番外編や短編集
番外編 小精霊じゅら🦋の1日
昔々、富士山麓甲斐国には自然の守護者「森精霊」がいました。その中でまだ幼い小精霊は、手のひらに収まるくらいの可愛らしい姿をしていました。
「おら達は蝶々みたいなハネでパタパタ飛べるじゅら🎵」
小精霊は語尾にじゅらと付けるので、村人達から『じゅらちゃん』とも呼ばれています。
早朝、霊峰富士から日の出が見え、近くの村でニワトリが『コケコッコー!!』と鳴くと、木の幹の空(うろ)で眠っていたじゅら達が目を覚ました。
「おはようじゅら♪今日も1日明るく元気に過ごすじゅら」
「むにゃむにゃ・・・まだ眠い・・じゅら」
お寝坊のじゅらも居ました。活発なじゅらは黄アゲハに似たハネをパタパタと動かしながら寝坊助じゃらを起こしました。
「起きろーじゅら!!」
朝起きて、じゅら達は湖のほとりに咲く、アサガオの蜜を飲んでいました。
「今日も美味しいじゅら♪いつも美味しい蜜をありがとうじゅら」
じゅらはお礼にアサガオの雌しべに花粉を付けました。
じゅらはお花の蜜と太陽の光で元気になると、村の畑や果樹園で仕事のお手伝いをします。
「美味しい野菜に育てるじゅら」
じゅらは農家のおじちゃんとおばちゃんと肥料粉を巻きます。
「たくさん実りますように」
果樹園では桃の花に受粉をします。じゅらは桃や果物が大好きで、大きな実に育つのをとても楽しみに待っています。果樹園のおじちゃんとおばちゃんとも仲良しです。
お昼になると、じゅらは農家のおばちゃんが作ってくれた野菜のお漬物や、イナゴの佃煮を甘茶と一緒に、たくさん頂きました。
「おばちゃんのお料理とても美味しいじゅら♪」
縁側でじゅら達はおばちゃんと一緒に休憩をしました。
「桃はもうすぐ実るからねぇ。いつも手伝ってくれる、じゅらちゃんにたくさん食べさせたいよ」
おばちゃんは笑顔でじゅらの頭を1人ずつ優しく撫でました。
午後は自由に湖畔のお花畑で遊びます。いつも、鬼ごっこや隠れんぼをします。これは遊びの一貫して森や自然を護る精霊戦士や、甲斐国の武田家に仕える忍びを目指す子精霊もいます。
「もーいいかいじゅら?」
「ま!!まーだだよーじゅら!!」
まだ隠れていないじゅらは急いで草むらや葉っぱの裏に隠れました。
「もーいいかいじゅら?」
「もう良いじゅら!!」
隠れるのが苦手なじゅらは直ぐに見つかっちゃいます。一方、忍びのように隠れるのが上手なじゅらは中々見つけられません。午後は楽しく遊んでいました。
夕方になると、任務から帰って来た忍びのモトスおじちゃんと、富士五湖を護る精霊戦士のお都留姉ちゃんが時々様子を見に来てくれます。
「お前たち、今日も1日手伝いや遊びを頑張ったな」
「さくらんぼをたくさん持ってきましたよ。皆で夕日の富士を見ながら食べましょう」
2人は籠にいっぱいのさくらんぼを持っていました。じゅらは嬉しそうに今日の出来事を2人に話しながら、さくらんぼを頰張りました。湖畔に映される茜色の夕焼けと富士は宝石のように美しく、精霊達を魅了しています。
夜は、深い森の中の木の上で、皆仲良く無数の星を眺めています。じゅら達は流れ星を見るたびに、それぞれ願いを込めます。
(強い精霊戦士になりたいじゅら)
(野菜や果物がたくさん実りますようにじゅら)
(大人になったらモトスさんのように背が高くなりますようにじゅら)
(桃やさくらんぼを、たらふく食べたいじゅら♪)
じゅら達は願い事をしているうちに、スヤスヤと眠ってしまいました。その時に、じゅら達は大きい手のひらにそっと乗せられます。
「こんな所で眠っては木から落ちてしまうぞ」
森精霊の長老と忍びの棟梁でもある、エンザンが、じゅら達を木の幹の穴の中まで運んで寝かせました。エンザンは森精霊達のお父さん的存在です。
じゅらは長老の存在に気がつかないまま、朝まで気持ちよく眠りました。そしてまた、晴天の朝になりました。
昔々、富士山麓甲斐国には自然の守護者「森精霊」がいました。その中でまだ幼い小精霊は、手のひらに収まるくらいの可愛らしい姿をしていました。
「おら達は蝶々みたいなハネでパタパタ飛べるじゅら🎵」
小精霊は語尾にじゅらと付けるので、村人達から『じゅらちゃん』とも呼ばれています。
早朝、霊峰富士から日の出が見え、近くの村でニワトリが『コケコッコー!!』と鳴くと、木の幹の空(うろ)で眠っていたじゅら達が目を覚ました。
「おはようじゅら♪今日も1日明るく元気に過ごすじゅら」
「むにゃむにゃ・・・まだ眠い・・じゅら」
お寝坊のじゅらも居ました。活発なじゅらは黄アゲハに似たハネをパタパタと動かしながら寝坊助じゃらを起こしました。
「起きろーじゅら!!」
朝起きて、じゅら達は湖のほとりに咲く、アサガオの蜜を飲んでいました。
「今日も美味しいじゅら♪いつも美味しい蜜をありがとうじゅら」
じゅらはお礼にアサガオの雌しべに花粉を付けました。
じゅらはお花の蜜と太陽の光で元気になると、村の畑や果樹園で仕事のお手伝いをします。
「美味しい野菜に育てるじゅら」
じゅらは農家のおじちゃんとおばちゃんと肥料粉を巻きます。
「たくさん実りますように」
果樹園では桃の花に受粉をします。じゅらは桃や果物が大好きで、大きな実に育つのをとても楽しみに待っています。果樹園のおじちゃんとおばちゃんとも仲良しです。
お昼になると、じゅらは農家のおばちゃんが作ってくれた野菜のお漬物や、イナゴの佃煮を甘茶と一緒に、たくさん頂きました。
「おばちゃんのお料理とても美味しいじゅら♪」
縁側でじゅら達はおばちゃんと一緒に休憩をしました。
「桃はもうすぐ実るからねぇ。いつも手伝ってくれる、じゅらちゃんにたくさん食べさせたいよ」
おばちゃんは笑顔でじゅらの頭を1人ずつ優しく撫でました。
午後は自由に湖畔のお花畑で遊びます。いつも、鬼ごっこや隠れんぼをします。これは遊びの一貫して森や自然を護る精霊戦士や、甲斐国の武田家に仕える忍びを目指す子精霊もいます。
「もーいいかいじゅら?」
「ま!!まーだだよーじゅら!!」
まだ隠れていないじゅらは急いで草むらや葉っぱの裏に隠れました。
「もーいいかいじゅら?」
「もう良いじゅら!!」
隠れるのが苦手なじゅらは直ぐに見つかっちゃいます。一方、忍びのように隠れるのが上手なじゅらは中々見つけられません。午後は楽しく遊んでいました。
夕方になると、任務から帰って来た忍びのモトスおじちゃんと、富士五湖を護る精霊戦士のお都留姉ちゃんが時々様子を見に来てくれます。
「お前たち、今日も1日手伝いや遊びを頑張ったな」
「さくらんぼをたくさん持ってきましたよ。皆で夕日の富士を見ながら食べましょう」
2人は籠にいっぱいのさくらんぼを持っていました。じゅらは嬉しそうに今日の出来事を2人に話しながら、さくらんぼを頰張りました。湖畔に映される茜色の夕焼けと富士は宝石のように美しく、精霊達を魅了しています。
夜は、深い森の中の木の上で、皆仲良く無数の星を眺めています。じゅら達は流れ星を見るたびに、それぞれ願いを込めます。
(強い精霊戦士になりたいじゅら)
(野菜や果物がたくさん実りますようにじゅら)
(大人になったらモトスさんのように背が高くなりますようにじゅら)
(桃やさくらんぼを、たらふく食べたいじゅら♪)
じゅら達は願い事をしているうちに、スヤスヤと眠ってしまいました。その時に、じゅら達は大きい手のひらにそっと乗せられます。
「こんな所で眠っては木から落ちてしまうぞ」
森精霊の長老と忍びの棟梁でもある、エンザンが、じゅら達を木の幹の穴の中まで運んで寝かせました。エンザンは森精霊達のお父さん的存在です。
じゅらは長老の存在に気がつかないまま、朝まで気持ちよく眠りました。そしてまた、晴天の朝になりました。