ハロウィン
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それから10年程たった今でもこうして俺達は同じ軍で働いている訳だけども。
それまで真っ赤になって俺様の言葉を否定していた小助が不意にニヤリと笑った。
勝ちを確信したかのような笑みだった。
「俺の務めは果たしたぞ」
「は?何のはな――」
「佐助ぇえええええええええええ!」
「さしけぇええええええええええ!」
うっかり(本日二回目)気を抜いていた俺様は、背後から突っ込んできた問題のお子様二人に押し潰された。そして、
「「鳥食うのだ鳥居と!でござる!!」」
仕留められた。
「甘味だ、佐助!」
「さしけ、甘味でござる〜!」
「だから!今は俺様何も持ってないっての!!てか、重い!降りろー!」
小助もこの面妖な祭り?の共犯だった事が発覚し、恨み言のひとつでも言いたい所だが旦那と朱音が上から乗っかってるせいでそれすらも出来ない。
小助は俗に言うどや顔で笑っていた……覚えてろ小僧め畜生!
「さしけ、甘味はないでござるか…?」
「だとしても心配は無用でござる朱音!政宗殿が言ってたではないか!相手が応じぬ時は減給を突き付けも構わぬ、と!」
「な、何ィイイイイイイイイイイイ!?」
ちょ、竜の旦那!それだけは、それだけはマジで洒落にならないからッ!そんなドンピシャな嫌がらせある!?この人まじでやりかねないんだからな!!
*******
「お、朱音。どうだった?」
「はい、政宗。さしけは甘味は持ってなかったでござる……幸村、残念にしていたでござる…」
ん゙~、とつまらなさそうに報告する朱音にある意味首謀者の政宗は楽しそうに笑う。
ちなみに佐助は現在幸村に命令され炊事場で和菓子を片っ端から作らされている。
減給の代案だったそうで佐助に拒否権はない。
「なら、あの猿にはイタズラだな」
「いたずら?」
「お菓子をくれなきゃイタズラする、『Trick or treat』は正しくはそういう意味なんだよ」
真田に教えた時はちっとばかし脚色したがな、と政宗は得意げに笑う。
「だから朱音も奴に何かイタズラしてやんな」
「いたずら……とは何があるでござろうか」
「ん〜そうだな、あの雑草みてぇに有り余ってる髪の毛でも抜いてやるとかか?」
「むぅ、あの歳でおハゲは流石にかわいそうでござる…」
「全部毟れとは言ってねぇぞ。ちーっと、困らせてやるくらいでいいんだよ」
「うーむ…でござる」
やや過激ないたずら相談会議が執り行われている。
正直なところ例の呼び方をはじめ、普段からちょこちょことちょっかい掛けているようなものなので改めていざイタズラと意気込んでもすぐに思い浮かばないのだ。
「参考程度にだが俺は甘味を寄越さなかったコワモテ殿に今日一日、顔の左右にネギを鉢巻を巻いて過ごすように言っといたぜ」
「おお、それで先程すれ違った際に…コワモテはおネギ、よく似合っていたでござる」
「まじかよ、伝えとくぜ」
「……む、はちまき、はち………そうでござる!」
「お、決まったみてぇだな」
【それぞれのハロウィン】
炊事場の拘束が解けた瞬間、戸口で待ち構えていた居候少女に額の鉢金を強奪され、強制鬼ごっこさせられた忍がいたとかいないとか。