朝だって一人の武将だ。次に会う時までに覚悟固めてるだろうし」
「知った口を…!」
「戦場経験豊富な俺様の勘を信じないわけ?見る目ないねぇ」
甘やかしは必要ない。ただ現実を教えるのみ。
それこそが常に死線を走る彼女を長く生かす道なのだから。