第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
霊場恐山は魔改造戦士に占拠されていた。山頂へと続く岩場の道は黒い霧で覆われ、辺り一面に邪悪な空気も漂っていた。桜龍は護符を取り出し邪気を追い払い進んだ。
「山頂に近づくほど邪気が高まっているな。押し潰されないように気をつけないと・・・」
モトスはいち早く岩場に隠れている者達を察知し、皆に伝えた。
「魔改造戦士どもが、この邪気の中にかくれている。皆武器を構えるのだ!!」
「私達が山頂に着く前に始末するつもりだな。それとも時間稼ぎか」
「厳美の野郎を倒す前の準備運動ってことだな。面白え!!」
「こいつらは、先鋭部隊です。仲間の人造戦士や若桜を殺したのはこいつらです・・・」
「それならなおさら仇を取ろうな。俺達の力と絆で」
桜龍は皆に笑いかけ、仲間達も強く頷いた。そして邪気の中飛び掛かってきた魔改造戦士を迎え撃った。
「長期戦になると不利だ。先へ進みながら倒していくぞ!!」
モトスは先陣を切って、竜巻を起こした。続いて球磨は竜巻に火弾を放ち、炎の嵐で魔改造戦士を焼き、浄化させた。湘も銃剣で氷の弾を乱射させ魔改造戦士を氷漬けにした。そして、千里の鎖鎌で一気に粉々に砕き倒した。
「悪いが、これ以上貴様らの相手をしてられねーぜ。一気にカタをつけてやる!!」
桜龍は破邪の太刀に魔力を込め、目にも止まらぬ雷撃で魔改造戦士を斬り裂いた。
5人は一気に魔改造戦士を倒して行きながら山頂へ進んでいった。
桜龍達が恐山の山頂に着くと、この世とは思えぬ程の異様な光景を目にした。黒雲に染まる空に鈍く光る霊魂がさまよっていた。
「これは、恐山のさまよう魂か・・・すでに闇の渦に飲み込まれた魂もあるのか?」
「このままではこれらの魂も闇の渦に飲み込まれてしまうぞ。早く助けねば!!」
「ここに厳美が居ます。奴がこの闇の渦を操り、霊魂を喰っているのです」
千里は魔改造戦士の気配を探っていると、すぐ先から叫び声が響き渡った。
「た・・助けてくれー!!どうか命だけは!!」
恐山の修験者や近くの村人が厳美に拉致されていた。皆は逃げたくても闇の力で呪縛され動けず、ひれ伏せていた。
「ふふふ、殺めて直ぐの魂ほど美味しい物はありませんよ。安心なさい、苦しまないように魂を抜きますから、その魂を我が神に捧げなさい」
厳美は黒い大鎌で人間の胸を貫こうとした。村人は目をつぶり悲鳴をあげた瞬間、目の前に眼鏡をかけた男が現れ、鎖で大鎌を受け止め、厳美の胴に強烈な蹴りをかました。
「ククク・・これはこれは千里君ではありませんか。思ったよりも早く山頂に着いたようですねー」
「貴様の悪事はそこまでだ!!この者達と恐山の魂を解放しろ!!」
「そうはいきませんよ。これはマガツイノカミ様に捧げるエサなのですから」
厳美の挑発に千里は怒りを込め鎖鎌を構えていた。その隣に桜龍達も並び、武器を向けた。
「そうはさせねーぜ。お前はここで俺達に倒されるのだからな。大芹達もお前を見限った。後の敵はお前だけだ!!」
「残念ですが、私はあんな役立たず共とは違いますよ。まぁ、こんなちっぽけな人間や魂を狩るよりもアナタ達を生贄にした方が我が神も喜ぶでしょう」
厳美は不敵な笑みを浮かべ、村人や修験者の束縛を解いた。モトスは真っ先に『この場は俺達に任せよ』と皆を逃がした。
「皆、ここは戦場になる!!早く逃げるのだ!!」
「俺達を生贄だと?随分となめてんじゃねーか?」
「ほう、その減らず口、二度と叩けぬよう黙らせてやろうか」
球磨は不敵な笑みを浮かべ、炎をまとわせた槍先を厳美に向けた。湘も冷たい目線と銃口を厳美に向け、皮肉を言った。モトスと千里も過去の悔恨に怒りを込め、厳美に啖呵を切った。
「奥州藤原家を滅ぼし、武田家の残党狩りのどさくさで梅雪や信康を利用し傷つけた。多くの者を苦しめた貴様は絶対にゆるさぬぞ!!」
「・・・義経様と弁慶殿、同胞達の弔いの為、ここで貴様を倒す!!」
「ここいらで年貢の納めどきだ、厳美。貴様が蘇らぬよう、封印してやる」
「それでは、始めましょうか。闇の力に覆われた恐山がアナタ達の墓場となるでしょう」
厳美は闇の大鎌を手元に出現させ、攻撃態勢に入った。それと同時に、影から魔改造戦士が現れた。
「また魔改造戦士かよ!!うじゃうじゃ湧いてきやがるな」
「いいや、こいつは今までとは格が違う・・・厳美の術で造られた魔改造戦士か、それとも・・・」
もはや厳美と同化している物質なのか、桜龍は敵の正体と戦い方を考えていた。
「こいつらは魔改造戦士ではありません。厳美が闇から造っている、闇の分身です」
千里は闇の塊を鎖鎌で切り裂きながら皆に説明した。球磨と湘は互いに背中合わせになり、同時に西洋槍から聖炎を、銃剣から聖水の弾を放った。
「こやつらの露払いは私達に任せてもらおうか」
「湘おじ、どっちがこのヘンテコな奴らを多く倒すか勝負しようぜ!!」
湘はすかした表情で球磨に頷き、同時に闇の物質に攻撃し始めた。桜龍とモトスと千里は一斉に厳美に攻撃し始めた。
「5人同時でも構わないのですが、まぁ良いでしょう。少しは私を楽しませて欲しいですねー」
厳美は影から黒い棘を出現させた。3人はすでに見切っていたので技が放たれる前に跳躍し避けた。モトスは目にも見えぬ速さで厳美の懐に入り、回し蹴りを喰らわせた。さらに桜龍が厳美の背後に回り、足を大きく上げ、踵落としを奴の頭にぶつけ、地面にねじ伏せた。
「く・・・力が格段に上がっていますね・・・」
厳美が立ち上がる前に、すでに千里が接近していた。千里は拳に大地の気を溜め、厳美の腹部を目掛け殴り倒した。大地は広く深く陥没する威力だった。
「うぐぁああ!!」
「俺達を舐めんなよ。動きは封じさせてもらうぜ」
桜龍は護符を取り出し、厳美の周りに五芒星の魔法陣を出現させた。
「貴様の邪悪な力を封印してやる!!」
魔方陣から神々しい聖なる光が放たれた。厳美は激しい悲鳴を上げ苦しんだかに見えたが、千里はこれで終わる男では無いと警戒した。
「貴様の演技は見破っている!!」
千里は鎖鎌を厳美に投げつけたが、魔方陣から逃れ、素手で鎖鎌の刃を弾いた。桜龍は舌打ちしながら次の手を考えた。
「結構強力な技をぶつけたんだがな・・・やはりお前は今までの魔改造戦士と違うと分かるぜ」
厳美は不気味な笑みを浮かべ、空中に舞い、無数の黒き闇の刃を放った。
「さぁ、跡形も残らず串刺しにしてさしあげますよ!!」
黒い刃は豪雨のように降って来た。3人は武器や技で防ぐのがやっとで、反撃が出来なかった。
「く・・・このままではキリが無いな・・・」
闇の刃がモトスの頬をかすり、これ以上防ぐのは困難かと思った時、紅蓮の炎が刃の雨を燃やし尽くし、湘の鋭い散弾が厳美の身体を貫き、動きを止めた。
「俺達がいることを忘れんなよ、お前が召喚した闇の魔改造戦士は全部倒したぜ」
「桜龍、千里、モトス、遅くなってすまない!!私達も加勢させてもらうよ」
「ふふ、そろそろ私も本気を出しましょうか、闇の力を全解放させた真の力を」
厳美が不敵な笑みを浮かべ、自らの胸に手を当てると、ドス黒い闇に包まれた。しかし、厳美自身も驚いた顔をして戸惑い始めた。
「山頂に近づくほど邪気が高まっているな。押し潰されないように気をつけないと・・・」
モトスはいち早く岩場に隠れている者達を察知し、皆に伝えた。
「魔改造戦士どもが、この邪気の中にかくれている。皆武器を構えるのだ!!」
「私達が山頂に着く前に始末するつもりだな。それとも時間稼ぎか」
「厳美の野郎を倒す前の準備運動ってことだな。面白え!!」
「こいつらは、先鋭部隊です。仲間の人造戦士や若桜を殺したのはこいつらです・・・」
「それならなおさら仇を取ろうな。俺達の力と絆で」
桜龍は皆に笑いかけ、仲間達も強く頷いた。そして邪気の中飛び掛かってきた魔改造戦士を迎え撃った。
「長期戦になると不利だ。先へ進みながら倒していくぞ!!」
モトスは先陣を切って、竜巻を起こした。続いて球磨は竜巻に火弾を放ち、炎の嵐で魔改造戦士を焼き、浄化させた。湘も銃剣で氷の弾を乱射させ魔改造戦士を氷漬けにした。そして、千里の鎖鎌で一気に粉々に砕き倒した。
「悪いが、これ以上貴様らの相手をしてられねーぜ。一気にカタをつけてやる!!」
桜龍は破邪の太刀に魔力を込め、目にも止まらぬ雷撃で魔改造戦士を斬り裂いた。
5人は一気に魔改造戦士を倒して行きながら山頂へ進んでいった。
桜龍達が恐山の山頂に着くと、この世とは思えぬ程の異様な光景を目にした。黒雲に染まる空に鈍く光る霊魂がさまよっていた。
「これは、恐山のさまよう魂か・・・すでに闇の渦に飲み込まれた魂もあるのか?」
「このままではこれらの魂も闇の渦に飲み込まれてしまうぞ。早く助けねば!!」
「ここに厳美が居ます。奴がこの闇の渦を操り、霊魂を喰っているのです」
千里は魔改造戦士の気配を探っていると、すぐ先から叫び声が響き渡った。
「た・・助けてくれー!!どうか命だけは!!」
恐山の修験者や近くの村人が厳美に拉致されていた。皆は逃げたくても闇の力で呪縛され動けず、ひれ伏せていた。
「ふふふ、殺めて直ぐの魂ほど美味しい物はありませんよ。安心なさい、苦しまないように魂を抜きますから、その魂を我が神に捧げなさい」
厳美は黒い大鎌で人間の胸を貫こうとした。村人は目をつぶり悲鳴をあげた瞬間、目の前に眼鏡をかけた男が現れ、鎖で大鎌を受け止め、厳美の胴に強烈な蹴りをかました。
「ククク・・これはこれは千里君ではありませんか。思ったよりも早く山頂に着いたようですねー」
「貴様の悪事はそこまでだ!!この者達と恐山の魂を解放しろ!!」
「そうはいきませんよ。これはマガツイノカミ様に捧げるエサなのですから」
厳美の挑発に千里は怒りを込め鎖鎌を構えていた。その隣に桜龍達も並び、武器を向けた。
「そうはさせねーぜ。お前はここで俺達に倒されるのだからな。大芹達もお前を見限った。後の敵はお前だけだ!!」
「残念ですが、私はあんな役立たず共とは違いますよ。まぁ、こんなちっぽけな人間や魂を狩るよりもアナタ達を生贄にした方が我が神も喜ぶでしょう」
厳美は不敵な笑みを浮かべ、村人や修験者の束縛を解いた。モトスは真っ先に『この場は俺達に任せよ』と皆を逃がした。
「皆、ここは戦場になる!!早く逃げるのだ!!」
「俺達を生贄だと?随分となめてんじゃねーか?」
「ほう、その減らず口、二度と叩けぬよう黙らせてやろうか」
球磨は不敵な笑みを浮かべ、炎をまとわせた槍先を厳美に向けた。湘も冷たい目線と銃口を厳美に向け、皮肉を言った。モトスと千里も過去の悔恨に怒りを込め、厳美に啖呵を切った。
「奥州藤原家を滅ぼし、武田家の残党狩りのどさくさで梅雪や信康を利用し傷つけた。多くの者を苦しめた貴様は絶対にゆるさぬぞ!!」
「・・・義経様と弁慶殿、同胞達の弔いの為、ここで貴様を倒す!!」
「ここいらで年貢の納めどきだ、厳美。貴様が蘇らぬよう、封印してやる」
「それでは、始めましょうか。闇の力に覆われた恐山がアナタ達の墓場となるでしょう」
厳美は闇の大鎌を手元に出現させ、攻撃態勢に入った。それと同時に、影から魔改造戦士が現れた。
「また魔改造戦士かよ!!うじゃうじゃ湧いてきやがるな」
「いいや、こいつは今までとは格が違う・・・厳美の術で造られた魔改造戦士か、それとも・・・」
もはや厳美と同化している物質なのか、桜龍は敵の正体と戦い方を考えていた。
「こいつらは魔改造戦士ではありません。厳美が闇から造っている、闇の分身です」
千里は闇の塊を鎖鎌で切り裂きながら皆に説明した。球磨と湘は互いに背中合わせになり、同時に西洋槍から聖炎を、銃剣から聖水の弾を放った。
「こやつらの露払いは私達に任せてもらおうか」
「湘おじ、どっちがこのヘンテコな奴らを多く倒すか勝負しようぜ!!」
湘はすかした表情で球磨に頷き、同時に闇の物質に攻撃し始めた。桜龍とモトスと千里は一斉に厳美に攻撃し始めた。
「5人同時でも構わないのですが、まぁ良いでしょう。少しは私を楽しませて欲しいですねー」
厳美は影から黒い棘を出現させた。3人はすでに見切っていたので技が放たれる前に跳躍し避けた。モトスは目にも見えぬ速さで厳美の懐に入り、回し蹴りを喰らわせた。さらに桜龍が厳美の背後に回り、足を大きく上げ、踵落としを奴の頭にぶつけ、地面にねじ伏せた。
「く・・・力が格段に上がっていますね・・・」
厳美が立ち上がる前に、すでに千里が接近していた。千里は拳に大地の気を溜め、厳美の腹部を目掛け殴り倒した。大地は広く深く陥没する威力だった。
「うぐぁああ!!」
「俺達を舐めんなよ。動きは封じさせてもらうぜ」
桜龍は護符を取り出し、厳美の周りに五芒星の魔法陣を出現させた。
「貴様の邪悪な力を封印してやる!!」
魔方陣から神々しい聖なる光が放たれた。厳美は激しい悲鳴を上げ苦しんだかに見えたが、千里はこれで終わる男では無いと警戒した。
「貴様の演技は見破っている!!」
千里は鎖鎌を厳美に投げつけたが、魔方陣から逃れ、素手で鎖鎌の刃を弾いた。桜龍は舌打ちしながら次の手を考えた。
「結構強力な技をぶつけたんだがな・・・やはりお前は今までの魔改造戦士と違うと分かるぜ」
厳美は不気味な笑みを浮かべ、空中に舞い、無数の黒き闇の刃を放った。
「さぁ、跡形も残らず串刺しにしてさしあげますよ!!」
黒い刃は豪雨のように降って来た。3人は武器や技で防ぐのがやっとで、反撃が出来なかった。
「く・・・このままではキリが無いな・・・」
闇の刃がモトスの頬をかすり、これ以上防ぐのは困難かと思った時、紅蓮の炎が刃の雨を燃やし尽くし、湘の鋭い散弾が厳美の身体を貫き、動きを止めた。
「俺達がいることを忘れんなよ、お前が召喚した闇の魔改造戦士は全部倒したぜ」
「桜龍、千里、モトス、遅くなってすまない!!私達も加勢させてもらうよ」
「ふふ、そろそろ私も本気を出しましょうか、闇の力を全解放させた真の力を」
厳美が不敵な笑みを浮かべ、自らの胸に手を当てると、ドス黒い闇に包まれた。しかし、厳美自身も驚いた顔をして戸惑い始めた。