第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
大芹は地底世界よりもはるか底の地熱の源を目指し、下っていた。
「これで・・全てが終わる。お園も芹美も居ない世界など要らぬわ・・・」
ついに大芹が黄金色に光る地熱の源を見つけた。そこに八郎が大金槌を持ち、大芹の攻撃を受け止めた。
「これは地球の源。地球の核だべ!!これを壊せば地球は死の星になるぞ!!」
「アーハハハハ構うものか。バラバラになって何もかも砕け散れば良い」
大芹の闇龍の義手に八郎王は押されていた。しかし、大金槌が割れそうになったその時、聖龍の申し子が地底に舞い降りてきた。
「八郎王!!ここは俺に任せて下さい!!大芹、こんな事をして、家族と村人は喜ぶのか!!もう悲劇に浸るのもいい加減にしやがれ!!」
「聖龍・・・もう遅い。私はこの地球の核で爆発する。聖龍であろうが、貴様も跡形も無くこっぱみじんだ」
「そんな事はさせない!!お前に相応しい場所に連れてってやる!!」
聖龍は大芹を抱き締めるように巻き付き、一気に上昇した。大芹は自爆しようとしたが、聖龍の力で術を封印された。八郎は地熱の源の無事を確認しながら、上を見た。
「桜龍と聖龍、大きく成長したべさ」
聖龍から元の姿に戻った桜龍と大芹は日光に染まった、茜色の雲の中に居た。
「ここは・・地獄か?だが、なんて清々しい光だ」
「天空・・・いいや黄泉の世界かもな」
「なぜ、俺をここに連れてきた・・・」
大芹は桜龍に問い詰めようとした時、優しい女性と幼い少女の声が聞こえ涙腺が潤んだ。
「大寿(だいじゅ)さん!?大寿さんなのね!!」
「お父ちゃん!!会いたかったよ!!」
「お・・お園、芹美なのか?」
妻のお園と娘の芹美は父に抱きついたが、大芹は抱く事が出来なかった。
「すまない。今の俺にはお前達を抱く資格なんて無い。俺は身も心も闇に売ってしまった。・・・だから」
芹美は大芹の言葉を遮り、父に抱きついた。
「それでも、大好きな父ちゃんだよ!!」
「あなたは、私達に尽くしてくれました。だから、もう私達の為に自分を犠牲にしないで欲しいわ」
「お前達・・・」
「ほら、村の皆んなも、あなたに会えて、とても嬉しそうだわ」
お園が後ろを向くと、村の皆が大芹の元に集まってきた。
「大寿先生!!何時もわずかなお金で怪我や病気を治してくれて、ありがとう」
「大寿先生とお園さんのおかげで、無事に息子を産めました。先生には感謝しております」
「皆んな・・・こんな姿でも、俺を大寿と言ってくれるのか?」
「ええ。あなたは、皆んなのお医者さんなのだから、闇に染まってもあなたはあなたよ」
「お園、芹美、皆んな・・・ありがとう。そしてすまなかった」
大芹は皆にひざまずき、深く謝った。
「俺が弱かったから皆を助けられなかった。闇に力を借りて、挙句の果てには闇に捨てられ、無残な扱いにされた。こんな俺でもまだ、皆んなの医者と言ってくれるのか?」
「頭を上げなされ、先生。むしろ私達が先生を苦しめてしまった。こんなに傷ついて無理な魔改造をさせてしまい、申し訳無いと思っておる」
「どんな姿や生き方をしても、あたしの大切なお父ちゃんだよ」
芹美は大芹の傷跡や火傷が残る体をギュッと抱きしめた。
「芹美・・・俺も、大切な娘だと思っている」
お園は涙を流しながら桜龍に礼を言った。
「桜龍さん、大芹・・いいえ、大寿さんの心を救ってくださり、ありがとうございます」
「いいえ、俺こそ大寿さんの過去を見て何も出来なかったです。せめて、彼の心を救いたいと、仲間と協力しました」
「お父ちゃんを闇から救ってくれて、ありがとう。桜龍兄ちゃん」
桜龍は礼を言う芹美に笑顔で頭を撫でた。
「桜龍さん、夫はまだ現世にいるべきです。どうか、よろしくお願いします」
「はい。まだやり残している事が山積みなので、現世に戻させます」
「桜龍の言う通り、俺はここに居てはいけない。お前達に会えて嬉しかった」
「お父ちゃん、また戻って来る?」
「神様が許してくれたらな。黄泉でも良い子にしているんだぞ、芹美」
「大寿さん、どうか憎しみに囚われず、また困っている人の助けになってください」
「あなたは、私達の聖者ですから」
親子と村人は朗らかな笑顔で、日光に包まれ消えていった。桜龍と大芹は聖龍に乗り、黄泉から現世に戻った。
「これで・・全てが終わる。お園も芹美も居ない世界など要らぬわ・・・」
ついに大芹が黄金色に光る地熱の源を見つけた。そこに八郎が大金槌を持ち、大芹の攻撃を受け止めた。
「これは地球の源。地球の核だべ!!これを壊せば地球は死の星になるぞ!!」
「アーハハハハ構うものか。バラバラになって何もかも砕け散れば良い」
大芹の闇龍の義手に八郎王は押されていた。しかし、大金槌が割れそうになったその時、聖龍の申し子が地底に舞い降りてきた。
「八郎王!!ここは俺に任せて下さい!!大芹、こんな事をして、家族と村人は喜ぶのか!!もう悲劇に浸るのもいい加減にしやがれ!!」
「聖龍・・・もう遅い。私はこの地球の核で爆発する。聖龍であろうが、貴様も跡形も無くこっぱみじんだ」
「そんな事はさせない!!お前に相応しい場所に連れてってやる!!」
聖龍は大芹を抱き締めるように巻き付き、一気に上昇した。大芹は自爆しようとしたが、聖龍の力で術を封印された。八郎は地熱の源の無事を確認しながら、上を見た。
「桜龍と聖龍、大きく成長したべさ」
聖龍から元の姿に戻った桜龍と大芹は日光に染まった、茜色の雲の中に居た。
「ここは・・地獄か?だが、なんて清々しい光だ」
「天空・・・いいや黄泉の世界かもな」
「なぜ、俺をここに連れてきた・・・」
大芹は桜龍に問い詰めようとした時、優しい女性と幼い少女の声が聞こえ涙腺が潤んだ。
「大寿(だいじゅ)さん!?大寿さんなのね!!」
「お父ちゃん!!会いたかったよ!!」
「お・・お園、芹美なのか?」
妻のお園と娘の芹美は父に抱きついたが、大芹は抱く事が出来なかった。
「すまない。今の俺にはお前達を抱く資格なんて無い。俺は身も心も闇に売ってしまった。・・・だから」
芹美は大芹の言葉を遮り、父に抱きついた。
「それでも、大好きな父ちゃんだよ!!」
「あなたは、私達に尽くしてくれました。だから、もう私達の為に自分を犠牲にしないで欲しいわ」
「お前達・・・」
「ほら、村の皆んなも、あなたに会えて、とても嬉しそうだわ」
お園が後ろを向くと、村の皆が大芹の元に集まってきた。
「大寿先生!!何時もわずかなお金で怪我や病気を治してくれて、ありがとう」
「大寿先生とお園さんのおかげで、無事に息子を産めました。先生には感謝しております」
「皆んな・・・こんな姿でも、俺を大寿と言ってくれるのか?」
「ええ。あなたは、皆んなのお医者さんなのだから、闇に染まってもあなたはあなたよ」
「お園、芹美、皆んな・・・ありがとう。そしてすまなかった」
大芹は皆にひざまずき、深く謝った。
「俺が弱かったから皆を助けられなかった。闇に力を借りて、挙句の果てには闇に捨てられ、無残な扱いにされた。こんな俺でもまだ、皆んなの医者と言ってくれるのか?」
「頭を上げなされ、先生。むしろ私達が先生を苦しめてしまった。こんなに傷ついて無理な魔改造をさせてしまい、申し訳無いと思っておる」
「どんな姿や生き方をしても、あたしの大切なお父ちゃんだよ」
芹美は大芹の傷跡や火傷が残る体をギュッと抱きしめた。
「芹美・・・俺も、大切な娘だと思っている」
お園は涙を流しながら桜龍に礼を言った。
「桜龍さん、大芹・・いいえ、大寿さんの心を救ってくださり、ありがとうございます」
「いいえ、俺こそ大寿さんの過去を見て何も出来なかったです。せめて、彼の心を救いたいと、仲間と協力しました」
「お父ちゃんを闇から救ってくれて、ありがとう。桜龍兄ちゃん」
桜龍は礼を言う芹美に笑顔で頭を撫でた。
「桜龍さん、夫はまだ現世にいるべきです。どうか、よろしくお願いします」
「はい。まだやり残している事が山積みなので、現世に戻させます」
「桜龍の言う通り、俺はここに居てはいけない。お前達に会えて嬉しかった」
「お父ちゃん、また戻って来る?」
「神様が許してくれたらな。黄泉でも良い子にしているんだぞ、芹美」
「大寿さん、どうか憎しみに囚われず、また困っている人の助けになってください」
「あなたは、私達の聖者ですから」
親子と村人は朗らかな笑顔で、日光に包まれ消えていった。桜龍と大芹は聖龍に乗り、黄泉から現世に戻った。