3.仮説
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「おぉ!そなたは先日の!!…目を覚まされたのか!」
少女を目にした幸村は表情を綻ばせた。
『拾い物をした』という報告を受けていた幸村もこの少女の事情を承知している。一度見舞いでもして様子をみていたらしく、目を覚ました事にやはり驚いているようだ。
「よくぞあの怪我で………大丈夫なのか?」
「いや…、その、それがさ」
どうせ応えられないであろう少女に代わって佐助が答えようとしたのだが――
「いででででででッ!!」
幸村に意識を向けていた隙をついての少女の報復により喋れなくなった。
「あひぇ!いひゃいっへば!!」
片頬を思い切り引っ張られている。
暫く眠っていて彼女の体力が落ち、握力も控えめになっていたのは幸いか。
しかしそれでも、
「佐助の頬が餅のようでごさるな…」
斯様な具合だった。
そして佐助はこの衰弱している少女を両手で支えるという寛大な配慮をしている状況で抵抗できない。攻撃されてなお手放さないという点においては紳士的、見事な自己犠牲ぶりだった。
「だぁんあ!のんひあこふぉひっへないれ、はすへてってぁでででで!」
「いや、楽しそうで何よりだ」
「ひょッ!!じょうひぁん!」
「くっ、ははははは!!まことにひょうきんな面をしておるぞ!佐助!!」
「だぁんぁああああ!!」
…報復に抱腹。冗談だ、と未だに腹を抱え笑いながらこちらへ近づいてくる幸村の足取りは心なしか遅い。
(旦那、わざとゆっくり歩いてない!?)
そう突っ込みたいところだか今の佐助では上手く喋れない。
やがて自分達の傍までやってきた幸村は少女に視線を向けた。