第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
桜龍は大芹と対峙していた。大芹の黒い龍の腕から繰り出される稲妻を避けたり術で打ち消したりしながら、相手の動きを見ていた。
「君では私を倒せぬよ。例え聖なる龍の力があれど魔改造戦士にとって恐るるに足りぬ」
「俺は、平泉の地と民を護るのが使命だ。これ以上お前らの好きにはさせない!!」
大芹は逃げ遅れた領主を見つけ、彼に強大な稲妻を放った。桜龍は間一髪で太刀で打ち消し、領主を助けた。
「あなたは確か、葛西家の家臣だったな。葛西家は確か伊達家と繋がりがあったよな。米沢の政宗殿の元へ逃げるんだ!!」
「し・・承知した。政宗殿に、平泉で魔改造戦士が現れた事を伝える!!君達も危なくなったら逃げるのだぞ」
領主は申し訳ない顔をしながら金鶏山を去った。大芹達は追うことはせず、むしろ嬉しそうに笑っていた。
「むしろ宣伝になって良いな。天下を気取るサルと全国の大名共に言っておけ。勇士共は無惨に敗れ、魔改造戦士が東北・・いいや、日ノ本に君臨するとな!!」
「そんな事させるかよ!!」
桜龍は気を解放させ、左目が白金色に光った。それと同時に、今までに感じたことの無い邪気があたり一面に現れた。突然、空は闇に覆われ桜龍達の目の前に黒い甲冑身につけた男と、隣に黒い衣を羽織り、背中から黒いハネを生やす精霊の男が姿を表した。
「ほう?魔改造戦士相手に随分と頑張っておるな」
卑弩羅は周りの状況を把握していると、千里とモトスと戦っている厳美は戦いを止め、彼に声を掛けた。
「これはこれは、我が主、卑弩羅様に、四天王の朝霧殿ではありませんかー。まさか平泉に来ていただけるとは思ってもみなかったです」
「貴様は・・・闇王卑弩羅か?」
桜龍は闇王の顔をまじまじと見ると、悪感と同時に懐かしさを感じ、言葉が出なかった。
「そうだ。私が闇王、卑弩羅だ。随分と戸惑っているな。私の邪悪な気か?それとも」
「出雲で俺に剣を教えてくれた・・・ミコト師匠・・・?」
「何ですって!?」
「それは本当か!?桜龍?」
仁摩と球磨は桜龍に問い、皆も戸惑っていた。
「ずいぶんと成長したものだ、桜龍。正義感の強さは童の時と変わらぬな」
「・・・そうか。師匠・・いいや、闇王卑弩羅は貴様だったのか!!何故、俺に剣を教えた!!」
桜龍は悲しんでも今目の前に居る者は敵だと事実を受け入れるしかなかった。しかし、何故自分を強くさせたのかは聞きたかった。
「桜龍に宿る聖なる龍を成長させたかったのだよ。いずれ厄神マガツイノカミ様と力をぶつけさせる為にな」
一方、モトスは朝霧の黒い模様のハネを見て、同胞がなぜ卑弩羅の手下となった理由を聞いた。
「貴様は・・エンザン棟梁から聞いたことがある。森を出て闇精霊となったと。何故、闇王の配下となったのだ!!」
朝霧は冷徹な瞳でモトスに答えた。
「・・・エンザンの愛弟子か。私は自らの野望の為、卑弩羅様に仕えている。邪魔する奴は消し去るだけだ」
「・・・では、敵とみなすしかないな。俺は同胞であれ邪悪な者であれば刃を向ける!!」
モトスはこれ以上は何も言わず朝霧に刃を向けた。
「桜龍に剣や術を教えたのも、全てはマガツイノ神様の為だ」
「そうか・・理由はどうであれ俺に武芸を教えてくれた事には感謝する。だが、今まで出会った者達を苦しめた闇王と分かれば容赦はしないぜ!!」
桜龍は眼帯を外し、白金色の龍の瞳から眩い光が現れた。そして気を高め、卑弩羅に太刀を向けた。
「これ以上お前らの好きにはさせない!!平泉も日ノ本も俺達が護る!!」
皆も桜龍に続き、卑弩羅に攻撃を仕掛けた。
「お手並み拝見といこうか」
桜龍の剣撃が卑弩羅の魔刀にぶつかる。しかし聖なる力を帯びた太刀筋でも卑弩羅の魔刀は微動だにしなかった。卑弩羅は攻撃態勢に入らず、地面を見た。
「本来なら厳美が目覚めさせるのだが、私が戦女神を起こしてやろうか」
卑弩羅は地面に闇の波動を放ち、辺り一面、激しい揺れに襲われた。千里は阻止する為に地に封印の術を放ったが卑弩羅の強大な魔力でかき消された。
「く・・若桜を目覚めさせない!!」
千里は素早く卑弩羅の懐に入り鎌で攻撃しようとしたが厳美の大鎌で遮られた。
「止めないで下さいよ、千里君だって、若桜ちゃんと再会したいでしょう?」
「く・・・」
モトスも隙を狙い厳美に攻撃しようと双曲刀で斬りかかろうとしたが、朝霧の棍棒で止められてしまった。
「我が王の野望を阻止する者は同胞でも容赦はせん・・・」
「く・・・完全に闇精霊に堕ちたか朝霧」
モトスは歯を食いしばりながら朝霧の棒術を双曲刀で受け流し続けた。
「ふざけるな!!千里の恋人を戦いの道具にするんじゃねーよ!!」
桜龍は再び卑弩羅に斬撃を繰り広げた。しかし卑弩羅はいとも簡単に指で刀を受け止め、桜龍の体をはたき飛ばした。球磨はがっしりと彼を受け止めた。
「今の貴様では私は倒せぬ」
「くっそ・・・」
「さぁ、目覚めよ!!戦女神若桜!!」
卑弩羅は地に闇の波動を放った。すると大地は激しく揺れ、皆は戦いを止め一部始終を見ていると、地中から人が入るほどの薄紫色の繭が姿を現した。千里は『止めろ!!』と大地の封印の術を放ったが、繭から放たれる邪気でかき消されてしまった。そして繭はひび割れていき、美しい着物と甲冑と身にまとった女性剣士が姿を現した。
「君では私を倒せぬよ。例え聖なる龍の力があれど魔改造戦士にとって恐るるに足りぬ」
「俺は、平泉の地と民を護るのが使命だ。これ以上お前らの好きにはさせない!!」
大芹は逃げ遅れた領主を見つけ、彼に強大な稲妻を放った。桜龍は間一髪で太刀で打ち消し、領主を助けた。
「あなたは確か、葛西家の家臣だったな。葛西家は確か伊達家と繋がりがあったよな。米沢の政宗殿の元へ逃げるんだ!!」
「し・・承知した。政宗殿に、平泉で魔改造戦士が現れた事を伝える!!君達も危なくなったら逃げるのだぞ」
領主は申し訳ない顔をしながら金鶏山を去った。大芹達は追うことはせず、むしろ嬉しそうに笑っていた。
「むしろ宣伝になって良いな。天下を気取るサルと全国の大名共に言っておけ。勇士共は無惨に敗れ、魔改造戦士が東北・・いいや、日ノ本に君臨するとな!!」
「そんな事させるかよ!!」
桜龍は気を解放させ、左目が白金色に光った。それと同時に、今までに感じたことの無い邪気があたり一面に現れた。突然、空は闇に覆われ桜龍達の目の前に黒い甲冑身につけた男と、隣に黒い衣を羽織り、背中から黒いハネを生やす精霊の男が姿を表した。
「ほう?魔改造戦士相手に随分と頑張っておるな」
卑弩羅は周りの状況を把握していると、千里とモトスと戦っている厳美は戦いを止め、彼に声を掛けた。
「これはこれは、我が主、卑弩羅様に、四天王の朝霧殿ではありませんかー。まさか平泉に来ていただけるとは思ってもみなかったです」
「貴様は・・・闇王卑弩羅か?」
桜龍は闇王の顔をまじまじと見ると、悪感と同時に懐かしさを感じ、言葉が出なかった。
「そうだ。私が闇王、卑弩羅だ。随分と戸惑っているな。私の邪悪な気か?それとも」
「出雲で俺に剣を教えてくれた・・・ミコト師匠・・・?」
「何ですって!?」
「それは本当か!?桜龍?」
仁摩と球磨は桜龍に問い、皆も戸惑っていた。
「ずいぶんと成長したものだ、桜龍。正義感の強さは童の時と変わらぬな」
「・・・そうか。師匠・・いいや、闇王卑弩羅は貴様だったのか!!何故、俺に剣を教えた!!」
桜龍は悲しんでも今目の前に居る者は敵だと事実を受け入れるしかなかった。しかし、何故自分を強くさせたのかは聞きたかった。
「桜龍に宿る聖なる龍を成長させたかったのだよ。いずれ厄神マガツイノカミ様と力をぶつけさせる為にな」
一方、モトスは朝霧の黒い模様のハネを見て、同胞がなぜ卑弩羅の手下となった理由を聞いた。
「貴様は・・エンザン棟梁から聞いたことがある。森を出て闇精霊となったと。何故、闇王の配下となったのだ!!」
朝霧は冷徹な瞳でモトスに答えた。
「・・・エンザンの愛弟子か。私は自らの野望の為、卑弩羅様に仕えている。邪魔する奴は消し去るだけだ」
「・・・では、敵とみなすしかないな。俺は同胞であれ邪悪な者であれば刃を向ける!!」
モトスはこれ以上は何も言わず朝霧に刃を向けた。
「桜龍に剣や術を教えたのも、全てはマガツイノ神様の為だ」
「そうか・・理由はどうであれ俺に武芸を教えてくれた事には感謝する。だが、今まで出会った者達を苦しめた闇王と分かれば容赦はしないぜ!!」
桜龍は眼帯を外し、白金色の龍の瞳から眩い光が現れた。そして気を高め、卑弩羅に太刀を向けた。
「これ以上お前らの好きにはさせない!!平泉も日ノ本も俺達が護る!!」
皆も桜龍に続き、卑弩羅に攻撃を仕掛けた。
「お手並み拝見といこうか」
桜龍の剣撃が卑弩羅の魔刀にぶつかる。しかし聖なる力を帯びた太刀筋でも卑弩羅の魔刀は微動だにしなかった。卑弩羅は攻撃態勢に入らず、地面を見た。
「本来なら厳美が目覚めさせるのだが、私が戦女神を起こしてやろうか」
卑弩羅は地面に闇の波動を放ち、辺り一面、激しい揺れに襲われた。千里は阻止する為に地に封印の術を放ったが卑弩羅の強大な魔力でかき消された。
「く・・若桜を目覚めさせない!!」
千里は素早く卑弩羅の懐に入り鎌で攻撃しようとしたが厳美の大鎌で遮られた。
「止めないで下さいよ、千里君だって、若桜ちゃんと再会したいでしょう?」
「く・・・」
モトスも隙を狙い厳美に攻撃しようと双曲刀で斬りかかろうとしたが、朝霧の棍棒で止められてしまった。
「我が王の野望を阻止する者は同胞でも容赦はせん・・・」
「く・・・完全に闇精霊に堕ちたか朝霧」
モトスは歯を食いしばりながら朝霧の棒術を双曲刀で受け流し続けた。
「ふざけるな!!千里の恋人を戦いの道具にするんじゃねーよ!!」
桜龍は再び卑弩羅に斬撃を繰り広げた。しかし卑弩羅はいとも簡単に指で刀を受け止め、桜龍の体をはたき飛ばした。球磨はがっしりと彼を受け止めた。
「今の貴様では私は倒せぬ」
「くっそ・・・」
「さぁ、目覚めよ!!戦女神若桜!!」
卑弩羅は地に闇の波動を放った。すると大地は激しく揺れ、皆は戦いを止め一部始終を見ていると、地中から人が入るほどの薄紫色の繭が姿を現した。千里は『止めろ!!』と大地の封印の術を放ったが、繭から放たれる邪気でかき消されてしまった。そして繭はひび割れていき、美しい着物と甲冑と身にまとった女性剣士が姿を現した。