第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
荒廃した闇の大地に桜龍はぽつんと立っていた。
「これは・・・闇の世界か?」
桜龍は辺りを見回すと、枯れた木に黒く染まった草花。その周りには仲間達が倒れていた。桜龍は真っ先に皆の元に駆けつけた。
「球磨!!湘さん!!モトスさん!!千里!!」
「桜龍か・・・こいつは強いぜ。諦めず何度も挑んだが、もう限界だぜ・・・」
「桜龍・・逃げろ。お前は仁摩殿と共に絶対に生き残るのだ」
球磨とモトスは致命傷を負っており、瞳には光が無く絶望感に満ちた目をしていた。
「そんな事は出来ない!!今、傷を治すから待っていろ!!」
「桜龍!!もう君は戦わなくて良いよ。私は君が怒りで力を暴走させ命を落とすのが怖い。だから、私たちもこの世界も諦めて逃げたまえ」
心身と共に傷を負っている湘も諦めた態度で桜龍に告げた。
「・・いいや、俺は諦めない。皆は休んでいて。俺は命に代えてもマガツイノカミを倒す!!」
桜龍は刀を構え、天空に舞うマガツイノカミに技を放とうとした。しかし、千里に止められた。
「それはなりません、桜龍。聖龍と闇龍をぶつけさせるのが卑弩羅の目的です。そうなってしまったら、この大地は滅びます」
「卑弩羅の野郎・・・」
マガツイノカミは口から黒い稲妻を放った。桜龍は動けない皆を護るために、護符を取り出し結界を張った。しかし防御するのが精一杯で、紫に光る結界は破れてしまった。桜龍は稲妻を直撃し、力尽きた。
「これが・・厄神マガツイノカミの力か・・・俺は仁摩も救えず、皆も護れなかったのか・・・」
桜龍達は割れた大地に落ち、暗いどん底に落ちていった。
「俺達は厄神に勝てないのか・・・」
桜龍は絶望に満ちた顔をして諦めようとしたが、懐にしまっているウサギの刺繍のお守りから温かい光が現れた。
「仁摩が作ってくれたお守りか?」
すると、仁摩が海洋族の宮殿で海王神いすみと稽古している光景が映った。仁摩がいすみの槍に払われても、めげる事なく何度も棍棒を振るい、倒れても懸命に立ち向かっている。何度も立ち上がり、諦めない彼女の姿を見て、桜龍は嬉し涙を流した。
「そうだよな・・仁摩だって強くなる為に、いすみ様に稽古をつけてもらっている。俺がこんなところで挫けたら男が廃るぜ・・・」
桜龍の瞳から希望の光が復活しそうな時、心の中で仁摩の優しく芯の強い声が聞こえた。
「桜龍、私は自分に出来ることをまっとうする為に強くなるわ。だからあなたも、憎しみや悲しみに負けぬよう強くなって」
「仁摩・・・」
すると今度は聖龍王の気高い声が胸に響いた。
「桜龍、諦めてはならぬ。己の力を信じ、仲間達の強さも信じるのだ。お主の試練は自身の心と戦う事だ」
「聖龍王様・・・そうか、このマガツイノカミは俺の弱さや憎しみから出来た、心の中の俺だったんだな。それなら絶対に勝たないとな!!」
桜龍は絶望のどん底に落ちそうになったが、白金色の聖龍に包まれ、舞い上がった。そして仲間達を聖龍に乗せ、皆を勇気づけた。
「球磨の力強さと心の熱さは皆の支えになる。希望の炎を灯してくれ!!」
球磨は勇ましい顔つきになり、重量のある西洋槍を天高く掲げ、燃え盛る炎をまとわせた。
「お前に勇気づけられるとはな。俺がお前を護るから、絶対に死ぬなよ!!」
「湘さんの知略に何度も助けられています。どうか、勝利への策をお願いします!!」
湘は不敵な笑みを浮かべながら銃口を磨き、キザな口調で返した。
「やれやれ、頼られる以上私も良い策を考えないとな」
「モトスさん、遅れはとりません。あなたの速さについていきます!!」
モトスは呼吸を整え、翡翠色に輝く精霊のハネを出現させ、羽ばたく準備をしながら言った。
「お前なら、俺の速さについて行ける。己の力を信じよ、桜龍」
「千里!!失った者達の為の弔いをしようぜ。それと、もうこれ以上悲劇を生ませない為にな」
千里は桜龍の言葉に勇気づけられ、真紅の瞳から戦いの闘志が映し出された。
「僕1人では闇に勝てません。貴方の強さが僕の闘志を燃やしています」
「俺も、皆が居るから強くなれる。皆!!マガツイノカミを倒すぞ!!」
桜龍は刀の先端を厄神に向け、皆も不死鳥の如く蘇り、桜龍の隣に並び武器を構えた。
「それじゃあこっちから行くぜ!!灼熱の炎、食いやがれ!!」
球磨は天高く跳躍し、空中で聖火をまとわせた西洋槍を十字に描き、十字架の炎を厄神にぶつけた。厄神は聖なる炎の力に怯み、その隙に湘が氷で階段を作り、厄神に接近し、銃剣から冷水を放った。
「暴れ牛の炎は相当熱かったようだねぇ。私が冷ましてやろう」
大量の冷水は厄神の顔を直撃した。焼けるような炎を受けてから、凍てつくような冷水を浴び、深傷を負ったようだ。
「邪悪な厄神め、聖風の裁きを受けてみよ!!」
モトスは精霊のハネを羽ばたかせ、厄神に接近し、カマイタチの如き速さで厄神の体を斬っていった。厄神は怒り叫んだ。
『おのれー!!勇士共!!ワレの体に傷をつけおって!!』
「では、さらに致命傷を与えましょう」
千里も天高く跳躍し、厄神の頭上に飛び蹴りを食らわせ、その反動で舞うように跳躍し、体を回転させながら投げ針や聖なる砂石を、モトスに斬られた傷口に投げ当てた。
『ぐわぁあ!!ワレはここでは終わらんぞ・・・』
「いいや、お前はこれで終わりだ。お前は本物の厄神マガツイノカミではない」
桜龍は稲妻を帯びた太刀で厄神の首を斬った。
「お前は、俺の憎しみや負の感情で作られた、俺自身の心だ!!」
桜龍は皆に目で合図した。球磨は火炎弾、湘は水龍、モトスは葉と花の嵐、千里は星の砂と岩石を同時に放ち、厄神に大打撃を与えた。そして、地水火風の力が聖龍の瞳と共鳴し、桜龍の太刀は七色の光に染まり、彼自身も神々しい光に包まれた。
「俺は己と仲間を信じる!!闇や憎しみに己を失わない!!俺の心の闇を成敗してやる!!」
桜龍の渾身の斬撃は厄神の体を真っ二つに斬り裂いた。厄神が消えると同時に、辺り一面美しい草原が広がった。そして桜龍は終わったと笑顔を皆に向け、礼を言った。
「皆んな、ありがとう。俺はもう自分を見失わないよ」
皆も桜龍に笑顔を向け、淡い光の中消えていった。桜龍も満足な笑みを浮かべ、その場に倒れた。
「これは・・・闇の世界か?」
桜龍は辺りを見回すと、枯れた木に黒く染まった草花。その周りには仲間達が倒れていた。桜龍は真っ先に皆の元に駆けつけた。
「球磨!!湘さん!!モトスさん!!千里!!」
「桜龍か・・・こいつは強いぜ。諦めず何度も挑んだが、もう限界だぜ・・・」
「桜龍・・逃げろ。お前は仁摩殿と共に絶対に生き残るのだ」
球磨とモトスは致命傷を負っており、瞳には光が無く絶望感に満ちた目をしていた。
「そんな事は出来ない!!今、傷を治すから待っていろ!!」
「桜龍!!もう君は戦わなくて良いよ。私は君が怒りで力を暴走させ命を落とすのが怖い。だから、私たちもこの世界も諦めて逃げたまえ」
心身と共に傷を負っている湘も諦めた態度で桜龍に告げた。
「・・いいや、俺は諦めない。皆は休んでいて。俺は命に代えてもマガツイノカミを倒す!!」
桜龍は刀を構え、天空に舞うマガツイノカミに技を放とうとした。しかし、千里に止められた。
「それはなりません、桜龍。聖龍と闇龍をぶつけさせるのが卑弩羅の目的です。そうなってしまったら、この大地は滅びます」
「卑弩羅の野郎・・・」
マガツイノカミは口から黒い稲妻を放った。桜龍は動けない皆を護るために、護符を取り出し結界を張った。しかし防御するのが精一杯で、紫に光る結界は破れてしまった。桜龍は稲妻を直撃し、力尽きた。
「これが・・厄神マガツイノカミの力か・・・俺は仁摩も救えず、皆も護れなかったのか・・・」
桜龍達は割れた大地に落ち、暗いどん底に落ちていった。
「俺達は厄神に勝てないのか・・・」
桜龍は絶望に満ちた顔をして諦めようとしたが、懐にしまっているウサギの刺繍のお守りから温かい光が現れた。
「仁摩が作ってくれたお守りか?」
すると、仁摩が海洋族の宮殿で海王神いすみと稽古している光景が映った。仁摩がいすみの槍に払われても、めげる事なく何度も棍棒を振るい、倒れても懸命に立ち向かっている。何度も立ち上がり、諦めない彼女の姿を見て、桜龍は嬉し涙を流した。
「そうだよな・・仁摩だって強くなる為に、いすみ様に稽古をつけてもらっている。俺がこんなところで挫けたら男が廃るぜ・・・」
桜龍の瞳から希望の光が復活しそうな時、心の中で仁摩の優しく芯の強い声が聞こえた。
「桜龍、私は自分に出来ることをまっとうする為に強くなるわ。だからあなたも、憎しみや悲しみに負けぬよう強くなって」
「仁摩・・・」
すると今度は聖龍王の気高い声が胸に響いた。
「桜龍、諦めてはならぬ。己の力を信じ、仲間達の強さも信じるのだ。お主の試練は自身の心と戦う事だ」
「聖龍王様・・・そうか、このマガツイノカミは俺の弱さや憎しみから出来た、心の中の俺だったんだな。それなら絶対に勝たないとな!!」
桜龍は絶望のどん底に落ちそうになったが、白金色の聖龍に包まれ、舞い上がった。そして仲間達を聖龍に乗せ、皆を勇気づけた。
「球磨の力強さと心の熱さは皆の支えになる。希望の炎を灯してくれ!!」
球磨は勇ましい顔つきになり、重量のある西洋槍を天高く掲げ、燃え盛る炎をまとわせた。
「お前に勇気づけられるとはな。俺がお前を護るから、絶対に死ぬなよ!!」
「湘さんの知略に何度も助けられています。どうか、勝利への策をお願いします!!」
湘は不敵な笑みを浮かべながら銃口を磨き、キザな口調で返した。
「やれやれ、頼られる以上私も良い策を考えないとな」
「モトスさん、遅れはとりません。あなたの速さについていきます!!」
モトスは呼吸を整え、翡翠色に輝く精霊のハネを出現させ、羽ばたく準備をしながら言った。
「お前なら、俺の速さについて行ける。己の力を信じよ、桜龍」
「千里!!失った者達の為の弔いをしようぜ。それと、もうこれ以上悲劇を生ませない為にな」
千里は桜龍の言葉に勇気づけられ、真紅の瞳から戦いの闘志が映し出された。
「僕1人では闇に勝てません。貴方の強さが僕の闘志を燃やしています」
「俺も、皆が居るから強くなれる。皆!!マガツイノカミを倒すぞ!!」
桜龍は刀の先端を厄神に向け、皆も不死鳥の如く蘇り、桜龍の隣に並び武器を構えた。
「それじゃあこっちから行くぜ!!灼熱の炎、食いやがれ!!」
球磨は天高く跳躍し、空中で聖火をまとわせた西洋槍を十字に描き、十字架の炎を厄神にぶつけた。厄神は聖なる炎の力に怯み、その隙に湘が氷で階段を作り、厄神に接近し、銃剣から冷水を放った。
「暴れ牛の炎は相当熱かったようだねぇ。私が冷ましてやろう」
大量の冷水は厄神の顔を直撃した。焼けるような炎を受けてから、凍てつくような冷水を浴び、深傷を負ったようだ。
「邪悪な厄神め、聖風の裁きを受けてみよ!!」
モトスは精霊のハネを羽ばたかせ、厄神に接近し、カマイタチの如き速さで厄神の体を斬っていった。厄神は怒り叫んだ。
『おのれー!!勇士共!!ワレの体に傷をつけおって!!』
「では、さらに致命傷を与えましょう」
千里も天高く跳躍し、厄神の頭上に飛び蹴りを食らわせ、その反動で舞うように跳躍し、体を回転させながら投げ針や聖なる砂石を、モトスに斬られた傷口に投げ当てた。
『ぐわぁあ!!ワレはここでは終わらんぞ・・・』
「いいや、お前はこれで終わりだ。お前は本物の厄神マガツイノカミではない」
桜龍は稲妻を帯びた太刀で厄神の首を斬った。
「お前は、俺の憎しみや負の感情で作られた、俺自身の心だ!!」
桜龍は皆に目で合図した。球磨は火炎弾、湘は水龍、モトスは葉と花の嵐、千里は星の砂と岩石を同時に放ち、厄神に大打撃を与えた。そして、地水火風の力が聖龍の瞳と共鳴し、桜龍の太刀は七色の光に染まり、彼自身も神々しい光に包まれた。
「俺は己と仲間を信じる!!闇や憎しみに己を失わない!!俺の心の闇を成敗してやる!!」
桜龍の渾身の斬撃は厄神の体を真っ二つに斬り裂いた。厄神が消えると同時に、辺り一面美しい草原が広がった。そして桜龍は終わったと笑顔を皆に向け、礼を言った。
「皆んな、ありがとう。俺はもう自分を見失わないよ」
皆も桜龍に笑顔を向け、淡い光の中消えていった。桜龍も満足な笑みを浮かべ、その場に倒れた。