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第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙

東北での魔改造戦士との戦いが終わり、天下は完全に豊臣秀吉が成した。しかし、家臣の1人に不穏な動きがあった。
「僕は・・・秀吉様にずっと仕えていたが、徳川の者達とも親しくなったし・・・もし、この先東西を分けた戦が始まったら、どうしよう・・・」
豊臣秀吉及び、石田三成に仕える若き武将『小早川秀秋』は遠いようで近い未来を考えていた。彼は温厚で平和主義的な考え方を持つ青年だが、反面優柔不断で気弱な性格が戦国の世に合わぬと家臣に忠告されていた。
「このまま秀吉様が日ノ本を治めて、御伽の勇士達が日ノ本を護ってくれれば安泰なんだけどなぁ・・・」
秀秋がため息をつきながら自室の姿見を見ていると、角が生え、黒髪が長い銀色に変化した自身の姿が映った。
「な!?僕の姿が夜叉に・・・この鏡、何か乗り移っているな!!」
秀秋が刀を抜こうとした時、鏡に映る夜叉のような自分が語りかけた。
『悩んでいるようだが、お前は今の自分に満足してんのかい?』
「だ・・誰だお前は!?」
『俺の名は烈鬼(れっき)。率直に言うが、もう一つのお前だよ』
「もう一つの僕って・・・からかっているのか!!」
『いいや、俺はずっとお前の心の中に住み着いていたのさ。それよりどうだ、お前が天下を取ってみないか?』
「何言っているんだよ!!秀吉様はまだ健在だし、後継だっているんだぞ!!」
『ははは!!そんなの後数年で崩壊する。それに、預言者からのお告げもあった。秀吉亡き後は天下が二つに分かれ、大戦が起きるとな』
「・・・それって、僕も夢で見た・・まさか本当に?」
『心配しなさんな、俺はお前と共にある。天下を取ろうではないか🎵』
「僕が君と・・・天下を取る・・・・」
秀秋は鏡に映るもう1人の自分の燃えるような瞳を見て、ニヤリと笑みを浮かべた。
その頃、陰のニホン、闇の天守閣で卑弩羅と四天王の朝霧(あさぎり)、黒羽(くろう)、ミズチと共に月夜を見ていた。
「奴はやっと復活したか。随分と待たせおって」
「力を養っていたのかしら、それとも単に目覚めるのが遅くなったのかしら」
「まぁ、復活しようがボクには関係ないけどさ。誰の心に入っていたのかい?」
「豊臣秀吉に仕える、小早川秀秋という者だ。どうやら秀秋が生まれたときに心の中に魂が入ったみたいだ」
「あの鬼霊は昔から落ち着きが無く、城に居るよりも陽のニホンへ行き、人の心に入るのを好むそうだ」
「まぁ、厄神四天王の鬼霊『烈鬼(れっき)』がどう動くか見物だな。そして、マガツイノ神様もついに動き始めるな」
後に天下を分けた大戦と、桜龍達勇士と闇の一族の決戦が始まる。


                       最終話 完
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