気になること
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「…だがしかし、朱音は自然に話しているゆえ、今の話し方が気に入っておるやもしれぬぞ」
「それは二度目に目を覚ましてから、最初の内に一番旦那が多く側にいたせいなの」
現在朱音は記憶喪失だ。
初めて見るもの、聞くもの。周りはそんなものばかり。
初めて知るものがあれば、例えそれが多様な種類があったとしても一番初めに知ったものが一番普通のものだと思い込んでしまってもおかしくはない。勿論、話し方とてしかりだ。
「佐助のように妙に軽々しい話し方になるよりはずっと良いと思うがな」
……………
佐助の心に大きなささくれが刺さった!
地味にかなり痛い!
「うわぁん旦那がいじめるぅ!」
閑話休題。
「……して、なんの話であったか?
佐助が俺の八つ時の団子を増やしてくれるという話だったであったか?」
「捏造しないの。朱音の喋り方についてでしょう!」
「しかし、実際それほど重要な事なのか?」
「勿論!例え記憶喪失だとしてもちゃんとするところはちゃんとしないと」
床で胡座を掻き、ふんっと仰け反って佐助は腕を組む。
表情は何故か必要以上に深刻そうだった。
そう、まるで娘の将来を心配する母親のような…すなわちオカンだ。
「何か俺様本編ともキャラ違う気がする。しかもコレも格好良くないし。『すなわちオカン』とかやめて!」
~話を進めましょう~
「しかし、佐助が気にかける程深刻な問題ではないのではないか。ひかり殿だって何も申してはおらぬし…」
幸村がうーむ、と唸る。
確かに一般的な女中や世話係なら確かに朱音の言葉遣いについては何かしら注意をしていたのかもしれないが…
「“あの”ひかりさんだからなぁ……」
彼女も妙なところで抜けている。
礼儀礼節については口うるさいらしいが、口調については特に何も言わないらしい。
それにより、朱音のござる化は現在も順調に進行中だ。
今やほとんど完成形に近いのかもしれない。
今まで当たり前のように通って来ていたが、よくよく考えると……否、考えなくても
(おかしいだろ…)
佐助は肩を落とし、がっくり項垂れた。
そんな佐助達の上から突然声が降ってきた。
「いーんじゃないですかー?」
先程の佐助と同じ様に木目板をずらして『ひょい』と顔を覗かせたのは、
「おお!小助!!」
金色の髮を重力にそって垂らしている少年だった。
幸村が驚いた様に天井の小助を見遣ると小助は申し訳なさそうに言葉を紡ぐ。
「上から失礼いたします、幸村様。勝手に入ってしまい申し訳ございません…しかし、」
小助の隣の板がまた『かたん』と、ずらされた。
そこからひょいと顔を覗かせたのは、
「幸村ー!」
「「朱音!?」」
只今、問題の中心の朱音の首が、そこから生えてきて地上の二人は同時に叫んだのだ。
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