第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
その頃、必死に逃げている領主は、一ノ関の林道で、壮年の神官風の男と、若い美丈夫な剣士に出くわした。
「随分と服や鎧が破れておるな・・・何があったのか?」
「俺は、平泉の領主だ。元々は葛西家の家臣だったのだがな。信じてはもらえないかもしれないが、今、平泉は魔改造戦士に滅茶苦茶にされている・・・」
「もしかして、5人の勇士達と会いませんでしたか?」
剣士の男は領主に尋ねた。領主は平泉を救いに来た5人の勇士と1人の巫女が来たと伝えた。
「・・・やはり、兄さん達と仁摩さんが、もう戦っているのか」
「こうしてはおれるな。急ぐぞ、紅史郎」
神官風の男は領主に東北の地図を渡した。いくつかの場所に『地』と印が押されていた。
「これは、地底世界への入り口が記されておる。ここからだと登米の洞窟が近いな。洞窟前で『江津から地図を貰った』と叫べば、小人達は通してくれる」
領主は土竜(どりゅう)族も地底世界も知らないが、不思議な力を感じる彼らの言葉を信じた。
「地図をありがとう。これを見る限り、地底で米沢に繋がっていそうだな。政宗殿に平泉の状況を伝え、援軍を送れるようにする。お二方もどうか無事でな」
領主は2人に礼を言い、別れた。江津は北の空を見て黒い雲と邪気を感じた。
「桜龍・・・力を開放させてしまったか。それも憎しみの。これは危ういな」
「急ぎましょう!!江津さん!!」
紅史郎と江津は急ぎ、平泉へ向かった。上空から白天狗のような男性が2人を眺めながら呟いていた。
「頼もしい勇士達が集まっているな。俺も遅れを取らないようにしねーとな。いすみちゃんと八郎じいも今回は来るだろうし。飛天族の長、蕨(わらび)も参るぞ!!」
蕨も平泉の空を覆う、黒い雲に向かって白い羽を羽ばたかせた。
第5話 完
「随分と服や鎧が破れておるな・・・何があったのか?」
「俺は、平泉の領主だ。元々は葛西家の家臣だったのだがな。信じてはもらえないかもしれないが、今、平泉は魔改造戦士に滅茶苦茶にされている・・・」
「もしかして、5人の勇士達と会いませんでしたか?」
剣士の男は領主に尋ねた。領主は平泉を救いに来た5人の勇士と1人の巫女が来たと伝えた。
「・・・やはり、兄さん達と仁摩さんが、もう戦っているのか」
「こうしてはおれるな。急ぐぞ、紅史郎」
神官風の男は領主に東北の地図を渡した。いくつかの場所に『地』と印が押されていた。
「これは、地底世界への入り口が記されておる。ここからだと登米の洞窟が近いな。洞窟前で『江津から地図を貰った』と叫べば、小人達は通してくれる」
領主は土竜(どりゅう)族も地底世界も知らないが、不思議な力を感じる彼らの言葉を信じた。
「地図をありがとう。これを見る限り、地底で米沢に繋がっていそうだな。政宗殿に平泉の状況を伝え、援軍を送れるようにする。お二方もどうか無事でな」
領主は2人に礼を言い、別れた。江津は北の空を見て黒い雲と邪気を感じた。
「桜龍・・・力を開放させてしまったか。それも憎しみの。これは危ういな」
「急ぎましょう!!江津さん!!」
紅史郎と江津は急ぎ、平泉へ向かった。上空から白天狗のような男性が2人を眺めながら呟いていた。
「頼もしい勇士達が集まっているな。俺も遅れを取らないようにしねーとな。いすみちゃんと八郎じいも今回は来るだろうし。飛天族の長、蕨(わらび)も参るぞ!!」
蕨も平泉の空を覆う、黒い雲に向かって白い羽を羽ばたかせた。
第5話 完