第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
京の都、桂川が流れる嵐山で桜龍と仁摩と、旧友輝政と江津は大芹の為に、村人の灯篭を流した。桜龍と仁摩は死者を弔う舞を踊り、輝政は笏を吹き、江津は琵琶を演奏した。大芹は深くお辞儀し、自分のしてきた悪行を詫び、妻子と村人の来世での幸せを願った。
(お園、芹美、村の皆、私は桜龍達や困っている者を助ける。傷ついた者達の怪我や病も治療する為に生きるよ。だから、見守っていてくれ)
大芹が顔を上げると、灯篭から芹美達の魂が現れ、神々しい光を出現させながら宙に舞っていた。
『黄泉でお父ちゃんの活躍、応援しているよ』
『あなた、私達の分も生きて幸せになってね』
『ありがとう、お園、芹美、みんな』
大芹は皆の魂が天に舞った後、桜龍達に礼を言った。
「村人達を弔ってくれてありがとう。特に、江津殿に重傷を負わせてしまったのに、申し訳ない」
「過去の事は気にするな。君も闇の力から解放された者なのだから」
江津は大芹に穏やかに笑いかけた。大芹は彼も大きな闇を背負っていて、桜龍に解放されたのだと理解できた。
「やはり凄いな、桜龍は。あの者こそが聖者だと思う」
「あやつは能天気なようで人情深くて正義感が強いからな。お主の過去を実際に見て、悲しみから解放させてやりたかったのだろう。まぁ、聖者は大袈裟だな」
「舞は終わったぞ、大芹、江津。これで村人の魂は大海原へ行き、天に還るよ」
「感謝する、桜龍。それと、仁摩と輝政も。村の皆も素敵な舞や演奏に満足しているだろう」
「きっと、家族と村人達も黄泉で安らかに大芹さんを見守ってくださると思いますよ」
「ああ。忌々しい惨劇から魂が解放されて嬉しい限りだ。そして、俺を闇から・・憎悪から救ってくれてありがとう」
「そんなかしこまるなよ。正直、あんたのした事は許されないけど、それ以上の悲しみを知った。このご時世、困っている人の助けになるように生きて欲しい」
「ああ・・・戦う力は失ったが、医師の技術はしっかり残っている。この辺りの村で診療所でも開こうか考えている」
「それは良い考えだと思うよ。何かあれば俺が力になるし、モトスさん達も力になってくれるよ」
「ああ。俺の方こそお前達の危機に駆けつけるようにする」
桜龍と大芹は仲間の誓いの証として握手した。
モトスと千里は地底八幡平の霊廟で義経と弁慶のお墓参りをしていた。他の地底空間とは違い、霊廟の地面と岩壁には点々とヒカリゴケが辺りを照らしているだけであり、静けさを漂わせていた。千里は白百合の花束と東北の地酒を2人のお墓に添えた。
「この戦いは、あなた方に救われました。僕達と共に戦ってくれて感謝いたします。弁慶殿、義経様」
「きっと、弁慶殿も義経公も安らかに眠ることが出来るだろう」
モトスと千里の肩にちょこんと乗る小精霊達も小さい手を合わせお参りした。
「オラも義経公や弁慶殿のように強くて勇ましい武人になりたいじゅら」
「じゅら吉はその前に、そのたるんだお腹を引き締めてからじゅら」
「う・・む・・食べ過ぎには気をつけるじゅら」
じゅら吉は少しむくれた顔をして、皆に笑われた。そこに八郎王と梓も来て、お墓に手を合わせた。
「相変わらず森精霊は賑やかな種族だべ」
八郎王は呆れた顔をしていながらも内心遊びに来て嬉しとも思っていた。梓は籠に沢山入れたリンゴを小精霊達に見せた。津軽に住む人間が日頃の感謝を込めておすそ分けしてくれたそうだ。
「津軽平野のリンゴだべさ。甘くて美味しいから仲良く食べるんべよ」
「わーい!!!津軽のリンゴ初めてじゅら♪」
小精霊達は梓に包丁で細かく刻んで貰ったリンゴを美味しく味わっていた。モトスと千里も1つずつ頂き、笑顔で味わった。
「ふむ・・・これは甘くて美味だ。後で津軽のリンゴ農家に礼を言っておこう」
「信濃のリンゴともまた違った味わいで美味しいです。梓殿ありがとうございます」
「ああ、農家の皆もおめぇ達に助けて貰ったと感謝していたべさ」
「まぁ、これを機に人間との交流も悪くねぇーな」
「そんなこと言って、八郎王は人間が造ったリンゴ酒を密かに飲んでいたべさ」
「む・・・酒を造る技術を人間から盗むつもりだったべさ・・・」
全く素直じゃ無いなと、梓や千里達は八郎王が照れて頭巾で顔を隠している姿を微笑んだ。
(お園、芹美、村の皆、私は桜龍達や困っている者を助ける。傷ついた者達の怪我や病も治療する為に生きるよ。だから、見守っていてくれ)
大芹が顔を上げると、灯篭から芹美達の魂が現れ、神々しい光を出現させながら宙に舞っていた。
『黄泉でお父ちゃんの活躍、応援しているよ』
『あなた、私達の分も生きて幸せになってね』
『ありがとう、お園、芹美、みんな』
大芹は皆の魂が天に舞った後、桜龍達に礼を言った。
「村人達を弔ってくれてありがとう。特に、江津殿に重傷を負わせてしまったのに、申し訳ない」
「過去の事は気にするな。君も闇の力から解放された者なのだから」
江津は大芹に穏やかに笑いかけた。大芹は彼も大きな闇を背負っていて、桜龍に解放されたのだと理解できた。
「やはり凄いな、桜龍は。あの者こそが聖者だと思う」
「あやつは能天気なようで人情深くて正義感が強いからな。お主の過去を実際に見て、悲しみから解放させてやりたかったのだろう。まぁ、聖者は大袈裟だな」
「舞は終わったぞ、大芹、江津。これで村人の魂は大海原へ行き、天に還るよ」
「感謝する、桜龍。それと、仁摩と輝政も。村の皆も素敵な舞や演奏に満足しているだろう」
「きっと、家族と村人達も黄泉で安らかに大芹さんを見守ってくださると思いますよ」
「ああ。忌々しい惨劇から魂が解放されて嬉しい限りだ。そして、俺を闇から・・憎悪から救ってくれてありがとう」
「そんなかしこまるなよ。正直、あんたのした事は許されないけど、それ以上の悲しみを知った。このご時世、困っている人の助けになるように生きて欲しい」
「ああ・・・戦う力は失ったが、医師の技術はしっかり残っている。この辺りの村で診療所でも開こうか考えている」
「それは良い考えだと思うよ。何かあれば俺が力になるし、モトスさん達も力になってくれるよ」
「ああ。俺の方こそお前達の危機に駆けつけるようにする」
桜龍と大芹は仲間の誓いの証として握手した。
モトスと千里は地底八幡平の霊廟で義経と弁慶のお墓参りをしていた。他の地底空間とは違い、霊廟の地面と岩壁には点々とヒカリゴケが辺りを照らしているだけであり、静けさを漂わせていた。千里は白百合の花束と東北の地酒を2人のお墓に添えた。
「この戦いは、あなた方に救われました。僕達と共に戦ってくれて感謝いたします。弁慶殿、義経様」
「きっと、弁慶殿も義経公も安らかに眠ることが出来るだろう」
モトスと千里の肩にちょこんと乗る小精霊達も小さい手を合わせお参りした。
「オラも義経公や弁慶殿のように強くて勇ましい武人になりたいじゅら」
「じゅら吉はその前に、そのたるんだお腹を引き締めてからじゅら」
「う・・む・・食べ過ぎには気をつけるじゅら」
じゅら吉は少しむくれた顔をして、皆に笑われた。そこに八郎王と梓も来て、お墓に手を合わせた。
「相変わらず森精霊は賑やかな種族だべ」
八郎王は呆れた顔をしていながらも内心遊びに来て嬉しとも思っていた。梓は籠に沢山入れたリンゴを小精霊達に見せた。津軽に住む人間が日頃の感謝を込めておすそ分けしてくれたそうだ。
「津軽平野のリンゴだべさ。甘くて美味しいから仲良く食べるんべよ」
「わーい!!!津軽のリンゴ初めてじゅら♪」
小精霊達は梓に包丁で細かく刻んで貰ったリンゴを美味しく味わっていた。モトスと千里も1つずつ頂き、笑顔で味わった。
「ふむ・・・これは甘くて美味だ。後で津軽のリンゴ農家に礼を言っておこう」
「信濃のリンゴともまた違った味わいで美味しいです。梓殿ありがとうございます」
「ああ、農家の皆もおめぇ達に助けて貰ったと感謝していたべさ」
「まぁ、これを機に人間との交流も悪くねぇーな」
「そんなこと言って、八郎王は人間が造ったリンゴ酒を密かに飲んでいたべさ」
「む・・・酒を造る技術を人間から盗むつもりだったべさ・・・」
全く素直じゃ無いなと、梓や千里達は八郎王が照れて頭巾で顔を隠している姿を微笑んだ。