ハロウィン
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俺と小助が出会ったのは勿論かすがと初めて会ったのと同じ時だった。
俺は戸沢のお師匠に忍の才能があると見込まれ、忍の修行はしていたものの諸事情で甲賀の里に来たのは修行を始めて数年経ってからの事だった。確か、あの目立つ二人の髪が目について俺からちょっかいかけたのが最初だった。
それから訓練などで一緒になる事があったりしてそれなりに親交がある姉弟だった。
そのうち武家に雇われる事になってはじめに里を出ていったのは俺様。数年後その次に小助。既にかすがは仕事は何件かこなしていたけど、当時は固定の雇い主はまだいなかったな。
とにかく一回はそんな感じで俺達はバラバラになった。
雇われた真田家で俺は忍の技術は勿論評価され、しかしそれ以上に何故だか子どもの扱いが上手いと褒められ、気付いたら真田の旦那のお守り役に任命されていた。
「時に旦那様……俺は戦忍なのですが」
「うむ承知しておるぞ。弁丸を頼んだ!時に、最近あの子は初恋をした様子がするのだが、佐助君は乳母としてどう思う?」
「旦那様ぁああああ!」
……懐かしい。
おっと話が反れる。
で、小助が真田の……というか俺の所に来る事になったのはたしか…旦那が6つの時くらいだ。
何でも路頭に迷う事になったそうだ。
「クビって事?」
「……滅ぼされてたんだ」
小助が依頼のあったお家に顔合わせという形でまだ一度訪れただけで、正式に雇われる事になった日に改めて屋敷に向かった頃には既に……という事だった。
「で、そんな所にいつまでもいて、どうするつもり?」
俺達は丁度その時、その滅ぼされ、焼け跡になっていた武家の敷地内に立っていた。
空は長雨が降り続いていた。薄暗い視界になってもう3日経つ。
「いや……俺は里に、……里に、戻る。でも、」
忍が感情を持ってはいけない事は知っている。
だけど、以前一度だけお会いしたこの武家のお殿様はとてもいい人だった。
自分はそのご息女様の側にいて話し相手になって欲しいとも頼まれていた。ご息女様は俺と同じ位の齢の方と聞いていて……
「でも…お殿様も、そのご息女様ももう居ない。……そう考えると、なんだか……」
黙りこくった小助を見詰めながら俺はこいつはまだ幼いのもあるだろうけれどやはり姉同様、情に脆く忍には向いていない性格だと思った。
「こんな余計な事を考えていたら……今、里に戻ったって……」
「―――ならさ、来る?ウチに」
そして俺も結局世話好きな性分なんだと、自覚した。
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