第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
鳴沢の森から林道を進んで行くと、あたり一面、陽の光を遮る程の木々が生える樹海にたどり着いた。
「ここが、青木ヶ原の入り口だ」
「日中でも暗い感じがするずら・・・」
「大自然は森精霊の味方だ。始祖様に会いたい気持ちが強ければ、導いてくれる。共に頑張ろう、小助」
「はい!!モトスさん。おらは白州兄ちゃんに鍛えられました。剣術と風を操る力でモトスさんを助けますずら」
「それは頼もしいな、小助」
モトスと小助は雑木林を歩いていた。溶岩石の段差で高低差が多く、足場も不安定であり、小助は転ばぬように慎重に歩いている。
「小助、足元に気をつけるのだぞ」
「大丈夫ですずら、これでも白州兄ちゃんと樹海で修行していますずら」
「そうだな。道の歩き方にも慣れておるな。だが、この道を抜けたら少し休もう」
「モトスさんは、オラが飛べないから飛ばないずら?」
「いいや、飛んで空から探しても見つからないと、棟梁が言っていた。こう歩いて、始祖様の気配を感じとるのが望ましい探し方かなと」
「気配を探すという事ずら?」
「ああ。俺達、森精霊は大自然の中で繋がっている。樹海中を探すのは試練だが、きっと始祖様は見つかる」
「頑張りましょう!!モトスさん!!これで忍耐力を鍛えるずら!!」
モトスと小助はその後も雑木林を抜けながら池を探し続けた。
夜になり、モトスと小助は段差の下に出来た洞の中で休んでいた。樹海の夜は急激に冷えるので、焚き火であったまりながら、米とイナゴの佃煮を食べた。
「オラ達、夜営をしているみたいですずら」
「戦場よりは穏やかだな。ここは誰も来ない暗い樹海だな」
「始祖様は離れた所からオラ達を見ているのかなー」
「そうだな。明日こそ見つかるように頑張ろう。少し月の光を浴びるか」
モトスは小助を抱っこして、ヒスイの羽を広げ、高い木まで飛んだ。そして月光によりハネは鮮やかに光り、2人の疲労を回復させた。
「これが、月の光。とても気持ち良いずら」
「森精霊は自然の恵みで回復する。陽の光も月の光も我らを癒してくれる」
「お天道様とお月様に感謝ずら。あと、自然やお花達にも感謝ずら」
「そうだな。自然の力はきっと俺達を導いてくれる。さて今日はもう寝るか、小助」
モトスは小助を抱っこし、洞の奥に入り体を休めた。
小助が深い眠りについていると、年老いた姿の男が嘆き泣いている声が聞こえた。
『俺は何で、人間になれなかったのだ!!何で、森精霊の成り損ないなのだ・・・』
『おじちゃん・・・誰ずら?そのハネは・・・森精霊ずら?』
『私は、穴山信友様に捨てられた・・・私を愛してくれなかった・・・憎いわ。武田も穴山も滅ぼしてやる!!我が子を破滅の闇精霊に!!』
「小助!!」
「モトスおじちゃん!!怖かったずらー!!」
小助は夢の内容をモトスに話した。
「梅雪と雪菜(せつな)殿が夢に現れたのか・・・この樹海は悪夢を見せる事がある。小助、怖い思いをさせて、すまなかった・・・」
「だ・・大丈夫ずら。おらの修行が足りなかっただけずら!!おらは弱虫じゃないずら!!」
「小助、お前は白州と修行し、強く成長したのが分かる。だが、強がらず、怖かったら怖いと言うのだぞ」
「モトスおじちゃん・・・おらは梅雪って奴の生まれ変わりずら?」
「そうかもしれぬが、梅雪と母の雪菜殿は憎しみから浄化され、黄泉へ還ったよ。だから小助は心配する事ない」
「・・・うん」
小助は不安そうな小声で頷いた。梅雪と雪菜の夢にまだ恐怖が残っていた。
「ここが、青木ヶ原の入り口だ」
「日中でも暗い感じがするずら・・・」
「大自然は森精霊の味方だ。始祖様に会いたい気持ちが強ければ、導いてくれる。共に頑張ろう、小助」
「はい!!モトスさん。おらは白州兄ちゃんに鍛えられました。剣術と風を操る力でモトスさんを助けますずら」
「それは頼もしいな、小助」
モトスと小助は雑木林を歩いていた。溶岩石の段差で高低差が多く、足場も不安定であり、小助は転ばぬように慎重に歩いている。
「小助、足元に気をつけるのだぞ」
「大丈夫ですずら、これでも白州兄ちゃんと樹海で修行していますずら」
「そうだな。道の歩き方にも慣れておるな。だが、この道を抜けたら少し休もう」
「モトスさんは、オラが飛べないから飛ばないずら?」
「いいや、飛んで空から探しても見つからないと、棟梁が言っていた。こう歩いて、始祖様の気配を感じとるのが望ましい探し方かなと」
「気配を探すという事ずら?」
「ああ。俺達、森精霊は大自然の中で繋がっている。樹海中を探すのは試練だが、きっと始祖様は見つかる」
「頑張りましょう!!モトスさん!!これで忍耐力を鍛えるずら!!」
モトスと小助はその後も雑木林を抜けながら池を探し続けた。
夜になり、モトスと小助は段差の下に出来た洞の中で休んでいた。樹海の夜は急激に冷えるので、焚き火であったまりながら、米とイナゴの佃煮を食べた。
「オラ達、夜営をしているみたいですずら」
「戦場よりは穏やかだな。ここは誰も来ない暗い樹海だな」
「始祖様は離れた所からオラ達を見ているのかなー」
「そうだな。明日こそ見つかるように頑張ろう。少し月の光を浴びるか」
モトスは小助を抱っこして、ヒスイの羽を広げ、高い木まで飛んだ。そして月光によりハネは鮮やかに光り、2人の疲労を回復させた。
「これが、月の光。とても気持ち良いずら」
「森精霊は自然の恵みで回復する。陽の光も月の光も我らを癒してくれる」
「お天道様とお月様に感謝ずら。あと、自然やお花達にも感謝ずら」
「そうだな。自然の力はきっと俺達を導いてくれる。さて今日はもう寝るか、小助」
モトスは小助を抱っこし、洞の奥に入り体を休めた。
小助が深い眠りについていると、年老いた姿の男が嘆き泣いている声が聞こえた。
『俺は何で、人間になれなかったのだ!!何で、森精霊の成り損ないなのだ・・・』
『おじちゃん・・・誰ずら?そのハネは・・・森精霊ずら?』
『私は、穴山信友様に捨てられた・・・私を愛してくれなかった・・・憎いわ。武田も穴山も滅ぼしてやる!!我が子を破滅の闇精霊に!!』
「小助!!」
「モトスおじちゃん!!怖かったずらー!!」
小助は夢の内容をモトスに話した。
「梅雪と雪菜(せつな)殿が夢に現れたのか・・・この樹海は悪夢を見せる事がある。小助、怖い思いをさせて、すまなかった・・・」
「だ・・大丈夫ずら。おらの修行が足りなかっただけずら!!おらは弱虫じゃないずら!!」
「小助、お前は白州と修行し、強く成長したのが分かる。だが、強がらず、怖かったら怖いと言うのだぞ」
「モトスおじちゃん・・・おらは梅雪って奴の生まれ変わりずら?」
「そうかもしれぬが、梅雪と母の雪菜殿は憎しみから浄化され、黄泉へ還ったよ。だから小助は心配する事ない」
「・・・うん」
小助は不安そうな小声で頷いた。梅雪と雪菜の夢にまだ恐怖が残っていた。