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GAMEMODE:REALPLAY ~NEW GAME~

あの後何とか思想隊のリーダーのシルクの所まで戻って来たシェル一行。
シルクに怒りの神器の所有者の事・その所有者が殺された事・神器を失った事そして神器保全委員会の事を話した。

シルク「なるほど…それは大変でしたね…」

シルク「ですが私も神器保全委員会については知っていますがその様な行為をしたのは今の一度も聞いた事がありませんね。」

シルク「仮にこのような状況になった場合は相手がある程度の実力者である以上神器の正当な所有権を譲渡する手続きを踏むはずです。」

シェル「正当な所有権?」

シルク「そうですね…この辺りの話を理解するのはやや難しいので聞き流して貰う感じでも良いのですが…」

シルク「まず私達が持っている宝物、これはあくまで『所有者にとっての宝物』です。」

シルク「つまり他者から見てこの宝物がどの程度の想いのこもった物なのかは分からないので基本的には効力を発揮しません。」

シルク「ですのでその想いを理解する為に何か特別な行為をする必要があります、例えばその宝物が衣服やアクセサリーの様な物であればそれを身につけて生活するでしたり武器防具ならばそれを使って戦闘をする等が一般的です。」

シルク「ですが今回は杖と言う事で恐らく『道具』に分類されます、ですので杖を突きながら歩いてみたりこの杖で変身した時に杖がどの様な使い方をされていたかによってそれらしい行動を取ると良いかもしれません。」

シェル「なるほど…でもまずは取り返さないと…」

シルク「ですがこのままでは勝てないと思われます、ですので先に哀しみの神器を手に入れるのが良いと思いますよ。」

シルク「場所はムーンの故郷の『ミルキワイ』にあります。」

ムーン「え!?そうだったんですか!?」

シルク「驚くのも無理はないです、何故なら最近元所有者が所有権を別な人物に変えたのです。」

シルク「そしてその相手の名前は『エウロパ』…ムーンの妹さんですね。」

ムーン「本当ですか!?えっ…ど、どうしよう凄い緊張する…」

シェル「妹さんそんなすごい人だったんだな…」

ムーン「兄として気さくに接するべきかこれからの世界を担う者として低調に扱うべきか…どうしたら良いんでしょうか?」

シルク「皆さまこの頃かなり戦闘続きでお疲れでしょうしここで一つ休みを取るべきだと思いますよ、ですよねムーン?」

ムーン「確かに僕の故郷は比較的争いは好まないですし休めそうではありますけど…分かりました、でしたら今のうちに宿予約しておきますね。」

シルク「それでは私はミルキワイへ行くための準備をしておくのでまた夜にお越しください。」

シェル「夜にですか?」

シルク「はい、あそこへは夜じゃないと行けませんので。」

そしてそれから束の間の休息を取ったシェル一行は夜にシルクのもとへ来た。

シルク「来ましたね、こちらは準備出来ていますよ。」

シェル「それでどうやってそこに行くんですか?」

シルク「ここにあるベッドで眠りについてください、ミルキワイに行くにはミルキワイの夢を見る必要があります。」

シェル「だから夜じゃないといけないのか…」

メック「質問していい?」

シルク「なんでしょう?」

メック「俺、昼寝しちゃったから全く眠くない…」

シルク「………ムーン?」

ムーン「はい。」(メックの後頭部を望遠鏡でぶん殴った)

メック「ぐえっ…」(気絶した)

シルク「これで大丈夫でしょう…正直睡眠薬などは準備してませんでしたね…」

タイム「(やべー私も昼寝したけど殴られたくないしせめて寝たふりしよ…)」

一同は用意されたベッドで眠った…そして少ししてなんだか身体が軽くなる様に感じた。
………しかし時間が経つにつれて本当に浮いている気がしたので目を開けた、するとそこはやや青みががった緑の丸みのある植物が生えている草原の上空だった。
そして空には満点の星空が広がっていて少なくとも元居た場所とは違う事は分かった。
しばらくして身体がゆっくり草原の上に着地したのを確認してシェル達は起き上がった。

シェル「ここがミルキワイ?」

ムーン「わぁ~懐かしいなぁ~この植物モフモフで結構好きだったんですよね。」(草原の草を触る)

ヒット「この場所は俺達が居た場所と明らかに空気が違うな…例えるなら山の頂上とかの澄んだ空気に近い。」

クレー「あれ?メックとタイムは?」

レイス「メックは気絶だから駄目だったとしてタイムは…なんでだろう?」

ムーン「多分眠れないんだと思います、枕が違うと眠れない人っているじゃないですか。」

シェル「あーじゃあ誰かがここで待ってた方がいいか?」

ムーン「いえ、ここは早急に目的を達成して帰りましょう。

ムーン「本当に妹が持って居るのであれば僕が本気で頼んだら多分貸してくれます。」

シェル「よし、そうと決まれば行こう!」

ムーン「僕の家はこっちの方角です、ついてきてください。」

それからしばらくムーンの案内で草原を進んだ。
道中特に戦闘などは無かったが所々にうねうねした触手と近未来的な銃を持った謎の生物とチーズの匂いがする岩とジャガイモの様な物があったがムーン曰く「関わるとろくなことにならないので避けた方がいい」らしい…
ちなみに腹が減ったという事でクレーがチーズの匂いがする岩を噛んだら思いっきり歯を痛めた…

クレー「うわぁああん!痛いっ!」

ムーン「だから言ったじゃないですか…岩なんですよそれ…」

クレー「だってこんなに美味しそうな匂いするのに…」

ムーン「僕も似たような事して歯を折ったので気を付けてくださいね?ちなみにジャガイモの方はたまに居るうねうねした奴の卵です、食べると寄生されます。」

クレー「食べないようにします…」

ムーン「そう言えばうねうねした方はたまに食べる人も居るらしいですよ?麺類みたいに足を細長く切って麺つゆで頂くらしいです。」

クレー「おぉ!」

ムーン「でも味は『罰ゲームにオススメ』だそうです。」

クレー「ここってまともな食べ物ない感じなのかな…」

ムーン「自生は基本してないですね、村に付けば月兎人参ゲットニンジンとか兎餅ウサギモチ月面蟹ゲツメンガニ辺りがあると思いますけど…」

クレー「おぉ!月って感じのラインナップだね!」

ムーン「やっぱりこの辺の雰囲気的にこう言う名称がしっくり来るんですよね…ちゃんと酸素もあるし地球上の場所なんですけど…」

シェル「え?マジ?ここ地球上なの?」

ムーン「はい、一応そうなんですけどもう何万年も昔にとある偉大な魔法使いが作り出した結界のおかげで特定の方法以外で外部から侵入が出来ない様になってるんです。」

ムーン「だからこそ生物の進化と言ったものの検証に使われてた場所みたいなんですよね、今でこそただの宇宙っぽい雰囲気の場所なんですけど多分研究の一環でこの雰囲気にした後色々あって死んだんでしょうね…」

シェル「へぇ…中々バックストーリー重めだな…」

ムーン「人類が辿って来た数億年の歳月には負けますよ、ほら見えてきましたよ。」

ムーンが指差した方向には数件のドーム状の建物があって近くには畑もあり人が数名居た。
そしてその中の一人を見てムーンは言った。

ムーン「あっ!ムジ婆だ!」

ムジ婆「ん?あんた…もしかしてムーンかい!?」

ムーン「そうだよ!ムジ婆久しぶりー!」(ムジ婆に駆け寄る)

ムジ婆「あっらぁー久しぶじゃなぁ!またちょっと見ない間に良い男になっちょるねぇ。」

ムジ婆「前に見た時はコンナ、コンナチョットだったのにねぇ~」(明らかにそのサイズじゃないだろって小ささ)

ムーン「ちょっとムジ婆~僕そんなに小さくないよ~」

ムジ婆「ハッハッハ、そうじゃったそうじゃった…それとあんた等はなにもんだい?」

ムーン「彼らは僕のお友達!今一緒に旅させて貰ってるんだ!」

シェル「俺はシェルです、それからヒット・クレー・レイスで今は居ないですがメックとタイムを入れた7名で旅してます。」

ムジ婆「はえぇ~そりゃまぁご苦労様ですぅ~ほらムーンちゃんあたしのうちに連れて来て、お茶を入れてあげないとねぇ。」

ムーン「あぁ、それもしたいんだけど先に妹と話したいんだけど良いかな?」

ムジ婆「ごめんねぇムーンちゃん、エウロパちゃんなら今ちょっとお話し中みたいなのよ…」

ムーン「え?誰と?」

ムジ婆「さぁ?確か…ジンギスカン協会みたいな名前の…」

ムーン「神器保全委員会の事?」

ムジ婆「おぉ~それじゃそれじゃ!んでこの辺りじゃ見ない様なスーツと眼鏡の女性でなぁ、わしの若い頃といい勝負じゃ!なんての~」

ムーン「グレイスさんだ…やっぱりここの担当だったんだ…」

ムジ婆「およ?知り合いだったのかい?」

ムーン「説明は後、話してる場所に案内して欲しいな。」

ムジ婆「まぁ…良いけどあたしは助けられんからね?厄介事に巻き込まれない様に祈っておいてあげるから頑張ってねぇ。」

その後、ムジ婆に連れられてシェル一行はエウロパの所へ向かった………



続く
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