節分
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(今日は天気がいいでござる)
特に他には何も考えずぼんやりとまったりと足を進めていると、
「節分でござる!!」
朱音ー!!と幸村が躑躅ヶ崎館庭内をのんびりと散策していた少女に向かって遠くからでもよく聞こえる声で叫びながらやって来た。
ぴたり、とその声を聞くと少女は足を止め、声のした方へ体を向ける。
視線の先にいる灼炎の青年が白色のなにか…おそらくは布袋を持ってこちらに向かって走って来るのを捉えた。
「ゆきむらー!」
途端にぱっ、と少女、朱音は笑顔になり、彼に手をぶんぶんと振る。
幸村はすぐに朱音の側までやって来るなり掛けられたのが先程の言葉だった。
「…せつぶん…?幸村、これは何でござるか?」
この白い袋が『節分』なのだろうか、と朱音はやや的外れな事を考えつつも初めて見る物に興味を持っているようだ。
視線に気付いた幸村もすぐに袋の中身を見せてくれた。
そこにあったのは無数の肌色に近い色をしたとても小さな球体。
これは食べ物…?と朱音はその中身をじぃっ、と食い入るように見詰めている。
「うむ、これは大豆を煎った物でござる……もう、食べられませぬぞ?」
「――ッた、食べられないでござるか!?」
てっきり幸村が自分にお菓子を与えに来てくれたのだと予想していたらしい朱音は、うっかり袋に伸ばしかけていた手を慌てて引っ込めた。
因みに朱音のこの思考は幸村にばれていたようで、吹き出すように笑われてしまった。
「で、では幸村、このだいずは何でござるか?」
「これはだな――」
この大豆は『鬼』にぶつけるもの。
悪い鬼にぶつけることによって己の身の邪気を払い、更には福の神を呼び寄せられる。
それが節分の豆まきという行事だ。
「朱音にも福の神が参られて欲しいであろう!?」
「はい、フクのかみ来るでござるー!!……して幸村、悪い『鬼』とはどこに?」
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