気になること
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「旦那旦那、ちょっといい?」
自室の屋根の木目板をずらしてそこからぬぅ、と出てきたのは橙と迷彩の忍
「否、と申したらどうなる?」
「俺様困っちゃう」
そんな忍を見上げるように胡座を掻いているのは幸村だ。
開口一番に質問で返され、若干顔が引き攣った佐助。
そんな事を言われてしまえば降りるに降りられない。
何を隠そう雇い主の言動ひとつで自分の運命(主に給料)が左右されてしまうため、下手な事は言えないのがこの忍なのだ。
忍の懐事情の寒さを甘く見ないでいただきたい。
「精進が足りぬぞ佐助」
「勝手に忍の心を読まないでね!」
「ところで降りぬのか」
あ、良かったのね、と佐助はやっと床に足を着けるとくるりと幸村に向き直った。
「任務ご苦労であった。……その報告か?」
人を振り回す事もあるのの幸村は戦事にはきちんと関心が高い。武人としての有り様に佐助は一安心して息を吐いた。
「いんや、報告は大将の方にしてきたから大丈夫。旦那には相談、というかなんというか……」
「?」
口ごもる佐助に幸村は首を傾げた。
「忍隊に何か問題でもあったか?」
「いや、そういう真面目ってほど真面目な話じゃないんだけど重要ってったら重要だし…」
ねちねちごねごねうじうじぼそぼそ……。
中々話を切り出さない佐助に幸村は我慢ならなくなったらしい。
キッと睨みつけて声を上げた。
「はっきり申せ!」
ひぃ、旦那が怖い!
「いや、その、朱音の事……」
佐助がそう言った途端、ころりと幸村の雰囲気が変わった。
「何だ!朱音になにか大事あったのか!?」
「いやいや、そういう話じゃなくって」
慌てように面食らったものの、佐助は幸村を宥めた。
因みにここに来る前に天井裏を通っている所気配を真下にいた彼女に悟られ『破廉恥ぃ!』と叫ばれ、そこから暫く言い合いになってしまった。
「俺様が言いたいのは朱音の喋り方の事」
「喋り方…?」
本題を知って尚、首を傾げる幸村に佐助は呆れたようにため息をついた
「いい、旦那。朱音は旦那の影響でござるござる〜言うようになってんでしょ。礼儀としても正直微妙だし、まんま旦那を写したみたいでまずいでしょ」
「む、そうなのか?」
しかし、しれっと疑問で返した幸村に佐助はがっくりと肩を落とした。
強すぎる主観で見ているのだろうか、本気で状況がわかっていないらしい。
「いやね、旦那。おっきな子どもとはいえ、朱音も女の子よ。」
「……!、そ、そんなことわかって…おる」
「若干忘れてた?」
「まさかでござる」
「なんか怪しいなぁ……で、あの喋り方は相応しくないと思うわけよ」
「むぅ、そういうものなのか」
「旦那の周りには少なくとも、旦那みたいな話し方するおなごは居ないでしょう」
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