デモンズ・レター
その鏡は、『影鏡』と呼ばれていた。
黒いオーク材の枠に、複雑な彫金が施された姿見。最大の特徴は、鏡面を完全に覆い隠すことができる、重厚な観音開きの扉がついていることだ。
かつて魔界と人間界が今よりもずっと近く、境界が曖昧だった時代。
悪魔は人間の「欲望」や「生命力」を餌にし、人間は悪魔の「力」を借りて夢を叶える――。
そんな「契約」の物語が数多く語られていた頃に作られた、いにしえの魔道具。
現在では、その存在を知る者すら一部の[#高位=漢字_ハイランク#]悪魔でも知り得るかどうかの代物。
ましてや、人間界へと繋がる実物など、誰も見たことがない……はずだった。
そう、「はずだった」のだ。
黒いオーク材の枠に、複雑な彫金が施された姿見。最大の特徴は、鏡面を完全に覆い隠すことができる、重厚な観音開きの扉がついていることだ。
かつて魔界と人間界が今よりもずっと近く、境界が曖昧だった時代。
悪魔は人間の「欲望」や「生命力」を餌にし、人間は悪魔の「力」を借りて夢を叶える――。
そんな「契約」の物語が数多く語られていた頃に作られた、いにしえの魔道具。
現在では、その存在を知る者すら一部の[#高位=漢字_ハイランク#]悪魔でも知り得るかどうかの代物。
ましてや、人間界へと繋がる実物など、誰も見たことがない……はずだった。
そう、「はずだった」のだ。
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