第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
6本の闇龍の腕を背中から出し、異形な姿と変わり果てた大芹は、勇士達を始末しようとしていた。皆は複雑な思いで武器を構えていた。
「奴はもう心も体もボロボロだ。もはや憎しみしか頭に無い」
湘は辛い顔をしながら、大芹の上半身を見ていた。義手が着いた右腕と右半身は黒い龍の鱗で覆われているが、左半身は火傷の痕や皮膚病による変色を隠す為、継ぎはぎだらけの体だった。モトスも痛々しい顔をしながら大芹を見ていた。
「こんなになるまで魔改造し続けたのか・・・奴の執念と悲惨さが身に染みるな」
「私の体を見た以上、生かしてはおかぬぞ!!大改良した私にひれ伏すがよい!!」
大芹は先制攻撃を仕掛けてきて、6本の手を刃や触手に変形させた。桜龍は全てを断ち切ろうと大芹に叫んだ。
「貴様こそ、これで終わりにしてやる!!」
大芹は無差別に手に付いた刃を振り回した。勇士達は散らばって避け、連携技で攻めていった。
「まずは、腕の動きを止めるか」
モトスと千里は神経麻痺を起こす、クナイや吹き矢で攻撃した。一瞬、腕の動きが止まり、その隙に腕に着いた刃を球磨の槍により砕かれた。
「これで勝ったと思うなよ!!」
大芹は闇龍の腕を蛇のような触手に変形させ、勇士達に放った。湘は気色悪いと思いながら、冷水を放ち凍らせ、銃弾で割った。桜龍とモトスも続き、触手を斬っていった。
「く・・・しかし、私は闇の力で無限に再生するんだぞ!!」
大芹は再び触手を放ち、モトスと湘に巻きつかせた。
「う・・これはキリがないな・・・」
大芹は絞殺させるか、刃で切り裂くかニヤッとしながら考えていた。しかし、球磨の炎と千里の鎖鎌が2人を救出し、桜龍はその隙に大芹の背に五芒星の光線を放った。その時、背中から闇色に濁った紅玉が見えた。
「こいつの弱点は背中だ!!皆んな、一斉に技を放とう!!」
皆は桜龍の言葉に頷き、湘は聖水、球磨は聖火、モトスは聖風、千里は聖土を一斉に放った。そして、4つの地水火風の力が、桜龍の天の光に合わさり、大芹の背中に当たった。
『ぐあああ!!!』
5つの力で、6本の闇龍の腕と背中に埋め込まれていた紅玉は砕け散った。大芹は立っているのが精一杯だったが、桜龍達を睨みながら攻撃体勢に入っていた。そこを氷雨と豹剛が止めに入った。
「もう止めて!!大芹さん!!勝負はついているわよ」
「もう、大芹が辛い思いで戦うのは見たくないよー」
氷雨と豹剛は大芹の体を支えたが、強い力で振り払われてしまった。
「貴様ら・・・のこのこと俺の目の前に現れやがって・・・貴様らなどもう要らぬ!!」
「大芹さん、アナタはアタシ達の恩人です。だから、もう一人で戦わないで!!」
「オラも大芹が居たから生き続けたいと思った。大芹に感謝している」
氷雨と豹剛の必死な訴えに、大芹は突き放すような冷たい言葉で罵った。
「黙れ!!役立たず共が!!貴様らなんぞ、可哀想だから拾ってやって実験台にしただけだ!!分かったらとっとと失せろや!!」
「てめぇ、そんな言い草は無いだろ!!」
球磨が叫び怒った時、黒い渦が大芹の目の前に現れた。その中から厄神四天王の黒羽と朝霧が出てきた。
「あら?大芹、ずいぶんと頑張っているみたいですわね」
「予言が少し外れたな。もう爆発する頃だったのだが」
朝霧は団子を口にしながら大芹を見下した。
「・・・黒羽様・・朝霧様・・・爆発とは?」
「あなたは勇士達に負けて、自爆するのですわ。そして、地球は崩壊し死の星になる。陰の世界が新しい地球を作るのよ」
「では、私と村の皆の楽園は・・・?地下室に眠っている家族は?村の皆は?」
「ごめんなさいね、マガツイノカミ様の食糧にしましたわ。残念な事に死骸だったからあまり栄養は取れなかったみたいだけど」
「ふざけるな!!私は野望を果たす為に、黒羽様に従ったのだぞ!!」
大芹は黒羽に襲いかかった。しかし、団子を食い終えた朝霧に左顔面の仮面に串を投げ刺され、粉々に割られた。朝霧は冷たい瞳を向け、冷徹な口で見下した。
「その醜い顔で、厄神四天王に触れるな。汚らわしい」
大芹の左顔面は火傷と皮膚病の痕で悲惨な姿だった。
「最期の好機ですわ、大芹。この大地を爆発させて、美しく散って欲しいですわ」
黒羽と朝霧は闇の渦の中に消えた。
「もう・・私の存在意義はない・・・ならば」
「大芹さん!!止めて!!」
氷雨と豹剛が止めるのも聞かず大芹は自暴自棄になり、地熱の源を護る祠に近づいた。江津と小人戦士は行かせぬよう強力な術で拘束した。
「ここは通さぬぞ!」
「地熱の源を壊させはしないべさ!!」
しかし、拘束は簡単に解けてしまい、大芹は小人を攻撃し始めた。
「チビ共邪魔だ!!阻むなら皆殺しだ!!」
大芹は闇龍の義手から出る刃で小人を斬ろうとした。その時、江津は小人を庇い腹部に刃が刺さった。
「すまねぇーだ江津!!オラ達を庇ってくれて」
「いいや、君達は土竜族を護る重要な者達だ。私の命など気にするな」
大芹は江津の頭を掴み、刃で斬り殺そうとした。
「そうか。では、地熱の源を壊す前に、貴様を始末してやろうか」
大芹は致命傷を負った江津を殺めようとしたが、モトスが放ったカマイタチが背中に命中し、さらに千里の鋼の小刀が刺さり。動きを止めた。
「く・・とは思ったが、ちっぽけな命を奪うまでもないな。どのみち、この星は爆発し、皆死ぬのだからな」
大芹は黒い卵のような核に包まれ、祠を壊し地底に入った。モトスは急ぎ、江津の深い傷を癒やし、桜龍は大芹を追う決意をした。
「桜龍・・・私は大丈夫だ。だから、憎しみで聖龍を解放させるな・・・」
「江津・・・俺は八郎王と地熱の源を守ってみせるよ。それと、大芹を憎悪や悲しみから救ってくる」
桜龍は江津と小人戦士に誓った後、仲間に頼んだ。
「モトスさんと湘さんは江津を頼みます。球磨と千里は万が一の時に、火山活動を止めてくれ」
「ああ。お前なら絶対に出来る。己の力を信じるのだ」
モトス達が桜龍に頷いた後、氷雨と豹剛に大芹を救って欲しいと頼まれた。
「桜龍、大芹さんを救って欲しいわ」
「もう、大芹を悲しませたくないよ」
「お前達の期待に添えられるよう頑張ってくるよ。それじゃあ、行ってくる」
桜龍は気を全集中させ、左目の眼帯を取った。そして、聖龍の瞳から眩い光が現れ白金色の聖龍に姿を変えた。そして、祠の跡から地底に潜った。
「奴はもう心も体もボロボロだ。もはや憎しみしか頭に無い」
湘は辛い顔をしながら、大芹の上半身を見ていた。義手が着いた右腕と右半身は黒い龍の鱗で覆われているが、左半身は火傷の痕や皮膚病による変色を隠す為、継ぎはぎだらけの体だった。モトスも痛々しい顔をしながら大芹を見ていた。
「こんなになるまで魔改造し続けたのか・・・奴の執念と悲惨さが身に染みるな」
「私の体を見た以上、生かしてはおかぬぞ!!大改良した私にひれ伏すがよい!!」
大芹は先制攻撃を仕掛けてきて、6本の手を刃や触手に変形させた。桜龍は全てを断ち切ろうと大芹に叫んだ。
「貴様こそ、これで終わりにしてやる!!」
大芹は無差別に手に付いた刃を振り回した。勇士達は散らばって避け、連携技で攻めていった。
「まずは、腕の動きを止めるか」
モトスと千里は神経麻痺を起こす、クナイや吹き矢で攻撃した。一瞬、腕の動きが止まり、その隙に腕に着いた刃を球磨の槍により砕かれた。
「これで勝ったと思うなよ!!」
大芹は闇龍の腕を蛇のような触手に変形させ、勇士達に放った。湘は気色悪いと思いながら、冷水を放ち凍らせ、銃弾で割った。桜龍とモトスも続き、触手を斬っていった。
「く・・・しかし、私は闇の力で無限に再生するんだぞ!!」
大芹は再び触手を放ち、モトスと湘に巻きつかせた。
「う・・これはキリがないな・・・」
大芹は絞殺させるか、刃で切り裂くかニヤッとしながら考えていた。しかし、球磨の炎と千里の鎖鎌が2人を救出し、桜龍はその隙に大芹の背に五芒星の光線を放った。その時、背中から闇色に濁った紅玉が見えた。
「こいつの弱点は背中だ!!皆んな、一斉に技を放とう!!」
皆は桜龍の言葉に頷き、湘は聖水、球磨は聖火、モトスは聖風、千里は聖土を一斉に放った。そして、4つの地水火風の力が、桜龍の天の光に合わさり、大芹の背中に当たった。
『ぐあああ!!!』
5つの力で、6本の闇龍の腕と背中に埋め込まれていた紅玉は砕け散った。大芹は立っているのが精一杯だったが、桜龍達を睨みながら攻撃体勢に入っていた。そこを氷雨と豹剛が止めに入った。
「もう止めて!!大芹さん!!勝負はついているわよ」
「もう、大芹が辛い思いで戦うのは見たくないよー」
氷雨と豹剛は大芹の体を支えたが、強い力で振り払われてしまった。
「貴様ら・・・のこのこと俺の目の前に現れやがって・・・貴様らなどもう要らぬ!!」
「大芹さん、アナタはアタシ達の恩人です。だから、もう一人で戦わないで!!」
「オラも大芹が居たから生き続けたいと思った。大芹に感謝している」
氷雨と豹剛の必死な訴えに、大芹は突き放すような冷たい言葉で罵った。
「黙れ!!役立たず共が!!貴様らなんぞ、可哀想だから拾ってやって実験台にしただけだ!!分かったらとっとと失せろや!!」
「てめぇ、そんな言い草は無いだろ!!」
球磨が叫び怒った時、黒い渦が大芹の目の前に現れた。その中から厄神四天王の黒羽と朝霧が出てきた。
「あら?大芹、ずいぶんと頑張っているみたいですわね」
「予言が少し外れたな。もう爆発する頃だったのだが」
朝霧は団子を口にしながら大芹を見下した。
「・・・黒羽様・・朝霧様・・・爆発とは?」
「あなたは勇士達に負けて、自爆するのですわ。そして、地球は崩壊し死の星になる。陰の世界が新しい地球を作るのよ」
「では、私と村の皆の楽園は・・・?地下室に眠っている家族は?村の皆は?」
「ごめんなさいね、マガツイノカミ様の食糧にしましたわ。残念な事に死骸だったからあまり栄養は取れなかったみたいだけど」
「ふざけるな!!私は野望を果たす為に、黒羽様に従ったのだぞ!!」
大芹は黒羽に襲いかかった。しかし、団子を食い終えた朝霧に左顔面の仮面に串を投げ刺され、粉々に割られた。朝霧は冷たい瞳を向け、冷徹な口で見下した。
「その醜い顔で、厄神四天王に触れるな。汚らわしい」
大芹の左顔面は火傷と皮膚病の痕で悲惨な姿だった。
「最期の好機ですわ、大芹。この大地を爆発させて、美しく散って欲しいですわ」
黒羽と朝霧は闇の渦の中に消えた。
「もう・・私の存在意義はない・・・ならば」
「大芹さん!!止めて!!」
氷雨と豹剛が止めるのも聞かず大芹は自暴自棄になり、地熱の源を護る祠に近づいた。江津と小人戦士は行かせぬよう強力な術で拘束した。
「ここは通さぬぞ!」
「地熱の源を壊させはしないべさ!!」
しかし、拘束は簡単に解けてしまい、大芹は小人を攻撃し始めた。
「チビ共邪魔だ!!阻むなら皆殺しだ!!」
大芹は闇龍の義手から出る刃で小人を斬ろうとした。その時、江津は小人を庇い腹部に刃が刺さった。
「すまねぇーだ江津!!オラ達を庇ってくれて」
「いいや、君達は土竜族を護る重要な者達だ。私の命など気にするな」
大芹は江津の頭を掴み、刃で斬り殺そうとした。
「そうか。では、地熱の源を壊す前に、貴様を始末してやろうか」
大芹は致命傷を負った江津を殺めようとしたが、モトスが放ったカマイタチが背中に命中し、さらに千里の鋼の小刀が刺さり。動きを止めた。
「く・・とは思ったが、ちっぽけな命を奪うまでもないな。どのみち、この星は爆発し、皆死ぬのだからな」
大芹は黒い卵のような核に包まれ、祠を壊し地底に入った。モトスは急ぎ、江津の深い傷を癒やし、桜龍は大芹を追う決意をした。
「桜龍・・・私は大丈夫だ。だから、憎しみで聖龍を解放させるな・・・」
「江津・・・俺は八郎王と地熱の源を守ってみせるよ。それと、大芹を憎悪や悲しみから救ってくる」
桜龍は江津と小人戦士に誓った後、仲間に頼んだ。
「モトスさんと湘さんは江津を頼みます。球磨と千里は万が一の時に、火山活動を止めてくれ」
「ああ。お前なら絶対に出来る。己の力を信じるのだ」
モトス達が桜龍に頷いた後、氷雨と豹剛に大芹を救って欲しいと頼まれた。
「桜龍、大芹さんを救って欲しいわ」
「もう、大芹を悲しませたくないよ」
「お前達の期待に添えられるよう頑張ってくるよ。それじゃあ、行ってくる」
桜龍は気を全集中させ、左目の眼帯を取った。そして、聖龍の瞳から眩い光が現れ白金色の聖龍に姿を変えた。そして、祠の跡から地底に潜った。