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■21話の別展開(文章ほぼ直してません)
『お名前は?』
『……ない』
『え?』
『そなたの名は―――』
「朱音、でござる……」
眩しい朝日で目が覚めた。
以前は日の出前には起きて幸村の鍛錬見学をしていたというのに…
つまりは本日も、寝坊
やはり身体は休養を必要としているのだろうか。実際目覚めた今もまだ眠い。すっきりしない。
「ん゙~……」
左手でゴシゴシ目を擦っていると、感じた気配が、ひとつ。こちらに近づいてきてる。
ひかりや薬師様………の気配じゃない。あれ…?
この時間帯にくる気配に不思議に思っていれば、部屋の襖が開けられた。
「Hey, good morning 朱音」
「政宗……幸村と鍛錬をするでは?」
「あー…ちょいと撒いて来た。毎日あのtensionは流石に暑苦しいぜ」
「『あつくるしい』…?」
「だからなんでお前こういう基本的な言葉は知らねぇんだよ」
呆れつつもどこか面白そうに言う政宗。 しかしすぐに隻眼を細めて真剣そうに朱音の顔をまじまじ見つめてきた。……いや、顔というより
「……首の包帯。外してくれねぇか」
「む……」
政宗は自分が怪我をしたことに責任を感じている。
それはあの夜から承知済みの事だ。だから今、また傷を見せてしまえば、きっと―――
「しかし…」
ふるふる首を振りつつもなんとか説得を試みる朱音。
「い、いな、もうひどくはないでござる!だいぶ良くなっているでござる!」
「なら見せられるだろうが」
しまったー!
言い方を間違えた、と後悔してももう遅い。一瞬反応が取れなくなった朱音の隙をついて政宗の手が素早く朱音に伸びた。
包帯を取り去るつもりだ。
サァ、と朱音は青ざめる。
(だ、だめでござる!……この、首の傷は…!)
首の包帯換えの度に見せるひかり達の表情は決して良いものではない。自分ではあまり確認出来ていないのだけれどきっと…!
わたわたと抵抗もろくに出来ず(下手すると首が絞まる恐怖)ついに露になってしまったらしい。首元に流れる風を感じる。
「……あー…」
やはり、政宗も皆と同じ顔になった。でも、彼らよりも悲痛そうだった。
「どうして、でござるか」
気づけば朱音の心の中に浮かぶ、“よくわからない”疑問が勝手に口を動かしていた。
「今、このじだいでは人がけがをしてとうぜんでござる。お館様とお話しする、そなたなら…きっと、もっと、おお…く、の…………、む?」
途中…いや、最初から自分が何を言っているのかわからなくなった朱音の言葉が止まった。
「………」
「あ、れ?む…?………と、とにかく!それがしの事は気にしないでくだされ!」
自分でもわけわからなくなって来たので投げやりに言葉を終了。
そういえば自分は最近、訳のわからない言葉を聞くだけではなく、口走ったりもしている。小十郎に対して怒鳴りつけたのも、そうだった。あれは結局何を言いたかったのだったか…。
ぐ、覚えてない……。
「そうかもしれねぇな」
ぐるぐると混乱の中で思考回路を巡らせていると、真面目な表情を崩さないままの政宗が呟いた。
(…なにが『そうかも』でござろうか?)
というか、今の自分の状態を彼になんと説明したらよいものか。わからない。
ああ、また、己の事がわからないんだ……。
ぐっ、と朱音の眉間に寄った皺を政宗は捉えたらしく、少し困ったように朱音の頭に手を置いた。
「だが、あんな状況で…目の前で貫かれちまうと、な。……なぁ朱音。お前に今の世はどう見えてる」
「……どう、とは」
「俺はきっと、お前は『皆等しく人で、皆同等の存在である』と……そうあってほしいと思ってるんだろ」
「………」
「本当はわかってるんじゃねぇか?その身に染み着いた“経験”から」
.
『お名前は?』
『……ない』
『え?』
『そなたの名は―――』
「朱音、でござる……」
眩しい朝日で目が覚めた。
以前は日の出前には起きて幸村の鍛錬見学をしていたというのに…
つまりは本日も、寝坊
やはり身体は休養を必要としているのだろうか。実際目覚めた今もまだ眠い。すっきりしない。
「ん゙~……」
左手でゴシゴシ目を擦っていると、感じた気配が、ひとつ。こちらに近づいてきてる。
ひかりや薬師様………の気配じゃない。あれ…?
この時間帯にくる気配に不思議に思っていれば、部屋の襖が開けられた。
「Hey, good morning 朱音」
「政宗……幸村と鍛錬をするでは?」
「あー…ちょいと撒いて来た。毎日あのtensionは流石に暑苦しいぜ」
「『あつくるしい』…?」
「だからなんでお前こういう基本的な言葉は知らねぇんだよ」
呆れつつもどこか面白そうに言う政宗。 しかしすぐに隻眼を細めて真剣そうに朱音の顔をまじまじ見つめてきた。……いや、顔というより
「……首の包帯。外してくれねぇか」
「む……」
政宗は自分が怪我をしたことに責任を感じている。
それはあの夜から承知済みの事だ。だから今、また傷を見せてしまえば、きっと―――
「しかし…」
ふるふる首を振りつつもなんとか説得を試みる朱音。
「い、いな、もうひどくはないでござる!だいぶ良くなっているでござる!」
「なら見せられるだろうが」
しまったー!
言い方を間違えた、と後悔してももう遅い。一瞬反応が取れなくなった朱音の隙をついて政宗の手が素早く朱音に伸びた。
包帯を取り去るつもりだ。
サァ、と朱音は青ざめる。
(だ、だめでござる!……この、首の傷は…!)
首の包帯換えの度に見せるひかり達の表情は決して良いものではない。自分ではあまり確認出来ていないのだけれどきっと…!
わたわたと抵抗もろくに出来ず(下手すると首が絞まる恐怖)ついに露になってしまったらしい。首元に流れる風を感じる。
「……あー…」
やはり、政宗も皆と同じ顔になった。でも、彼らよりも悲痛そうだった。
「どうして、でござるか」
気づけば朱音の心の中に浮かぶ、“よくわからない”疑問が勝手に口を動かしていた。
「今、このじだいでは人がけがをしてとうぜんでござる。お館様とお話しする、そなたなら…きっと、もっと、おお…く、の…………、む?」
途中…いや、最初から自分が何を言っているのかわからなくなった朱音の言葉が止まった。
「………」
「あ、れ?む…?………と、とにかく!それがしの事は気にしないでくだされ!」
自分でもわけわからなくなって来たので投げやりに言葉を終了。
そういえば自分は最近、訳のわからない言葉を聞くだけではなく、口走ったりもしている。小十郎に対して怒鳴りつけたのも、そうだった。あれは結局何を言いたかったのだったか…。
ぐ、覚えてない……。
「そうかもしれねぇな」
ぐるぐると混乱の中で思考回路を巡らせていると、真面目な表情を崩さないままの政宗が呟いた。
(…なにが『そうかも』でござろうか?)
というか、今の自分の状態を彼になんと説明したらよいものか。わからない。
ああ、また、己の事がわからないんだ……。
ぐっ、と朱音の眉間に寄った皺を政宗は捉えたらしく、少し困ったように朱音の頭に手を置いた。
「だが、あんな状況で…目の前で貫かれちまうと、な。……なぁ朱音。お前に今の世はどう見えてる」
「……どう、とは」
「俺はきっと、お前は『皆等しく人で、皆同等の存在である』と……そうあってほしいと思ってるんだろ」
「………」
「本当はわかってるんじゃねぇか?その身に染み着いた“経験”から」
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