気になること
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「朱音ちゃんがどうも佐助を追いかけたかったようで、自分も屋根裏に行きたいと……」
「小助、遠慮せず降りてきて良いのだぞ」
「も、申し訳ございませんッ」
幸村の言葉に慌てるように小助が畳の上に降り立った。
それから1人で降りてしまった事に気付いて上を振り向いた。
「あ…っ、ごめん朱音ちゃーん。俺が先に降りちゃったけど、降りれる?」
心配する小助をよそに朱音は特に恐れた様子もなく身を乗り出そうとしていた。
「小助ー、少し下がるでござる」
「な、朱音!1人で降りるのは危険でござる!!某に――」
「幸村は、も?…幸村も、でござる!」
手伝おうとした幸村の申し出も断って朱音は天井から飛び出した。
照準はここまで態々追いかけて来たその標的へ定め迷いなく落ちていく。
「え、ちょ、ま、嘘だろぉぉおおおお!?」
標的は朱音のタックルを垂直に喰らい、潰れた。
*******
「あっはははははは!」
「いやー、朱音ちゃんは無茶するなぁ。ホントに元気な子だな!」
「はい、某は元気でござる!」
「あ゙の゙……お゙二人共…笑っでな゙い゙でだずげ…っ!」
現在、標的もとい佐助は朱音に背中から馬乗り状態になっていた。
朱音の全身の体重を惜しみなく乗せられている。
佐助は彼女が落ちてきた瞬間、避けようかとも思ったらしいがそんな事をしてはまた怪我が悪化してしまうかもしれない。
そう案じた一瞬のタイムラグの後、受け止めようとしたが……既に時遅し。
「あ゙の…朱音ざん…流石に首の゙辺りにば、乗らないで…」
佐助の濁点だらけの抗議に朱音はふん、とそっぽを向いた。
「さしけ、それがしの息を止める、悪い故でござる」
「それずっど前の話…!」
「知らぬでござるっ。破廉恥!」
「重っ…!てか、ぐるじ…」
「佐助ぇ、女の子に重いとか言うなっての」
いつの間にやら、普段通りのやり取りに戻ってしまった。
ぎゃあぎゃあ騒ぐ朱音と佐助に幸村は微笑みながら言った。
「…やはり、朱音は朱音のままが一番でござる。なぁ佐助」
「うぇ…ッ!え?今、何て…」
「何事も朱音が思った通りにさせれば良いではないか」
ギリギリギリギリ…
「あ゙!、ちょッ朱音!いだだッ!!」
「……聞こえてなさそうですね」
小助が笑いながら幸村に言った。
すると幸村は一瞬驚いたような顔で小助を見たが直ぐにまた柔らかく微笑んでこう言った。
「……やはり朱音が居ると良いな。――お前がきちんと笑っている所も初めてみたぞ、小助」
その瞬間、小助は表情が固まった。
「、!?えぇッ!!…お、おおお俺とした事が…!その、申し訳――」
「…むぅ。何故謝るのだ小助」
「あ、う……いえその…!す、すすみませ…!」
どうやら照れたらしく、小助は顔を真っ赤にして俯いた。
そして視線を彷徨わせるといつの間にか取っ組み合いに移行していた二人が目に入った。
勿論佐助は手加減しているようだが、問題なのは朱音の方でなんというか……目が据わっているようにも見える。
一体何をしたんだ佐助(俺様ここまでされる理由はないと思うんだけど!)
そんな様子の二人を見て、流石に小助は声を上げた。
「幸村様!朱音ちゃんと佐助が…!」
「む!そろそろ止めねば!朱音の傷がまた開くやもしれぬ!」
「…お手伝いしますよ、幸村様」
「おお!それは助かる。」
(君は、君らしくあれ)
(……で、旦那。朱音のは――)(人の話はよく聞いておけ、佐助よ)(旦那に言われちゃった!)
要するに、話は流れました。小助は幸村を尊敬しすぎてて照れてしまうので、幸村の前ではあまり朗らかな表情ができずにいたらしいよ。