第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
桜龍達が魔改造戦士討伐へ向かっている時、すでに出羽国酒田の町は豹剛(ひょうごう)に乗っ取られていた。球磨は豹剛と決着をつけるため、先に桜龍、モトス、千里を北の八幡平へ行かせ、彼は酒田の港町へ向かった。目の前に鳥海山が見える羽前国の大河、流れの速い最上川を船で下って行くと、河原から球磨の弟の紅史郎が手を振っていた。
「兄さん!!江津さんがここまで連れて来てくれたんだ。僕も一緒に行くよ!!」
球磨は船を近くの船着き場に止め、紅史郎を乗せた。
「紅史郎か、それは心強いな。だが豹剛は強いし、もしかしたら酒田の町には魔改造戦士が潜伏しているかもしれない。無理はするなよ」
「僕は太陽神の化身で、兄さんは炎の神の化身。絶対に負けないさ!!紅蓮の増鬼に勝てたんだしさ」
紅史郎は自信満々な態度で兄を勇気づけた。
「そうだな。修行の成果を奴に見せねーとな。ここで負けたら増鬼・・いいや、院長に怒られちまうからな」
球磨は急ぎ、最上川河口の酒田へ船を進めた。
白ヒョウの魂と力を融合している魔改造戦士、豹剛は酒田港に近い豪商人の屋敷で、豪華絢爛な大広間に飾られている舶来品に対し嫌な顔をして見ていた。
「狼や虎の毛皮に、象牙まで飾ってやがるか・・・悪趣味な部屋だな」
豹剛は壁に飾ってある毛皮を取ろうとした時、酒田の町人達が部屋に入って来た。
「豹剛様!!逃げた豪商人を捕まえて来ました!!」
町人達に袋叩きにされ、縄で縛られた豪商人とその従者は、豹剛の目の前に蹴り飛ばされた。
「良くやったなお前ら。蔵に沢山の米と酒と金があるぞ。持って行きな!!」
「それは有難いです。豹剛様はそいつらをどうするのですか?」
町民が尋ねると、豹剛は牙をむき出し豪商人達に不気味な笑みを向けた。
「喰うに決まってんだろ。こいつらはさんざん酷い事をしてきたんだ。俺様のエサになって罪を償うんだな」
豪商人は涙を流しながら豹剛に謝った。
「ひ・・ひぃ!?ごめんなさい・・・貿易は酒田の町を豊かにする為にしていました・・・」
「豊かだと?こいつのどこが豊かにする為のモノだ!!てめぇが私服を肥やして手に入れた嗜好品じゃねーか!!」
豹剛は怒りを込めて毛皮や象牙を指差した。豪商人は何も言えず、黙り込んでしまった。
「それにな、百姓から作物を強奪してるじゃねーか。何が領民を豊かにするだぁ?てめぇのその膨れた腹だけが豊かになっただけじゃねーか!!」
豹剛は豪商人の肥えた腹を蹴り続けた。従者達は恐怖に怯えるしかなかった。
「こいつには恐怖を味わいさせてから喰い殺してやるか」
豹剛は従者のひとりに目をやり、頭を掴み上げた。
「見せしめにこいつを喰い殺すか。さて皮を剥ぎながら食うか、内臓から先にするかどうすっかな」
豹剛は強い力で従者の頭を握り潰そうとした。その時、どこからか現れた男の西洋槍で、豹剛の背中は斬られた。同時に従者は救い出され、縄で縛られていた手足を何者かが切り、解放された。
「てめぇ!!いい加減にしやがれ!!悪行はそこまでだ!!」
球磨は怯んでいる豹剛に矛先を向けた。紅史郎は捕われている豪商人達の縄を切った。
「っち・・・邪魔者が現れたか。今は飯の時間だったんだぞ!!」
「理由はどうであれ、人間を喰わせはしねぇーぜ!!ここからは俺が相手だ、豹剛!!」
「一度敗れた死に損ないが偉そうに。俺は、のさばってる野郎どもの処罰をしてたんだよ!!」
「それは貴様のする事じゃねーだろ。民の為とか言って、魔改造戦士の力を見せつけてるだけだろ」
「敗者の分際で、俺様に説教かますんじゃねーぞ!!」
豹剛は凄まじい速さで球磨に襲いかかった。球磨は槍で爪攻撃を受け止めた。
「紅史郎!!皆を連れて早く逃げろ!!」
「分かったよ、兄さん!!さぁ皆、早く外へ!!」
紅史郎は豪商人達を連れ、屋敷から逃げた。
「まぁ良い。酒田の町民どもは豪商人を憎んでいる。てめぇの仲間もろとも袋叩きだぜ。それに、とっておきがあるからな」
「何を企んでるか知らねーが、紅史郎は強いぞ!!弟を舐めるな!!」
球磨は身体中から熱い闘志が湧き、気を高めた。
「こいつは、少しは楽しめそうだな。てめぇを骨の髄まで喰い潰してやる!!」
球磨と豹剛の激しい戦いは始まった。
「兄さん!!江津さんがここまで連れて来てくれたんだ。僕も一緒に行くよ!!」
球磨は船を近くの船着き場に止め、紅史郎を乗せた。
「紅史郎か、それは心強いな。だが豹剛は強いし、もしかしたら酒田の町には魔改造戦士が潜伏しているかもしれない。無理はするなよ」
「僕は太陽神の化身で、兄さんは炎の神の化身。絶対に負けないさ!!紅蓮の増鬼に勝てたんだしさ」
紅史郎は自信満々な態度で兄を勇気づけた。
「そうだな。修行の成果を奴に見せねーとな。ここで負けたら増鬼・・いいや、院長に怒られちまうからな」
球磨は急ぎ、最上川河口の酒田へ船を進めた。
白ヒョウの魂と力を融合している魔改造戦士、豹剛は酒田港に近い豪商人の屋敷で、豪華絢爛な大広間に飾られている舶来品に対し嫌な顔をして見ていた。
「狼や虎の毛皮に、象牙まで飾ってやがるか・・・悪趣味な部屋だな」
豹剛は壁に飾ってある毛皮を取ろうとした時、酒田の町人達が部屋に入って来た。
「豹剛様!!逃げた豪商人を捕まえて来ました!!」
町人達に袋叩きにされ、縄で縛られた豪商人とその従者は、豹剛の目の前に蹴り飛ばされた。
「良くやったなお前ら。蔵に沢山の米と酒と金があるぞ。持って行きな!!」
「それは有難いです。豹剛様はそいつらをどうするのですか?」
町民が尋ねると、豹剛は牙をむき出し豪商人達に不気味な笑みを向けた。
「喰うに決まってんだろ。こいつらはさんざん酷い事をしてきたんだ。俺様のエサになって罪を償うんだな」
豪商人は涙を流しながら豹剛に謝った。
「ひ・・ひぃ!?ごめんなさい・・・貿易は酒田の町を豊かにする為にしていました・・・」
「豊かだと?こいつのどこが豊かにする為のモノだ!!てめぇが私服を肥やして手に入れた嗜好品じゃねーか!!」
豹剛は怒りを込めて毛皮や象牙を指差した。豪商人は何も言えず、黙り込んでしまった。
「それにな、百姓から作物を強奪してるじゃねーか。何が領民を豊かにするだぁ?てめぇのその膨れた腹だけが豊かになっただけじゃねーか!!」
豹剛は豪商人の肥えた腹を蹴り続けた。従者達は恐怖に怯えるしかなかった。
「こいつには恐怖を味わいさせてから喰い殺してやるか」
豹剛は従者のひとりに目をやり、頭を掴み上げた。
「見せしめにこいつを喰い殺すか。さて皮を剥ぎながら食うか、内臓から先にするかどうすっかな」
豹剛は強い力で従者の頭を握り潰そうとした。その時、どこからか現れた男の西洋槍で、豹剛の背中は斬られた。同時に従者は救い出され、縄で縛られていた手足を何者かが切り、解放された。
「てめぇ!!いい加減にしやがれ!!悪行はそこまでだ!!」
球磨は怯んでいる豹剛に矛先を向けた。紅史郎は捕われている豪商人達の縄を切った。
「っち・・・邪魔者が現れたか。今は飯の時間だったんだぞ!!」
「理由はどうであれ、人間を喰わせはしねぇーぜ!!ここからは俺が相手だ、豹剛!!」
「一度敗れた死に損ないが偉そうに。俺は、のさばってる野郎どもの処罰をしてたんだよ!!」
「それは貴様のする事じゃねーだろ。民の為とか言って、魔改造戦士の力を見せつけてるだけだろ」
「敗者の分際で、俺様に説教かますんじゃねーぞ!!」
豹剛は凄まじい速さで球磨に襲いかかった。球磨は槍で爪攻撃を受け止めた。
「紅史郎!!皆を連れて早く逃げろ!!」
「分かったよ、兄さん!!さぁ皆、早く外へ!!」
紅史郎は豪商人達を連れ、屋敷から逃げた。
「まぁ良い。酒田の町民どもは豪商人を憎んでいる。てめぇの仲間もろとも袋叩きだぜ。それに、とっておきがあるからな」
「何を企んでるか知らねーが、紅史郎は強いぞ!!弟を舐めるな!!」
球磨は身体中から熱い闘志が湧き、気を高めた。
「こいつは、少しは楽しめそうだな。てめぇを骨の髄まで喰い潰してやる!!」
球磨と豹剛の激しい戦いは始まった。