正常意思違

貴方は本を開いた…



初めまして、俺は傲慢の力を持っている「内藤拓郎ないとうたくろう」と申します。
貴方がこれを見ていると言うのは私の凄さを目の当たりにするという事ですよ?くれぐれもヤキモチをやいたりしないでくださいね?
さて、雑談もこれぐらいにして俺の討伐対象をお話ししましょうか…

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俺は傲慢の力を駆使して「必要無き必然ひつようなきひつぜん」と言う暴走個性を討伐するように命じられていて、この暴走個性の特徴は「周囲に居る生物がより強く、凶暴になる」や「自分が何かをやらなければならない、自分以外に出来る人が居ないと思うようになる」そうです、全く…自惚れるなって言いたいですね。
とにかく、俺はそれを討伐する為に■■県の■■市■■■町に来ている、ここに暴走個性が現れたらしいです。

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殴り書きで書かれた文章があった。



嫌だ!死にたくない!俺が…俺が一番なのに!
俺なら勝てる!勝てるはずなんだ!
俺より強い奴なんて居る訳ない!
左腕が融けて、右足は消し飛んだ、でも俺が!俺が!あークソッ!こんなので…俺…死ぬのかよ…



そのページには大量の血が飛び散っていた。
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俺は後少しでこいつを倒せたんだ…そして、世界を救えるはずだったのに…
俺はこいつの目の前に剣を突き付けた時に勝ちを確信した、俺は勝ったんだと思った。
こいつより優れてると思ったんだ、だが…そんな事は無かった。
あいつは突然周りに居た動物、人、物を全て破壊、殺害してこっちを見て言った「お前は弱い!俺が勝つ以外ありえない!これは必然なんだ!」そう言った瞬間俺の片腕が吹き飛んでそのまま両足を持ってかれた。
あの時突き付けてそのまま切ればよかったんだ…こいつに勝ったって優越感から切るのが遅れたのが悪かったんだろうな…
また…死んじまったよ…



最後のページを開いた…



あ~最高な気分だぜ!ようやく暴走個性をぶっ潰した訳だ!
長かったよ、3週も経ってようやく俺の仕事も終わったわけだ!
ん?よく考えれば俺の仕事が終わったって事は3週分の代償を払わねぇとな…
まぁ、そう言う事だ…それじゃあな…



このページには血の跡と動物や人の手形や足跡が沢山付いていた、おそらく代償と言うのは3週目までで受けた傷全ての事だろう。
貴方は次の本を開いた…
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