28.ぬくもり
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とても純粋で、笑顔が似合う。
己に関係のない人間が傷つく事さえ嫌い、その為だけに力を振るう。
無邪気そうな上辺と相反した内心の懸念や葛藤をたくさん抱えている。
泣き虫の癖に、弱さを隠そうと周りを余計に心配させてしまったり。意地っ張りで佐助とも喧嘩ばかりだ。
お館様とひかり殿の膝の上がお気に入りの場所で、小助ともよく他愛のない話をしていたようだ。
片倉殿とも今では仲良くなり、政宗殿とは………ううむ……っ
……あの時、一晩共に過ごした、というのは真なのか…!?
「―――――だ、だだだだとしても!そそそ某は相許さぬぅッ!」
「Ah?いきなりnoisyな奴だな。」
「――――…む、………?」
「旦那ーっ、よかったぁ。目、覚めたの」
「さ、すけ……?」
目の前には政宗殿とひょいと現れた佐助の顔。更にその後ろには青い青い大空があった。そして背中には土の感触。
どうやら俺は眠っていたらしい。ぼんやりする頭で記憶を手繰る。安土城で、政宗殿と魔王・織田信長を討ち果たした後……朱音達と再会して……………、!?
「朱音!!朱音は何処に!?」
慌てて上体を起こし辺りを見回そうとしたら、佐助が呆れたようにため息をついた。
「…旦那ァ、朱音なら旦那が抱えてんでしょうが」
「む!?……………おおっ」
見回す必要はなかった。確かに朱音は俺が抱えていた。そして朱音も今は眠っているようだ。
「目の前でイチャこいたかと思えば、テメエ等揃って寝出しやがったんだよ」
政宗殿が疲れたように頭を搔きながら俺に事情を話された。
手短にまとめれば、先に例の如く朱音が脱力するように俺に寄りかかって眠り出すと次いで俺も崩れ落ちたそうだ。
ま、俺はDownなんてしてねぇけどな。と政宗殿は後に不敵に笑って付け加えた。
今の政宗殿も相当な疲れた表情をされているではないか、と少し俺がむくれていると佐助が割り入ってきた。
「で、とにかく何をしようにも旦那、朱音放さねぇからどうしようかって思ってたところ」
「……すまなかったな、佐助」
「まあまあ。他にもお荷物小僧とかもいるからさ、目が覚めてくれてよかったよ。……で、なんだけど」
お荷物、と言う言葉も気になったが、佐助は仕切り直すように咳払いをした。
「なんだ?」
「………旦那と、朱音の傷、手当てしたいからそろそろ離れてもらえないかな…?」
「傷…、」
己はともかく、言われて俺が抱える小さな身体をよく見ると、確かに……というか、かなりの切り傷やら打撲が……!!
何故俺は今まで気づかなかったのだ!?
「さ、さささ佐助ぇ!朱音、朱音が怪我を!!」
「だから今それ俺様が言ったじゃないの!!ほら、まずその子こっち貸して!」
ぐっ、と手を伸ばしてくる佐助に大人しく朱音を預けようとしたが……ある感情が芽生えて今度は俺がぐっと留まる。
どうしたのかと顔を覗き込んできたが構わず俺は言った。
「………佐助、俺がやる!」
「は?」
佐助が豆鉄砲を食らったような顔をした。そのまま動かない様子からして硬直しているらしい。
――――し、仕方ないだろう!
い、今は、朱音を………手放したく、ない……のだから!
「なーに考えてやがんだ真田幸村?顔が真っ赤だぜ?」
政宗殿がこの上なく楽しそうに、ニヤニヤしながら俺に訊ねてきた。俺は慌てて政宗殿から顔を背けた。
「う……ぐぬぬ……ッ!……さ、佐助!よいか!?」
「……しょうがないねぇ。俺様が監修ね、いい?」
「!! ―――ああ!」
「初な奴だな」
「ま、政宗殿!!」
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